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【プランター栽培】イチゴを元気に育てるための土作りと、植え付けの方法

【プランター栽培】イチゴを元気に育てるための土作りと、植え付けの方法

春先に白やピンク色の花を咲かせ、やがて真っ赤な実をつけるイチゴ。甘くおいしい果実が収穫できるだけでなく、成長する姿もかわいらしく、家庭菜園の中でも人気の野菜です。自分で育てれば、お店ではあまり見かけない、めずらしい品種を収穫して味わうこともできます。イチゴは、野菜の中では比較的コンパクトに成長し、丈夫で育てやすく、プランターでも気軽に栽培を始められます。栽培に必要な土作りや、苗の入手方法、植え付け方法などを詳しくご紹介します。監修・深町貴子(園芸家)

1.イチゴを育てるときの培養土の選び方

プランター栽培の場合、最も手軽なのは市販の野菜用培養土を使うことです。赤玉土をベースに、腐葉土や野菜の成長に必要な肥料などがあらかじめブレンドされたもので、イチゴをはじめ、さまざまな野菜に幅広く使えます。培養土の中には、イチゴに特化して肥料のバランスなどを調整した、専用の土もあります。

園芸店やホームセンターに行くと、たくさんの培養土が並んでいて、どれを選べばよいのか迷ってしまう方も多いかもしれません。パッケージに「野菜用」と記載されていれば、ほとんどは問題なく使えますが、「酸度調整済み」「元肥入り」と書かれているものを選ぶようにしましょう。

製品によって土や肥料の配合は異なりますが、野菜を育てるのに適しているのは、次のような特徴を持つ土です。

①水はけが良い(水やりの後、土に水がたまらず、スムーズに下へと抜けていく)

②水もちが良い(水やり後、一定期間、適度な水分が土の中に残る)

③通気性が良い(空気の通り道があり、植物の根が活発に呼吸できる)

④肥料もちが良い(一定期間、肥料成分を土の中に蓄えておける)

①と②は一見矛盾しているようにも思えますが、どれも野菜が元気に育つためには欠かせない条件です。理想とされるのは、土の粒子がいくつも集まり、団子のように結びついた「団粒(だんりゅう)構造」の土。土の粒子の周りに水分や肥料分が蓄えられ、さらに水や空気の通り道も確保されるので、野菜がしっかりと根を張り、元気に育つことができます。

団粒構造の土はふかふかした質感で適度な湿り気があり、手に取って軽く握るとゆるい塊になり、強く握るとほろりと崩れるのが特徴です。さらさらした砂のような土や、粘土質の土は、野菜の栽培には向きません。

2.自分で土作りをするなら?

自分で土をブレンドする場合も、ふかふかした手触りの団粒構造の土になるように配合します。イチゴをはじめとする野菜の栽培に使う土は、【赤玉土(小粒)6〜7:腐葉土3〜4】の割合で混ぜたものをベースにするとよいでしょう。日当たりが良く、土の乾きやすいベランダでは、水分や肥料分を蓄えやすいバーミキュライトを加えます。反対に水はけが悪い時は、多孔質で排水性や通気性の高いパーライトを加えます。

また、野菜を元気に育てるには、「元肥」と呼ばれる肥料が必要です。赤玉土や腐葉土には肥料分がほとんど含まれないので、土作りをするときに忘れずに加えましょう。元肥に適しているのは、効き目が緩やかで長く持続する緩効性の肥料です。「野菜用」と書かれたものなら、成長に必要なチッ素、リン酸、カリの3要素と、ミネラルなどの微量要素がバランスよく配合されていて、元肥にも、栽培の途中で与える追肥にも向いています。

土をブレンドするときは、それぞれの土を容量の大きなポリ袋に入れ、口をしっかり閉じて、揺すりながら全体をむらなく混ぜ合わせます。ベランダやテラスで作業する場合は、土が周囲に飛び散らないように、大きめの作業用シートなどを敷いて行うことをおすすめします。排水溝に土を流すと、詰まらせてしまうので注意してください。

