• TOP
  • 記事一覧
  • ガーベラのおしゃれな生け方・飾り方。 フラワーアレンジで長もちさせるコツ

ガーベラのおしゃれな生け方・飾り方。 フラワーアレンジで長もちさせるコツ

ガーベラのおしゃれな生け方・飾り方。 フラワーアレンジで長もちさせるコツ

花屋さんにはいつもたくさんの花が並んでいます。なかでも1年中出回っている花で、女性に人気が高い花といえば、ガーベラは必ず上位にあがってきます。丸い花芯を中心に、ぱっと大きく花びらが開く愛らしい花形は、それだけで「かわいいものが大好き!」な女性の心をとらえます。ピンク、赤、黄といったポピュラーな色から、染料を吸わせた“染め”と呼ばれるものまで、色の種類が豊富なことも嬉しい点。さらに、花びらが二重、三重に連なる八重咲きや、花びらが細く先端が尖ったスパイダー咲きなど、咲き方もさまざまです。 そんなガーベラの生け方や飾り方について、東京・原宿の花店『ザ・リトル・ショップ・オブ・フラワーズ(THE LITTLE SHOP OF FLOWERS)』の壱岐ゆかりさんに、アドバイスをいただきました。

1.ガーベラは大別すると、5つの種類があります

前述したように、季節を問わず、花屋さんの店頭に並ぶガーベラには、いくつか咲き方の種類があります。どんな種類があるか、はじめに知っておきましょう。ガーベラの花径は一般的には9cm以下。とはいえ、大輪になると、15㎝ほどになるものもあります。

ひと重咲き

もっとも一般的な咲き方です。中心の花芯が、花びらと同色のタイプ、濃色で目立つタイプの2種に大別されます。

八重咲き

中心まで、花びらがぎっしり。花芯の周囲に小さな花びらが集中するもの、花芯がまったく見えないものなどがあります。

スパイダー咲き

針のように細い花びらが無数につき、花火を彷彿とさせる咲き方。花弁の先が尖っているのが特徴です。

カール咲き

花びらが、うねるように波打っています。ドラマティックな躍動感があります。主に大輪。

変わり咲き

ボール形や花芯が肥大化したものなど、一見、ガーベラとは判断できない個性派グループ。

2.ガーベラを美しく飾るために、準備したいこと

ガーベラを購入して飾るのだから、なるべく花を長もちさせたい! しかし、いけるときにどれほど気を配っても、もともと鮮度の落ちている花を買ってきてしまっては、長もちをさせることはできません。まずは、花屋さんで鮮度のいいガーベラを選ぶことが、花を長く楽しむためのはじめの一歩です。

■長もちするガーベラを見極めるには…

一般的にガーベラは、セロファンの保護カバーがついているため、新鮮だと過信しがちです。購入するときは、花びらと花芯を見てください。鮮度のいいガーベラは、花びらがぎっしりつまり、花びら全体が水平より前を向いていて、花のつけ根がしっかりしています。色もくっきり鮮やかです。花の根元で茎がぐったりと折れたり、茶色くなったりしているのは鮮度のよくない証拠。ガーベラは茎に曲がりがあるものが多いですが、この曲がり自体は鮮度とは関係ありません。鮮度のいいものは茎が硬くてピンとして、きれいな緑色をしています。

■ガーベラが長もちするための準備「湯あげ」

新鮮なガーベラを買ってきたら、いける前にもうひと手間かけて下準備をしましょう。花が水をよく吸い上げて、みずみずしい状態が続くように、「湯あげ」をするのです。このひと手間で、ガーベラはさらに長もちしてくれます。

湯あげとは、茎の切り口をお湯につける方法です。多くの花は茎を切るとき、水中で茎を切る「水切り」をします。ガーベラはこの水切りのあと、切った茎をいちど、お湯につけるほうが、よく水が上がります。温度の高いお湯につけることによって、茎の導管内の空気が膨張し、追い出されるのです。つまり、導管の水の通りがよくなる、というわけです。お湯につけたあと、すぐまた、その茎を水に入れることで水圧をかけ、通りのよくなった導管を通じて一気に水を花まであげる、という効果があります。さらにいうと、お湯という高温の液体にさらすことで、切り口の殺菌にもなるのです。

