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風をまとう花、コスモスで秋のはじまりを|花のある週末、はじめませんか Vol.9

風をまとう花、コスモスで秋のはじまりを|花のある週末、はじめませんか Vol.9

こんにちは!「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子です。こちらでは、旬の季節に楽しみたい花の、“長もちさせるハウツー”や“簡単おしゃれなコーディネイトのコツ”をお伝えしていきます。花瓶がなくても大丈夫。少しの花材と身近な雑貨を組み合わせて、家のなかに自分のお気に入りの花コーナーを作ってみませんか??

9月第1週のおすすめは「コスモス」

9月のウィークエンドフラワー.その1/コスモス(和名:秋桜、英名:Cosmos)
●原産国:メキシコ
●主な生産地:長野県、北海道、千葉県

台風21号による甚大な被害で、ご不便が続いていらっしゃるかたも多いことと思います。心よりお見舞い申し上げます。

9月に入っても暑い日が続いていますが、今週はコスモスが揺れる爽やかな高原に思いをはせて、初秋の花のあしらいを紹介しましょう。

秋風をまとう花、コスモス、秋桜。渡る風に揺れ咲くコスモスの群れは、日本人が抱く心の景色のひとつ。ロードサイド一面をピンクに染める様は、まさに秋の桜、郷愁にかられる花です。

これほど親しまれているコスモスですが、原産国はメキシコ、スペインを経由して江戸時代末期に日本にもたらされ、その花の存在が有名になったのは明治も終わりの頃といいますから、意外にも歴史が浅いのです。

「コスモス」という名前は、スペインのマドリード王立植物園で命名されたそう。語源はギリシャ語の「Kosmos/Cosmos」(秩序、調和、宇宙)とされています。星座のように、“宇宙観”を体現する花とは、壮大なネーミングですよね。

夏の終わりから、メキシコ原産の在来種ほか、八重咲きタイプやキバナタイプ、チョコレートコスモスなどが出回ります。コスモスのなかでも、特に儚く詩的だなぁと感じる「白いコスモス」。可憐な花姿は、ちょっとセンチメンタルな気分の秋の始まりに、ぴったりだと思うのです。

コスモスはほとんど露地栽培(ハウスでの栽培ではなく屋外で栽培)で、今夏の暑さの影響で例年よりも早く咲き始め、出荷も早まっているとか。ちょうど今、花屋さんに並び始めていますよ!

白いコスモスで迎える週末の、朝食テーブル

白いコスモスにあわせた花は、これから秋が深まるにつれて、ますます美しさを増す「ケイトウ」と人気の実もの「ヒペリカム」。こっくりした色合いのケイトウは、また後日に紹介するとして、今回はコスモスの軽やかさを引き立てる、明るい黄緑色のセッカゲイトウをチョイスしました。

「ヒペリカム」は、かわいいどんぐりのような形の、赤や緑色の小さな実がつく枝ものです。1年中手に入り、今の時期は葉がきれいに色づいた国産の「紅葉ヒペリカム」が出回ります。グリーンから明るめの赤にグラデーションしていく葉の様子が美しく、和洋どちらの花にも似合います。そのうえ、日もちがよい、秋の優秀な花材です。花に紅葉した枝を少しプラスするだけで、秋モードに~♪

■材料(花材費合計=1500円前後)

●花材(画像下・左から)
グリーンファー/1/2本
紅葉ヒペリカム/1本
セッカゲイトウ(アスカセレクトシルバー)/1本
コスモス/3本 

●器について
やさしい花色に合わせて、浅いベージュカラーのバスケットをチョイスしました。もちろんこげ茶など深い色のバスケットでも似合いますが、ナチュラルカラーの方が全体的に重たい印象にならず、今の季節には合っているように思います。

●コーディネイトについて
器の色と同じ、テーブルの上で広い面積を占めるランチョンマットやナプキンなどの布類も、ナチュラルカラーを選びましょう。プレートは白系でも爽やかで朝食らしいコーディネイトになると思いますが、ビスケットとマスカットが明るい色だったので、あえて秋色を投入してみました。

■3ステップでアレンジ

①バスケットの中に、安定感のある器を仕込みます。水に浸かる部分の葉を取り除きます。

②最初に、3分割ほどに小分けにした紅葉ヒペリカムの枝をいけ、器の縁を利用しながらケイトウを低くあしらいます。

③コスモスを飛ばすように軽やかにあしらい、最後にグリーンファーの小枝を2~3本ふんわりと添えれば、できあがり!

■コスモスを長く楽しむコツ

*鮮度がよい、花首ができるだけまっ直ぐなものを選びましょう。最初から首が曲がっているものは、花もそのまま下向きに咲きます。
*花首が垂れ始めたら、早めに水替えして、茎を切り戻しましょう。
*切り花用の鮮度保持剤を使用すると、花もちがよくなります。

9月9日は「重陽の節句」

●花材:マム、コスモス、女郎花(秋の七草)、三度栗

週末の9月9日は、五節句のひとつ「重陽の節句」。不老長寿を願う「菊の節句」です。日本では古来から、奇数月のゾロ目の日、例えば3月3日、5月5日などを「節句」として、邪気を払い健康を願う風習があります。

これらはもともと中国からもたらされたもので、中国では奇数は縁起のよい「陽の数」とされ、9月9日は一番大きな陽の数、9が重なることから「重陽」と呼ばれています。

平安時代から宮中行事として始まり、不老長寿を願って宴が催されました。菊の花を浮かべた「菊酒」を酌み交わし、菊の香りを綿に移して身を清める「被せ綿」などで、邪気を祓い、不老長寿を願ったのです。ゆえに、重陽の節句は「菊の節句」ともいわれ、五節句のなかでは最も盛大だったといわれています。

重陽の節句にあわせて、お部屋に秋の花々の小さなしつらえはいかがでしょう。

お盆の上に一輪挿しのような器をいくつか並べて、淡いクリーム色の愛らしいマム(菊)を1輪、キク科の花コスモス、コスモスの花芯の黄金色にあわせて、”秋の七草”のひとつ「オミナエシ」をあしらってみました。

そして、「三度栗」! 小さな緑色の毬(イガ)がかわいらしいこと!!
重陽の節句は、「栗の節句」ともいわれ、和菓子屋さんには栗のお菓子が並びます。栗好き、和菓子好きにはたまらないシーズンの始まりです…♪

秋の始まりの花々は、月明かりに光をもらったような静かな輝きをたたえています。心の柔らかいところにそっと届くような、やさしくて素朴な美しさですね。

ではでは皆さま、花と素敵な週末を。
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Produced by WEEKEND FLOWER

Profile小川典子

(一社)花の国日本協議会プロモーション推進室長/フラワーシーンプロデューサー。会社勤めの傍ら23歳から本格的にフラワーアレンジを学び、(株)ワコール、キリンビール(株)の花部門、食品部門のマーケ...アーティスト詳細を見る

この連載について

花のある週末、はじめませんか

週末は花を飾って、季節を感じてみませんか。「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子さんの提案です。花瓶がなくても、旬の花と身近な雑貨で、SNS映え抜群のワンシーンが描けます。