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千年続く雛祭り、福福しく咲く花桃を飾って | 花のある週末、はじめませんか Vol.25

千年続く雛祭り、福福しく咲く花桃を飾って | 花のある週末、はじめませんか Vol.25

こんにちは!「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子です。こちらでは、旬の季節に楽しみたい花の、“長もちさせるハウツー”や“簡単おしゃれなコーディネイトのコツ”をお伝えしていきます。花瓶がなくても大丈夫。少しの花材と身近な雑貨を組み合わせて、家のなかに自分のお気に入りの花コーナーを作ってみませんか?

3月第1週のおすすめは「ハナモモ」

3月のウィークエンドフラワー その1 .ハナモモ(花桃)
●原産国: 中国北部
●主な生産地: 茨城県、香川県、埼玉県、神奈川県、和歌山県 ほか

明日、3月3日は雛祭り、「桃の節句」ですね。ぷっくりと咲くピンクのモモの花は、福福しくてなんとも愛らしいもの。女の子がいる家庭ではもちろんのこと、大人女子も、このウィークエンドはぜひ、モモの花を飾って、無病息災を願いながら楽しくお祝いしましょう。

雛祭りの歴史は、平安時代に遡ります。そもそも、なぜ、雛祭りにモモの花を飾るのでしょう...?

モモは中国原産の花で、中国では零木とも仙果ともいわれる長寿のシンボル。魔除けの花とされ、モモにまつわるたくさんの伝説が伝えられています。日本でも、古事記に出てくるイザナギの神話や、昔話の「桃太郎」の鬼退治のように、モモには邪気を祓う力があるとされてきました。

一方、同じく中国から伝わった「五節句」のうち、3月3日は「上巳(じょうし)の節句」といわれ、陰暦のこの時期にモモの花が咲くことから「桃の節句」と呼ばれるようになりました。平安時代、貴族の女子のあいだで「ひいな(雛)遊び」という、紙で作った雛人形のままごと遊びが流行し、それが上巳の節句と結びついて、穢れを紙人形に移して自分の身代わりに川に流す、という習慣に変わっていったそうです。

そして江戸時代には、現代のように雛人形を飾り、モモの花を供えて女の子の無病息災を願うようになりました。観賞用のハナモモ(花桃)の改良も江戸時代に進んだそう。「桃の節句」は、千年という時を経てもなお、歳時として人々の暮らしに息づく願い。季節の花とともに、これからも大切にしていきたいですね。

麗らかな春の陽光の中、一面に桃色の花が咲き乱れる「桃源郷」は、俗世を離れた理想郷とされ、平和で幸せな時間が永遠に続くと信じられてきました。そんなユートピアを感じながら、ふくよかに咲くモモの花を飾ってみましょう。

花桃咲く野山の景色、投げ入れアレンジで大人の雛祭り

花屋さんには、雛祭りを祝うピンクや黄色の花々が並んでいます! 雛祭りといえば、「モモの花とナノハナ」が定番。ピンク×黄色の組み合わせが、"雛祭りらしさ"でもあります。

まず最初に紹介するのは、3月8日「ミモザの日」を前に、2月から人気絶頂の「ミモザ」の枝と、春の野山にひっそりと咲いているような「バイモユリ(貝母百合)」、春の味覚・山菜の「ゼンマイ」をあわせて、少し大人っぽい花合わせの雛祭りアレンジです。

■材料(花材費合計=2000円前後)

●花材(画像下、左から)
*ミモザアカシアの小枝/2本
*ハナモモの枝/2~3本
*バイモユリ/3本
*ゼンマイ/2本

●器について
中国原産のハナモモやバイモユリにあわせて、少しアジアンな花器をチョイスしました。ハナモモの枝を長くいける場合は、安定感のある器を選びましょう。ハナモモは、シンプルなガラスでも和風の陶器でも似合います。

●コーディネイトについて
花器の下に敷くお盆やトレーなど「敷物」があると、和モダンなしつらえはぐっと素敵になります。ミモザの色に似た黄色い湯呑み茶碗と、雛あられを盛ったかわいい絵皿をアレンジに合わせました。

■3ステップでアレンジ

① 器の7分目くらいまで、切り花鮮度保持剤を適量希釈した水を注ぎます。最初に、ハナモモの長さを決め(器の高さの2~3倍の長さ)、枝を斜めにカットし、切り口にマイナスにハサミを入れます(枝が太い場合は十文字に切れ込みを入れましょう)。

② ハナモモを器に立てるようにあしらいます。枝モノには表・裏がありますので、より花が美しく見える向きを意識しましょう。次に、器の口元に溢れるように、ミモザの小枝をあしらいます。

③ バイモユリの可憐な茎のラインや葉の流れをいかしながら、軽やかにいけます。最後にアクセントにゼンマイを入れて、できあがり!

写真のハナモモは、まだつぼみが多い状態ですが、ひと晩経てば、次々と花が膨らんできますよ!