湯あげの方法は、茎先を10cmほど出して、花と茎をペーパーで包みます。これは花にお湯の熱気がかからないようにするため。ペーパーはなるべくきっちりとすき間なく巻いて、セロハンテープで留めてください。このまま茎先3~4cmほどを、熱湯に10~20秒ほど浸し、すぐにたっぷりの水につけます。できれば1時間ほど茎を水につけたままにしておくと、さらに水がよく上がります。

3.ガーベラを飾るときに、必要なアイテムってあるの?

花をいけるとき、多くの人は「花瓶がないとダメ!」と思うようです。花束をいただいたのはいいけれど、花瓶がなくて困った、という話もよく聞きます。実際は、“水が漏れない器”さえあれば、花瓶がなくても花はいけられるのです。たとえば、どの家のキッチンにもあるガラスのコップ。これと花を切るハサミさえあれば、花を飾ることができます。

ハサミだけは必ず、花切りバサミを用意してください。普通のハサミで花の茎を切ると、先ほどお話した、水の通り道である“導管”がつぶれてしまう可能性が大だからです。こうした理由から、花の茎をつぶさずにカットできるよう工夫された、花切りバサミが必要になります。花切りバサミを使っても、切れ味が悪かったり汚れていたりしたのでは、花のもちが悪くなるので注意しましょう。花切りバサミは使うたびに洗って汚れを落とし、しっかり水分を拭いておきます。

4.ガーベラをより美しく飾りたい。そのコツを教えて

ガーベラは茎を短くして、器の縁に花顔を並べるように飾ることが多いものです。このスタイルはとても愛らしいのですが、それだけだとどうしても動きがなくて、重い印象になるうえ、子どもっぽく見えてしまいがちです。ガーベラをより美しく演出したいときは、サブ花材と合わせて躍動感を出すか、ガーベラの茎を長くして飾ってみましょう。

サブ花材は、小花かグリーンがおすすめです

サブ花材には、ガーベラにはついていないグリーンか、ガーベラの存在感を邪魔しない小花を選ぶといいでしょう。葉ものはどんなものでもよく合います。一方、小花は、合わせ方に迷ったら、同系色のものをチョイスすると、全体がまとまりやすくなります。なかでもおすすめは季節の花。ガーベラは1年中出回っているため、季節感や自然の息吹を感じにくい花なので、その時季に旬を迎える花をふんだんに合わせると、よりナチュラルに仕上がります。

また、ガーベラの茎を長く使うと、いつもとは違う大人っぽい雰囲気が演出できます。ガーベラの茎はまっすぐではなく少しうねりや曲がりがあるので、長さを出すとニュアンスのある美しいアレンジになります。

■ガーベラを素敵に飾るためのワンポイントアドバイス

花そのものがラブリーなガーベラは、器までかわいくすると甘くなりすぎてしまいます。器はなるべくシンプルなもの、モダンなものを選びましょう。ちょっと辛口な要素が加わると、しゃれたビタースイートなアレンジになりますよ。

5.ガーベラを飾るときの注意点は、器の中の水量です

ガーベラは茎が腐りやすいので、花をいけるときは水の量に注意が必要です。器の縁までいっぱいに水を入れてしまうと、すぐに茎がとろけてしまいます。水の量は写真のように少なめにして(浅水といいます)、こまめに水替えをしてください。

もうひとつ、気をつけたいのが花の根元。花と茎との境目が弱いので、水があがらなかったり弱ったりして、ここがくたっと折れてしまうことがあります。いけるときや水替えのときは、なるべくこの部分に触らないようにしましょう。

