東風
木々の肌は、寒々とした色を見せても
日中の日差しに、新しい季節を感じ始めるころ。
冷たい北風が収まり
代わって吹き始めるのが「東風(こち)」。
まだ冷たくても、徐々に穏やかさを運ぶ東の風です。
日だまりのチューリップは大きく開き
風に当たれば、みるみる小さくつぼんでしまいます。
風や光に敏感な花たちと歩を合わせながら
季節は少しずつ進んでいきます。
2月の花/チューリップ
庭の風景はまだ春遠い彩りですが、窓辺にこの花をあしらえば、部屋中に新しい季節が。きらきらの色を集めて、ゴールドの器にアレンジしました。花の丈は揃えず、自然な凹凸で植物の躍動感を表現。八重咲き、弁先がとがるユリ咲きなど、花びらや花形に変化をつけると、より春らしい勢いを見せてくれます。
チューリップ、マメの花
花・深野俊幸(カントリーハーベスト) 撮影・中野博安
構成と文・瀧下昌代