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5月は「シャクヤク」。艶やかに咲く表情がドラマティックな花です|今月の花

連載 2018/05/03
5月は「シャクヤク」。艶やかに咲く表情がドラマティックな花です|今月の花

春から夏へ、季節がゆるやかに動き始めるころに出回る花、シャクヤク。透きとおるような柔らかな花びらを、ふくよかにほころばせる姿は、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」の言葉で知られるように、美人の形容にも使われています。ころんと丸いつぼみが、はっとするほど豪華な大輪の花となり、やがてこぼれるように散り始めるさまは、じつにドラマティックです。

シャクヤクの歴史は、紀元前から始まります。中国の古い詩集『詩経』には、女性から男性へ愛を込めてシャクヤクを贈った詩が詠まれているそう。日本には、和名・芍薬のとおり、消炎、鎮痛、抗菌などに作用する薬草として、中国から伝わりました。広く愛でられるようになったのは江戸時代。茶花として観賞され、品種改良も進みました。現在、シャクヤクの出回りは4~6月。ピークは5月下旬です。豊富な種類が出回るこの時期に、ぜひ、楽しんでみてください。

【今月のアレンジ】
香りまで艶やか! シャクヤクの季節が到来しました。咲きこぼれるほどに満開の花たちが、初夏の光と風を受けて、輝いています。透きとおるように白い花だけを、その美しさが際立つよう、高さの違うガラス器にいけ分けました。濃淡グリーンの花と実が、さらに白を引き立てます。*シャクヤク(白雪姫、白妙)、ビバーナム、ブルーベリー
花・深野俊幸 撮影・中野博安

季節を感じる暮らしのことば「風薫る」「新樹光」

5月は、目に青葉が映る、過ごしやすい時季です。風や雨さえも心地よく感じられるほど。口にするたび、すがすがしくなる、自然にちなんだことばが多くあります。暮らしのなかで使ってみたい、ときめくことばを二語、紹介しましょう。

■風薫る(かぜかおる)
一陣の風が青葉の香りを運びます。その、すがすがしい風が吹くさまを「風薫る」。薫るとは本来、煙や湯気が立ち上る意味でしたが、やがて、よい匂いがすることも指すように。風にはない薫りで表現する、このことばは、日常のひとコマを豊かにしてくれます。

■新樹光(しんじゅこう)
青々とした木々の若葉が、夏の光を浴びてきらきらと輝く様子が「新樹光(しんじゅこう)」。枝ものびやかに、そよ風を受けて揺れています。その生命力溢れる緑の姿は、まさに目で味わう涼といった趣。思わず、頭上をあおぎたくなるような、爽やかな輝きです。


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