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たっぷりシンプルに楽しみたい、魅惑の大人チューリップ | 花のある週末、はじめませんか Vol.27

たっぷりシンプルに楽しみたい、魅惑の大人チューリップ | 花のある週末、はじめませんか Vol.27

こんにちは!「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子です。こちらでは、旬の季節に楽しみたい花の、“長もちさせるハウツー”や“簡単おしゃれなコーディネイトのコツ”をお伝えしていきます。花瓶がなくても大丈夫。少しの花材と身近な雑貨を組み合わせて、家のなかに自分のお気に入りの花コーナーを作ってみませんか?

3月第3週のおすすめは「チューリップ」

3月のウィークエンドフラワーその3.チューリップ(和名:鬱金香 ウコンコウ 英名:Tulip)
●原産国: トルコ
●主な生産地: 富山県、新潟県 ほか

春の花のアイコン的存在、チューリップ。ユリ科チューリップ属の植物です。誰もが知る春の球根花。球根から育てたことがあるかたも多いですよね。

チューリップは、新潟県や富山県が国内有数の生産地で、2月~3月が出荷の最盛期になります。シーズンは間もなく終わりますが、寒い季節から私たちを楽しませてくれた春の球根花のフィナーレに、チューリップを紹介しましょう。

学名は「Tulipa gesneriana」。Tulipa(ツゥリッパ)はトルコ語で「ターバン」の意味。確かに花の形がターバンに見えなくもないですね。これには逸話があって、オーストリアのトルコ駐在大使がトルコ人に”花の名前”を尋ねたところ、トルコ人はこの質問を”花の形が何に似ているか”と聞かれたと勘違いして「ターバン」と答え…以来、「ターバン(ツゥリッパ)=チューリップ」という名が世界中に広がったそうです。本当の名前が気になりますよね(笑)。

チューリップには、いろいろな色があるのはもちろんのこと、花形もさまざまで驚かされます。コロンとした姿が愛らしい八重咲き、舞うように咲くユリ咲き、ギザギザおしゃれなフリンジ咲き、うねる花弁がオウム(parrot)の羽に似ているパロット咲きなどなど、ユニークなチューリップたちに目移りしちゃいます。その種類は年々増え続け、なんと8000品種以上あるとか! 

チューリップのイメージといえば、学校の花壇にかわいk並んで咲いている花、もしくはオランダのキューケンホフ公園の広大なチューリップ畑と風車の光景ですが…。中世のオランダでは「チューリップ狂時代」なるものがあったほど、人々を狂わせる魅力をもった魔性の花でした。16世紀に原産国トルコ(オスマン帝国)からオランダに渡り、投機による球根価格の高騰が引き起こした「チューリップ・バブル」は世界初のバブル経済として有名な史実です。

春になるたびに出合う珍しく魅惑的なチューリップ、むくむくと「手に入れたい!」衝動にかられます。昔の人々が熱狂した変わり咲きのチューリップと同じような配色のチューリップを、今を生きる私たちは気軽に手にすることができるのです。

1種類をたっぷりと! 旬の花の魅力的な飾り方

まず、大人な雰囲気のチューリップを“1種類のみ”いける、シンプルな花飾りを紹介します。

チューリップはいろいろな春の花々との組み合わせが楽しいですし、色違いでカラフルにパレットのように集めて飾るのもかわいいのですが…。格好いい花色や花形のチューリップを見つけたら、それだけをたっぷりと飾ってみるのも素敵です。無造作にバサッといけている風が、”絵になる花”でもありますので、ぜひ試してみてくださいね。

PHOTO: Kieko Miura / FLOWER: Noriko Ogawa

■材料(花材費合計=2500円前後)

●花材
*チューリップ「スーパーパロット」/ 10本 
※パロット咲きなど、変わっている品種はやや高めです。横に飾っているパープルの花はアネモネ・ポルト。

●器について
たびたび登場しているホーローのピッチャー。チューリップのようにやや重量のある花を、茎のラインを見せながら長めにいけても、どっしり受けとめてくれて、安定感があります。さらに、ピッチャーの形状は不思議と花がいけやすく、無造作なアレンジが決まリやすいのでおすすめです。

●コーディネイトについて
キッチンカウンターに合わせて、ピッチャーのほかに、ガラスのキャニスター(後側)や、グラス、ジャムの瓶、キッチンクロスなどをさりげなくコーディネイト。白の面積が多いと、ウィークエンドの朝にぴったりな爽やかさに! グリーンのチューリップと相性がよい、パープル系の花(今回はアネモネ)を添えるだけで、さらにおしゃれな雰囲気になります。

■3ステップでアレンジ

①チューリップの水に浸かる部分の、下葉を整理します。手で茎からはがすようにむきとりますが、葉を下に引っ張ると茎の繊維も一緒に引っ張られてしまいます。下葉の付け根にごく浅く、ハサミで切込みを入れると、キレイにはがせます。

②ピッチャーに半分ほど水を入れます。手元でチューリップを束ねて、ピッチャーの高さの1.5倍ほどの長さにカットします。

③そのままそっとピッチャーに入れ、花の重みで自然に手前に流れるようにします。器の全方位ではなく、片側(手前)に寄せるようにまとめて飾ることが、素敵に見えるポイントです!

