VOL.6_ 林間に酒を煖めて紅葉を焼く

VOL.6_ 林間に酒を煖めて紅葉を焼く
by 花時間編集部

こんにちは。
東京・恵比寿で「ほねラボラトリー魚のほね」を営んでいる櫻庭基成郎です。

今回はお祝いには欠かせない鯛についてお話しさせていただきます

秋といえば紅葉。
山々の楓や蔦が紅く染まる様子を思い起こされると思います。その紅葉を焼いて酒を燗にし愉しむという趣味の世界が、「平家物語」にも登場する「林間に酒を煖めて紅葉を焼く」です。昔もから紅葉が風流な情景として賞美されていたのでしょう。

「もみじ」という称号をつけられている紅葉鯛。秋から冬までの時期に、春の産卵を終え体力が回復した秋の鯛の呼び名です。エビやカニなどを餌にし、体表が赤く紅葉したように見えることからです。

春は「桜鯛」、秋は「紅葉鯛」と呼ばれる鯛。味わいとしては、卵を持った春の鯛よりも、脂ののりがよい紅葉鯛がより人気があります。

鯛の話では、大きい鯛と小ぶりな鯛、どちらがよいかという論争もよく出ます。
寿司や焼き物、煮付けにするなら大きな鯛。
刺身や軽く〆て酢であわせるなら2キロ程の中振り。
1キロ程の小ぶりなものは、刺身でも皮目を湯霜にしたり焼き霜にしたり少し厚めに平造りで召し上がっていただくと旨さが際立つ様に感じます。

 

大きさでかなり味わいに違いがでる鯛は、すごい魚だと思います。そして味わいもですが、姿形も人気の所以だと思います。

ちなみに、えぼ鯛や金目鯛など鯛と関係はなくとも鯛と名ががつく魚は味がよいので、鯛にあやかって○○鯛となったようです。
地名でも銀座にあやか里、○○銀座商店街などもあります。誰もが知っている名高いものというところで、魚は鯛、地名は銀座と名誉を表す称号として使われているのでしょう。


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by 花時間編集部

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