もっと気軽にもっと身近に。花のある暮らしを

  • TOP
  • 連載一覧
  • 凛として涼やか、青紫のクレマチスが美しい季節です|花のある週末、はじめませんか Vol.34

凛として涼やか、青紫のクレマチスが美しい季節です|花のある週末、はじめませんか Vol.34

凛として涼やか、青紫のクレマチスが美しい季節です|花のある週末、はじめませんか Vol.34

こんにちは!「ウィークエンドフラワー」プロデューサーの小川典子です。こちらでは、旬の季節に楽しみたい花の、“長もちさせるハウツー”や“簡単おしゃれなコーディネイトのコツ”をお伝えしていきます。花瓶がなくても大丈夫。少しの花材と身近な雑貨を組み合わせて、家のなかに自分のお気に入りの花コーナーを作ってみませんか?

6月第4週のおすすめは「クレマチス」

6月のウィークエンドフラワー.その2/クレマチス(和名:風車、鉄線 英名:Leather flower、Vase vine、Virgin's bower)
●原産国:中国、日本、ヨーロッパ、北アメリカ
●主な生産地:長野県、愛知県、岡山県、香川県 ほか

夏至が過ぎて、早いもので1年も折り返し。関西から九州北部は6月末になってようやく梅雨入りとのこと…。そして、週明けからはもう7月! 蒸し暑さを感じる日が増えてきましたが、そんなとき目が求めるのは、ブルーや紫系の涼しげな色。今回紹介するクレマチスは、凛と涼やかな姿がこの季節にぴったりの花です。

クレマチスはギリシャ語で「klema (クレマ)=蔓」の意。北半球の温帯を中心に、300もの原種が存在し、”蔓性植物の女王”といわれています。

その3分の1は中国に自生し、”クレマチスの和名”と広く紹介されている「鉄線(テッセン)」は、じつは中国原産の単一の品種を指します。今から400年ほど前、室町時代に中国から渡来し、日本原種の「風車(カザグルマ)」などと共に長く人々に親しまれてきました。

名前の由来は、極細の茎がまるで鋼のように固くまっすぐなことや、中国名の「鉄線蓮」から、ともいわれています。乳白色のくっきりとした6枚の花弁(実際はガク)が平らに開き、濃紫色のしべはセミダブル咲きのように花弁化していることが特徴です。

前回、アジサイとシーボルトを巡る話を紹介しました。それと同時期である江戸時代末期、植物標本として多くの植物とともに、「風車」と「鉄線」がオランダに渡ったという記録が残っているそうです。こうして、アジアのクレマチスがヨーロッパに渡り、交配親になりながら、現代の多彩なクレマチスが生まれました。

バラのパートナープランツとしてガーデンでも人気の高いクレマチスは、愛好家が多く、バラの季節に欠かせない花として、春からたくさんの種類の鉢ものが出回ります。切り花として出荷されるクレマチスも増え、最近では国産品のみならず、遠くアフリカ・タンザニア産の輸入品も出回るようになりました。

切り花で出回るクレマチスには、花形別に大きく3つのタイプがあります。

ひとつめは、”ベルテッセン”とも呼ばれる小輪の壺咲き(ベル咲き)の品種群。日本人の育種家・小澤一薫さんが生み出した「篭口(ロウグチ)」など、世界中で愛されている名花があります。可憐に揺れる愛らしい花は、ブーケやアレンジのなかで軽やかな彩りとなり、昨今のデザイントレンドにもマッチして、とても人気があります。

本連載のVol.31「バラ」の回で紹介したベルテッセン「フラッシュピンク」

ふたつめは八重咲きのクレマチス。八重咲き品種で有名な「白万重(シロマンエ)」は、鉄線の枝変わり品種。いく重にも重なる花弁が優美で、淡いライムグリーンの花が咲き開くにつれ、穏やかな白色へと変化する様子がまた美しいのです。

八重咲きの「白万重」、熱海のアカオハーブ&ローズガーデンで撮影(2019年6月)

そして、三つめはもっとも一般的なクレマチスで、すっきりとしたひと重咲きのタイプ。浴衣の柄のような凛とした花姿で、濃紫色、淡紫色、ピンク、白などさまざまな花色があります。

青紫色のクレマチスで、はんなり和テイストの花あしらい

夏の夜空を思わせる青紫色が魅力的な「デュランディ」。シルクのような潤んだ光沢があり、はんなりとした和の色香もただようクレマチスです。黄緑色がみずみずしい季節の葉もの、ギボウシを組み合わせて、浴衣美人のような粋なアレンジを楽しみましょう。

「デュランディ」は4弁~6弁のようで、花によって花弁(じつはガク)の数が異なります。画像中央のシルバーがかったもしゃもしゃしたものは、クレマチスシード。花後にできるクレマチスの種で、こちらも花材として出回ります。

■材料(花材費合計=1500円前後)

