Vol.8 春爛漫

Vol.8 春爛漫
by 花時間編集部

こんにちは
恵比寿で「ほねラボラトリー魚のほね」を営んでいる
櫻庭基成郎と申します。

今回は山菜についてお話しさせていただきます。

山菜というと何を思い出しますか?
早く春が訪れるエリア、遅いエリアと、北より南に長い日本列島は、地域によって山菜であっても呼び名や採れる時期が異なります。

 

食養生という東洋医学の考え方で、「春は苦みを盛れ」とあり、冬のあいだに蓄積した老廃物を山菜の苦みが体内から取り除くとされています。
食歴史も古く、縄文時代には、すでに食べられていたようです。
遺跡からは、他の野菜も含め40種程発見されており、狩猟・採取・漁労が生活のベースだった当時の貴重な食糧だったと想像できます。

奈良時代の終わり頃に成立した、日本最古の歌集『万葉集』にも、山菜は数々歌われており
季節そのものがご馳走である日本人の好みがうかがわれます。

○醤酢(ひしほす)に 蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて 鯛願ふ われにな見えそ 水葱の羹(あつもの) 「長忌寸意吉麻呂」(ながのいみき おきまろ)

当時の宴席などで活躍した官人でユーモアある即興歌が得意だったようで、鯛にノビル(ニンニク)と醤(醤油と味噌のルーツ)を混ぜて食べたいのに、水葱の羹(みずあおいの吸い物)を見せないでと、贅沢が好みなのになんで質素なものをみせてくるんだという「贅沢が好き」という滑稽歌です。

今の時代には、みずあおいは絶滅危惧種の山菜で、採取は禁止になっています。みずあおいの方が贅沢な山菜になりました。

鮮烈な香りのノビルや行者ニンニク、ほろ苦い蕗の薹やタラの芽、繊細なミズや潤菜。
山菜と一括りに語れない、バラエティの豊富さ。楽しみ方も無限です。

現代では、いつでもどこでも手に入るが当たり前となっていて「春」にしか手に入らない、山菜は贅沢な食材です。
意吉麻呂が現代にやってきたらどんな歌を作っていたでしょう?


日本料理は旬を味わう料理で一つの料理にも文化と歴史、作り手の思いが詰まっています
その思いの集大成が「おせち」です
おせちの料理一品一品に意味がありその意味を噛み締めながら
年始を家族とお祝いします
華やかな花おせちご用意いたしました。

by 花時間編集部

春迎えの花おせち

大切な人と迎える新年を明るく、華やかに!