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ふたりが生んだ“わが家”のような空間『ジャルダン ノスタルジック』東京・神楽坂|今日はてくてく、「花屋さん日和」Vol.6

ふたりが生んだ“わが家”のような空間『ジャルダン ノスタルジック』東京・神楽坂|今日はてくてく、「花屋さん日和」Vol.6

ひとりよりもふたり。皆さんも、仕事などでチームを組み、充実感を味わったことがありますよね。東京・神楽坂の『ジャルダン ノスタルジック』もふたりで始めた花屋さんです。

オーナーは青江健一さんと加藤孝直さん。38歳の同い年です。

こちらが青江さん。

そして、加藤さん。

運命の出会いって、本当にあるんですね。ふたりとも、花屋さんの開業を目指し、同時期に東京・大田市場の仲卸に勤務。8年前までは、まったく知らない同士でした。

「知り合いになって話していくうちに、感覚が似ていることがわかり、だったら、一緒にやろうということになったんです」。そう話す青江さんに、加藤さんも大きくうなずきます。

ふたりでひとつの“ジャルノス”。

出会いまでの道のりで得たものを持ち寄って生まれたショップです。

テクニックや花への感覚的なことはもちろんのこと…ポエティックな要素を、と言うのは青江さん。「例えば、壊れたシャンデリアの破片が飾られていたり、開いた本の上に葉が落ちていたり。単に花を並べるのではなく、見た人が物語を感じる仕掛けです」。仲卸で働く以前は、パリの数件の花屋さんで研修を積んだ青江さん。前述の演出は憧れてやまない『ラロゾワール』で感動したシーンでした。今、天井から吊るしているドライフラワーやブロカントなランタンもそのひとつ。雑貨の棚の奥には壊れたタイプライターが置かれ、生活の気配を静かに漂わせています。

対して、加藤さんが持ち寄ったのは“パティシエ”というもうひとつの顔です。フラワーアレンジメントの専門学校を卒業後、埼玉に一度、花屋さんを開いた加藤さん。その後、お店を閉めてまでして、福島のパティスリーで働き、お菓子作りを学んでいます。今、花をあしらう一方、なんと!早朝3時半からほぼ毎日、お菓子を焼いてはお店に並べていまます。

でも、なぜ、お菓子? 前々から思っていた疑問をぶつけてみました。すると、予想外の答えが返ってきたのです。加藤さん曰く、お菓子は、お客さんが店内に少しでも長く「いる」時間を作るためのいわば“口実”。「花屋さんって、忙しくて、花を買ったらすぐに出ていかなければならない雰囲気がありますよね。自分自身がかつてそうでした。もっとゆっくり見たいのになぁ、とそそくさと撤退(笑)。お菓子が目に留まれば、花を買ったあとも、どれにしようかと選びながら、ゆっくり滞在する理由ができます」。青江さんが担当する、店内にずらりと並ぶ雑貨も同じ役割。

神楽坂の地にお店を立ち上げて、今年で6年。ふたりとも口をそろえて、店でありながら、年々、我が家のような感覚になっていると言います。のびのびと自分たちらしい花をいけられるマイホーム。だから、会話して、来てくれた人をもてなすのは、ごく自然なことのようです。

意気投合して、ともに活動を始めた青江さんと加藤さんですが、いける花には少し違いがあります。

これが青江さん。いく種ものシャクヤクとバラ、草花を合わせた薫り高いブーケ。

そして、こちらが加藤さん。フレッシュなトーンで描いたグリーンの間から、クレマチスが軽やかに踊っています。

ふたりの花をあえて言葉にするなら、洗練されたナチュラル? いく種もの旬の花々で綿密に構築しながら、季節の移ろいを楽しませてくれます。

店名の意味は「懐かしい庭」。花が好き。小さなつぼみに目を輝かせていたくらい、子どもの頃から花が好き。ふたりと同じ気持ちなら、きっと共感するでしょうね。かくいう私もそのひとりです。

お店は東西線神楽坂駅より徒歩約5分。えんじ色のドアが目印です。

Shop Data:ジャルダン ノスタルジック(jardin nostalgique)
ホームページ/http://www.jarnos.jp
住所/東京都新宿区天神町66-2 1F
電話/03・8280・7665
営業時間/11~19時、土・日限定カフェ15~19時(LO. 18時30分)
定休日/火曜
アクセス/東京メトロ東西線神楽坂駅2番出口(矢来口)より徒歩約5分

構成と撮影と文・鈴木清子

この連載について

今日はてくてく、「花屋さん日和」

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