■ハナモモを長く楽しむには

*つぼみが緩んできれいに色づいているもの、枝肌が飴色(黒すぎない)のハナモモを選びましょう!
*切り花のハナモモは、早い時期に原木から切り出され、室(むろ)であたためてから出荷されます。栄養不足になりやすいので、切り花鮮度保持剤を使って、花を咲かせるエネルギーを与えてあげましょう。
*ハナモモのつぼみは乾燥を嫌いますので、霧吹きをしてあげるとよいでしょう。一緒に、ミモザの葉にも霧吹きを!

ダウンライト中でも、春の花々は浮かび上がるように美しく輝いて!

花桃とナノハナに、愛らしいラナンキュラスを1輪添えて

ほんのりと頬を染めたような淡いピンクが、愛らしいラナンキュラス。フリンジが入った花びらが、やさしい雰囲気で癒やされますね。明るいレモンイエロー&黄緑色のナノハナともよく合います。あしらうときは、ハナモモの枝⇒ナノハナ⇒ラナンキュラス、の順番でいけましょう。

■材料(花材費合計=1000円前後)

●花材(画像下、左から)
*ナノハナ/2本
*ハナモモの枝/2本
*ラナンキュラス「コルテ」/1本

●器について
アンティーク調のガラスのボトルにシンプルに。ラナンキュラスをいける際は、水は少なめでOKです。

●コーディネイトについて
1枚めのアレンジと同じ木製トレーを敷いています。花器が小さいぶん、トレーもひとまわり小さくてよいですね。淡いピンクの小鉢に雛あられを。そしてお雛さまのイラストは、じつはお菓子が入っていたもの。お雛さまを出しそびれて、かなり手抜きですが、かわいいです(笑)。

雛祭りのホームパーティーには、簡単かわいいアレンジを

2019年はちょうど、日曜日が雛祭り当日。自宅でホームパーティー!というかたが多いかも⁉ 最後は、雛祭りのごちそうテーブルにぴったりな、簡単アレンジを紹介しましょう。

■材料(花材費合計=1500円くらい)

●花材
*ナノハナ/2本
*ハナモモの枝/1~2本を小分けに
*ラナンキュラス「オルレアン」ほか/2本
*ゼンマイ/2本
*テマリソウ/2本~(ボリュームによって)

●器について
白いシンプルな陶器の小鉢(食器)を、ふたつ活用。広いテーブルなら、色違いのラナンキュラスを使って、3個、4個と料理のあいだに並べても華やかですね。

●コーディネイトについて
手毬寿司の丸いフォルムに合わせて、丸いフォルムのアレンジを並べます。食器は白い器で統一し、料理や花が映えるように。淡いピンクのテーブルクロスで、いっそうかわいらしいお祝いテーブルに!

■3ステップアレンジ

① 器の8分目ぐらいまで、切り花鮮度保持剤を適量希釈した水を入れます。

② 器の深さと同じくらいの長さにテマリソウの茎をカットし、器の表面を埋めるような感じに入れます。器に黄緑色の芝生がはえたようなイメージで。

③  テマリソウの上にのせるように、短くカットしたラナンキュラス、ナノハナ、ハナモモの小枝を入れていきます。お雛さま役のほうには、少し多めにハナモモのピンクを入れます。仕上げに、お内裏さま役のほうに、短くカットしたゼンマイをポイントで入れます。

今回は、モモの花のふんわり感に合わせてラナンキュラスを選びました。ほかに、ピンクの八重咲きチューリップもかわいらしさを表現できると思います。雛あられや桜餅、道明寺などの和スィーツや、蛤のお吸い物やナノハナをあしらったちらし寿司などが、お祝いテーブルにはぴったり。ナノハナやゼンマイなど、料理と花を同じ旬の素材でコーディネイトすれば、食べて楽しんで、目で楽しんで、会話が弾みそうですね♪

3月の花屋さんには、「花木」といわれる樹の花たちがたくさん並びます。新緑の季節を迎えるまでの束の間、ハナモモ、ユキヤナギ、コデマリ、モクレン、ミモザ、そしてサクラなど、樹に咲く花々(花屋さんたちは「枝もの」と呼びます)が並び、百花繚乱の美しさを演出してくれています。寒さのなか、つぼみをふくらませ花をつける樹の花たちは、自然界からの贈り物。今の季節にしか楽しめない旬の花々です。

「枝ものはちょっとハードルが高いなー」と思っていらっしゃるかた、もしかしたら、いらっしゃるかもしれません。が、そんなかたにこそ、「雛祭り」や「ミモザの日」は枝ものにチャレンジするグッドチャンス! まずは、1種類の枝ものだけをシンプルに飾ってみると、リビングが見違えるほど素敵になりますよ♪

野山の春の息吹を部屋の中でも感じられる、それは何ともありがたく贅沢なひと時ですね。

ではでは皆さま、花と素敵な週末を。

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Produced by WEEKEND FLOWER

Profile小川典子

(一社)花の国日本協議会プロモーション推進室長/フラワーシーンプロデューサー。会社勤めの傍ら23歳から本格的にフラワーアレンジを学び、(株)ワコール、キリンビール(株)の花部門、食品部門のマーケ...アーティスト詳細を見る

この連載について

花のある週末、はじめませんか

週末は花を飾って、季節を感じてみませんか。「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子さんの提案です。花瓶がなくても、旬の花と身近な雑貨で、SNS映え抜群のワンシーンが描けます。