●花材(画像下左から)
*クレマチスシード/1本
*スモークグラス/2本
*(バスケットの中)ギボウシ/2枚
*クレマチス「デュランディ」/3本

●器について
すのこ風のカゴ(バスケット)の中にグラスを仕込み、水を入れて器にしています。竹カゴのようなものでも似合いますし、カゴがない場合は、染付の深さのある食器(大き目のボウルなど)でも素敵です。

■3ステップで簡単アレンジ

①カゴにグラスを仕込み水を入れ、切り花鮮度保持剤を適量加えます。カゴの縁にのせるように、ギボウシの葉をさらりとあしらいます(画像上)。

②3本のクレマチスの重なりすぎる葉はあらかじめ取り除き、花の重みで器から垂れ下がり過ぎない程度の長さにします。それぞれの茎を斜めにカットし、ハサミの背などで切り口を軽く叩いて、水があがりやすいように茎をほぐします。3輪の花が横並びになりすぎないように、左右と奥にいけます。

③クレマチス同士の間にスモークグラスをあしらい、細い葉をナチュラルに流します。最後にクレマチスシードをアクセントに入れれば、できあがりです。合わせる葉ものは、初夏のグリーンでクレマチスと同じ蔓性のリキュウソウでも素敵です!

■クレマチスを長く楽しむコツ

*しっかり水があがっている、鮮度のよい花を選びましょう。

*カットした切り口をハサミの柄などで1㎝ほどを軽くたたいて、細く硬い茎をほぐします。ひと手間かけて、水を吸いやすくします。

*切り花鮮度保持剤でさらに吸上げが良くなり、花もちがぐんとアップ! 小さなつぼみまで咲き、長く楽しめます。

花店から自宅に持ち帰った際に、万が一、水が下がって花がぐったりしている場合は、下記の方法で再度、水あげをしてみてください。

まず、花を壊さないように注意しながら全体を新聞紙でしっかりくるみ、新聞紙の足元をぎゅっとセロハンテープで留めます。上記を参考に茎の切り口を処理し、たっぷりの水に2~3時間浸けると、シャキッと元気になりますよ。ぜひ試してみて!

地上に咲く星・ホワイトジュエルで爽やかな朝のテーブル

もう1種、趣の異なるクレマチスを紹介しましょう。ふわふわとした綿帽子のようなつぼみと、次々と咲き開く星のような花が愛らしい「ホワイトジュエル」。クレマチスの原種のひとつといわれています。花店に並ぶ、ほかのクレマチスと違い、60~80㎝くらいと草丈が長く、スプレー状に複数の脇枝があり、美しい笹葉が特徴です。

■材料(花材費合計=1200円前後)

●花材
*クレマチス「ホワイトジュエル」/1本
*アストランチア「マイヨール」/1本
*オレガノ/1~2本

アストランチアの代わりに、アルケミラ・モリスのようなグリーンの小花、オレガノの代わりにミントなどでも同じような雰囲気になり、ハーブの爽やかな香りが楽しめます。周辺に並べた実ものは、ブルーベリーの小枝です。

●器について
花器に便利なキッチンツールとして、おなじみのガラスジャーを使用。庭から摘んできたばかりのような花やハーブを、さりげなく飾りたいときにぴったりです。

●コーディネイトについて
爽やかな朝食テーブル! 1日のはじまりに、初夏の花々がこんなふうに咲いていたら、気持ちよく過ごせそうですね。花はトレーの上にのせ、カトラリーやジャムなどと合わせて飾るとコーディネートに一体感がうまれます。ナフキンもグリーン系のものを選ぶなど、テーブルの上のアイテムを白グリーン系でまとめると、カジュアルなアレンジが洗練されますよ♪

■3ステップで簡単アレンジ

①ガラスジャーに水を入れ、切り花鮮度保持剤を適量加えます。ホワイトジュエルは脇枝をカットしながら小分けにし、長さをだいたい揃えます。

②アストランチアやオレガノも同様に、器の高さの約1.5~2倍の長さにカット。水に浸かる部分の下葉を取り除きます。

③小分けにしたホワイトジュエルと、アストランチア、オレガノを、手のなかでミニブーケ風に束ね、ガラスジャーにざっくりとあしらえばできあがりです。

じめっとした季節も、目に爽やかな花々をそばに飾れば、快適に過ごせます。ぜひ試してみてくださいね。

梅雨はまだしばらく続くでしょうけれど、時折見せる眩しい陽射しに夏の足音を感じます。花屋さんには、色鮮やかなヒマワリやトロピカルな花々がたくさん並んでいます。来月からは夏花を思い切り楽しみましょう!

ではでは皆さま、花と素敵な週末を。

★公式インスタグラム、@weekendflower_official もぜひフォローしてください!

Produced by WEEKEND FLOWER

Profile小川典子

(一社)花の国日本協議会プロモーション推進室長/フラワーシーンプロデューサー。会社勤めの傍ら23歳から本格的にフラワーアレンジを学び、(株)ワコール、キリンビール(株)の花部門、食品部門のマーケ...アーティスト詳細を見る