■チューリップを長く楽しむコツ

*花首が伸びすぎていないしっかりしたもの、葉が元気なものを選びましょう。
*水替えの頻度は少なくて大丈夫、手間いらずな切り花です。切り花鮮度保持剤をプラスすると、水だけよりも長く楽しめます。
*肉厚な葉から水分をたくさん蒸散するので、茎は斜めになるべく断面積を大きくカットし、たっぷり水を吸えるようにします。
*部屋の温度が高いと花が開きやすいので、涼しい場所に飾ってください。

チューリップには「向日性」という性質があり、太陽の光に反応して動きます。夜いけたチューリップが、朝全然違う方を向いていた!なんか茎が伸びてる!!という経験をされたことがあるかたもいらっしゃるでしょう。

また、室温が高いとガーっと花が開いてしまい、まるで別人のような顔になってしまう種類もあります(笑)。基本的にどのチューリップも気温が高いと開き、夜暗くなるとつぼむ性質があるので、直射日光があたる場所や温度差が激しい場所に飾っていると、チューリップ自身の活動が激しく消耗してしまいます。花を長く楽しむためには、直射日光を避け、暖かすぎない場所に飾るとよいでしょう。

とはいえ、動く!生きている!ライブ感こそがチューリップの魅力。自由に伸びやかに咲く姿を楽しんでくださいおんp

上記で紹介したチューリップ「スーパーパロット」は、つぼみは濃い黄緑色ですが、しばらくすると花弁が白く膨らんで、画像下のようなフリルが波打つボリューミーな花になります。驚きの変化!そして、2本でも十分な迫力ですね。

もう1種類、濃紫色がなんともセクシーな、大人の雰囲気のフリンジ咲きのチューリップ(でも品種名はなぜか「ゴリラ」笑)を紹介します。こちらも10本まとめて、花を片側に束ねるようにいけています。高さのある花器を使用すると、チューリップの垂れ咲く姿が素敵に映ります。

パープルのチューリップでBON CHIC!

パープルのチューリップとひと言でいっても、濃淡さまざまな色合い、さまざまな花形のものがあります。今回はフローリストたちに人気が高い「ミステリアスパロット」と、パープルのストライプが美しい「フレミングフラッグ」という品種をチョイスしました。どちらの品種も、チューリップらしいシンプルな花姿ながら、大人っぽい色香もあって、女性にとても好評です。

パープルの花に組み合わせる色で、間違いなくおしゃれに見える色はずばり、黄緑色!自然にスタイリッシュに見えてしまう、魔法の色合わせです。なかでも、これからの季節ならライムグリーンの花木、ビバーナム「スノーボール」がベスト!といってもよいでしょう。そして、春らしい軽やかさを演出するには、透明なガラス器がおすすめです。

■材料(花材費合計=2000円~2500円)

●花材 (画像左から)
*ビバーナム「スノーボール」(枝もの)/2本
*チューリップ「ミステリアスパロット」/3本
*チューリップ「フレミングフラッグ」/2本

■3ステップでアレンジ

①器に切り花鮮度保持剤を適量希釈した水を、半分ほど入れます。水に浸かる部分のチューリップの下葉、ビバーナムの下葉を取り除きます。チューリップの茎はできるだけ斜めにカット。ビバーナムの枝は、斜めにカットし、さらにマイナスにハサミを入れて枝を割ります。

②先にビバーナムの枝を2本、手前に傾けながらふわっとあしらいます。

③ビバーナムの花の合間に咲くように、チューリップを挿していきます。器の口元はぐっと低めにいけると、アレンジ全体が引き締まります。

チューリップに、春の香りの花・スイートピーを合わせても素敵です。同じパープルの”斑入り”の品種を選ぶと、玄人っぽい花合わせに。甘くかわいいイメージが強いチューリップ&スイートピーが、色のチョイス次第でぐっとシックなコンビになります。

●花材
*チューリップ「フレミングフラッグ」/ 4本
*スィートピー「シャーリップル」/ 3~4本

スイートピーの花言葉は「門出」。卒業や異動シーズンの3月、新しいステージに向かうかたへのプレゼントにぴったりですね。別れの季節とともに、チューリップやスイートピーなど春を彩ってくれた花々も終盤となります。

そしていよいよ、関東や九州北部などでは3月22日頃から桜が開花!と発表されました。今年は、どんな桜に出合えるでしょう。うきうきしてしまいますね♪ 

次のウィークエンドは、「おうち花見」におすすめの、桜アレンジを紹介できればと思います。

ではでは皆さま、花と素敵な週末を。

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Produced by WEEKEND FLOWER

Profile小川典子

(一社)花の国日本協議会プロモーション推進室長/フラワーシーンプロデューサー。会社勤めの傍ら23歳から本格的にフラワーアレンジを学び、(株)ワコール、キリンビール(株)の花部門、食品部門のマーケ...アーティスト詳細を見る

この連載について

花のある週末、はじめませんか

週末は花を飾って、季節を感じてみませんか。「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子さんの提案です。花瓶がなくても、旬の花と身近な雑貨で、SNS映え抜群のワンシーンが描けます。