花を飾る場所にも注意が必要です。直射日光が当たるところ、エアコンの風が直接当たるところは避けてください。涼しくて風通しのいい場所に飾るのがベターです。

6.ガーベラを長もちさせるには、こんな方法を

花を長もちさせる基本は、毎日の水替えと切り戻しです。器の水は毎日替えて、茎先のぬめりを流水で洗い落とします。ガーベラの茎は他の花に比べ特に、水にとろけやすいので、よく洗っておきましょう。ついでに菌が繁殖しないよう、器の中も洗剤をつけたスポンジで洗います。

■花を飾ったあとの日々のお手入れ「切り戻し」

ガーベラを長く楽しむために、飾ったあともできることがあります。水替えをして、器にいけ直す前には、水が花までよく上がるよう、茎の「切り戻し」をします。切り戻しとは、茎や枝の切り口を新しく切り直すこと。このとき、「水切り」をするとさらに効果的です。水切りは、名前のとおり、水の中で茎をカットします。水中で茎を切ると、水の通り道である導管内に空気が入らないため、水がスムーズに、花や葉まで上がるのです。さらに、切り口の乾燥を防ぐこともできます。

水切りは簡単です。大きめのボウルなどの器に水をたっぷり入れ、その中に茎を入れて、ハサミで茎先をカットするだけ。水を替えるたびに茎の先を1~2cm切ると、新しい導管の断面が常に水に接し、水があがりやすくなり、長もちすることにつながります。

ガーベラに元気がなくなってきたときは、もういちど「2.ガーベラを美しく飾るために、準備したいこと」の項で紹介した湯あげをしてみてください。

7.手軽に気軽にフラワーアレンジ。ガーベラの飾り方アイデア

ここまでに挙げた準備や注意点をしっかり押さえたら、実際にガーベラをアレンジしてみましょう。紹介するのは、誰にでも簡単にまねができて、絶対に失敗しないシンプルな3つのスタイルです。この3つの基本スタイルさえマスターすれば、ガーベラのアレンジは完璧! それぞれのスタイルについて、ワンランク上に見えるコツも解説しているので、参考にしながらぜひ、自分らしいスタイルにチャレンジしてみて。

その1 ガーベラ1輪だけをスタイリッシュに

ガーベラ

青い染料を吸わせた染めのガーベラを1輪だけ、色ガラスのボトルにいけました。たったこれだけのあしらいなのに、とても格好よく粋に見えるのは、花色と器の合わせ方にコツがあります。なるべくシックな色みのガーベラとボトルを選ぶこと。特に自然界にはない青のガーベラは、見る人にインパクトを与え、1輪でも印象的になります。

その2 ガーベラに小花で動きとスケール感をプラス

ガーベラ、メラスフェルラ

ガーベラに、小花を加えてみましょう。それだけで、こんなにも躍動感と広がりのある魅力的なアレンジになります。コツは、空間の多い小花を選ぶこと。ガーベラは花びらがみっしりとつく密度の高い花なので重く見えがち。対照的な密度の低いふわふわした小花を合わせると、全体が軽やかになって透明感が出てきます。

その3 サブ花材でガーベラに季節感を演出して

ガーベラ、ヤマブキ、ウイキョウ

アレンジや花束にとって季節感は大切な要素です。その季節に咲く花を添えて、春夏秋冬を演出しましょう。ここでは、春の枝もの、ヤマブキやウイキョウを合わせました。ガーベラはどっしりした花なので、存在感の強い枝ものもよく合うんですよ。コツは、花色を同系色でまとめ、色でも季節感を表現すること。ガーベラを含め、全体を黄色系で統一しているので、まとまりがいいのはもちろん、黄色が春の温かな日差しを連想させてくれます。

撮影・村瀬雅和 構成と文・高梨奈々

Profile壱岐ゆかり

『ザ・リトル・ショップ・オブ・フラワーズ(THE LITTLE SHOP OF FLOWERS)』主宰。 インテリアショップやファッションプレスなどを経て、2010年に週末だけのフラワーショッ...アーティスト詳細を見る


関連記事