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人気品種や最新品種を魅力的にあしらって。『京成バラ園芸』千葉・八千代|知りたい! 花産地のこと Vol.4

人気品種や最新品種を魅力的にあしらって。『京成バラ園芸』千葉・八千代|知りたい! 花産地のこと Vol.4

1959年の設立以来、バラの世界を日本でリードしてきた『京成バラ園芸』。現在、カタログで取り扱っている切り花品種は、およそ300品種です。サムライ08、レッドエレガンス、ピンクダイヤモンド、ソラーレ、リメンブランス、ファンファール、サラなど。多種多彩な品種の中から、いま、注目の品種のアレンジを紹介しましょう。

明日の姿を想像して、バラを選抜

『京成バラ園芸』のバラ営業部の久田泰之さんは、毎年2回ヨーロッパを訪れ、オランダ、フランス、ドイツの5社の老舗ブリーダーから、国内向けの新品種を選抜します。その決め手は、日本人好みのバラ、日本の気候に合うバラです。

「茶系の人気品種、キャラメルアンティーク。これを温室などの施設栽培で切り花にするのは日本だけ。海外では屋外栽培用の切り花です。よく見かける輸入バラのピアノは、中南米などの高冷地向き。日本のハウスで作ると、蔓バラのようにどんどん枝が伸びて、生産しにくいんです」と久田泰之さん。生育は環境で大きく変化するのです。

「つまり、ヨーロッパの見本温室でバラを見ながら、日本で咲く様子を想像するんです」。フランスのメイアン社で初めて赤バラのサムライ08に出合った久田さん。そのときはまだ名前がなく、番号を書いたプレートを下げていたそう。

「あのときは、赤バラの定番品種、ローテローゼに次ぐバラを探していました。しっかりした樹は日本の気候にきっと合う。花の色や形は日本人好みだ。可能性を感じました」。

サムライ08は、今、もっとも日本で流通量が多い赤バラです。多くの赤いバラが咲く温室で、久田さんが見つけ出したサムライ08。彼は、その花や葉、茎を見て、すぐさま日本の温室で美しく咲く姿や、その将来を想像したといいます。運命の出合いでした。

ブリーダーや久田さんたちのさまざまな努力によって、海外の新しいバラがまたひとつ、日本デビューを果たすのです。一方で、見いだされず、多くのバラたちがそのまま消えていきます。

写真は、千葉県八千代市にある『京成バラ園芸』の見本温室。バラ生産農家や花業界関係者が見学できる施設で、ヨーロッパでセレクトした品種を栽培しています。まだ名前がない品種には、番号を表示しています。

人気の切り花品種をアレンジ!

こうして選び抜かれたバラのなかから、生産農家さんがこれぞと思う品種を導入すると、早ければ3~4か月後、その切り花が出回ります。

現在、『京成バラ園芸』がカタログで取り扱う切り花品種は、およそ300品種。先に紹介したサムライ08をはじめ、レッドエレガンス、ピンクダイヤモンド、ソラーレ、リメンブランス、ファンファール、サラなどの人気品種から、最新の品種まで、多種多彩です。

ここでは本誌『花時間』2018年のアレンジ作品で登場した、同社の人気バラや、新品種を紹介しましょう。

バラ尽くしの、ノーブルなラウンドブーケ

花材:バラ(アプリコットファンデーション、グリーンハート、ラベンダーヘイズ)ほか 花・相澤美佳 撮影・落合里美

バラだけを編んだ上品なブーケです。ラウンド形に仕立て、手元には緑色のバラをあしらっています。主役のアプリコットファンデーションは、丸みのある花形とやさしい色合いが人気バラ。他に、白い花びらと緑色の大きなしべが個性派なバラ、グリーンハートと、薄い紫系のバラ、ラベンダーヘイズに注目を。ラベンダーヘイズは剣弁高芯咲きの上品な花形です。

濃淡のピンクをゴージャスに重ねたアレンジ

花材:バラ(エンジェルローラ、ピルエット、ラブリーガール)ライラック、アスチルベなど 花・相澤美佳 撮影・落合里美

ピンクのバラで美しい稜線を描いたアレンジです。小分けにしてアレンジできる、スプレータイプのバラを使ったので、きれいに形が描けます。ピンクの3品種は、2018年から本格的に出回り始めた新品種です。

赤黒いバラとシルバーの器でクラシカルに

花材:バラ(グランドジュビリー)、アスチルベ、スターチスなど 花・マミ山本 撮影・落合里美

主役のグランドジュビリーは、花びらをぎゅっと重ねるバラ。ふわふわの小花をちりばめ、まん丸の形がしっかりわかります。艶のないマットな赤黒い花色に、華奢なしべが映えて。クラシカルな雰囲気に合わせ、シルバーの器にあしらいました。

バラの花色、グリーンもすべてシルバー系で

花材:バラ(ヴィンテージレース)、ロシアンオリーブ、ダスティミラーなど 花・落合惠美 撮影・落合里美

淡い紫色を含んだグレイッシュなアレンジです。主役のバラはヴィンテージレース。花色は外弁に緑色を含む淡い紫色で、1本に中輪咲きほどの花がたくさんつく、ボリュームたっぷりのスプレータイプです。非常に花もちがいい、というのも嬉しい品種です。

ガーデンの実もののようなバラは色鮮やか

花材:バラ(カーマインクラシック)、ディアボロ、ベニスモモなど 花・宮﨑慎子 撮影・落合里美

茂みの枝や葉を分け入って、出合ったような風景をアレンジしました。熟した実もののようなバラはカーマインクラシック。赤に近いマットなピンクの個性的な花色で、花びらの枚数が多く、抱え咲くタイプです。色もボリュームも、インパクトがある人気品種。2017年にはジャパンフラワーセレクションにて最優秀品種に与えられるフラワー・オブ・ザ・イヤーに輝いています。 

構成と文/瀧下昌代

この連載について

知りたい、花産地のこと

素敵な花はどこで、誰が作っているのでしょう。花を見るだけではわからない、産地や作り手のことをお話します。人気の品種や、その花にまつわる最新ニュースも。これを読めば、もっと花が好きになる!?