3.イチゴの苗の選び方

大きくておいしいイチゴを収穫するには、よい苗を選ぶことが大切です。植え付けに適しているのは、本葉が3〜4枚出ていて、葉にハリがあり濃い緑色のものです。葉が黄色っぽく変色していたり、茶色い斑点が出ていたりするものは、病気や害虫の心配があり、うまく育たない可能性があります。

4.プランター栽培に必要なもの

プランター栽培には、次のような資材や道具が必要です。プランターは形や大きさがさまざまなので、置き場所や育てたい株数に合わせて選びます。移植ゴテやジョウロなどの道具は、長く使えるものなので、自分の手になじむ使いやすい大きさ、形のものを選びましょう。

イチゴの苗
植え付けの時期が近づくと苗が出回り始めるので、目当ての品種の苗を早めに手に入れましょう。ホームセンターや園芸店、インターネット通販などで入手できます。

プランター
イチゴの栽培には、深さが15〜20cmあるプランターが適しています。サイズや形は、育てる株数に合わせて選びましょう。2株以上育てる場合は、株と株の間隔を20cm程度あけられるようにします。

鉢底ネット
プランターの底穴から土が流れ出ないように敷きます。底がメッシュタイプになっているプランターの場合は不要です。

鉢底石
土の水はけをよくするための軽石で、培養土の下に敷き詰めるように入れます。

培養土
野菜用培養土などを使用します。プランターの容量に合わせた量を用意しましょう。

移植ゴテ
長さ30cmほどの片手で使えるスコップで、土をプランターに入れるときや、苗を植えるときに使います。

ジョウロ
植え付け後や普段の水やり、液体肥料の散布などに使います。水差しタイプではなく、シャワーのようなハス口がついたタイプが、プランターの水やりに適しています。

作業用シート
ベランダやテラスで種まき・植え付けをする際、下に敷いておくと、土が散らばったり周りが汚れたりするのを防ぐことができます。

肥料
培養土に含まれる元肥は、植物が肥料分を吸収したり、水やりで流れ出たりすることによって、次第に効き目が薄れてきます。野菜を元気に育てるために、追肥用の肥料も用意しておきましょう。プランター栽培には、粒状の固形肥料、または液体肥料が使いやすくておすすめです。「野菜用」と書かれたものは、植物の成長に必要なチッ素、リン酸、カリの3要素や、ミネラルなどの微量要素がバランスよく配合されていて、さまざまな野菜に使用できます。

5.苗の植え付け時期と方法

苗や必要な道具類がそろったら、さっそく植え付けましょう。イチゴの植え付け時期は10〜11月で、植え付け後に冬の寒さに当たることで、翌年の春に花を咲かせ、実をつけます。おいしいイチゴを育てるためは、植え付けのタイミングを逃さないことが重要です。

①プランターの準備
プランターの底穴の上に鉢底ネットを置き、底面が見えなくなる程度に鉢底石を敷き詰めます。プランターの縁から2〜3cm下まで培養土を入れ、表面をならします。

②配置を決める
2株以上植える場合は、苗どうしの間隔を20cmほどあける必要があります。植える前に一度苗を置いてみて、配置を決めましょう。また、イチゴの苗には、ランナーと呼ばれる茎を切り離した跡があります。株元から斜めに出た短い茎がランナーで、その反対側に花や実がつくので、向きをそろえて植えるようにしましょう。

③植え付ける
移植ゴテで苗のポットと同じ大きさの植え穴を掘り、苗のポットをはずして、根の周りの土を崩さずに穴に入れ、手で周りの土を寄せて軽く押さえます。ポットがはずれにくい時は、人差し指と中指の付け根で株元を軽く挟み、逆さにしてポットの底をつまむようにすると簡単にはずれます。植える時に、株の中心の新芽が集まった部分を埋めないように気をつけましょう。

④水やり
ジョウロでたっぷりと水やりして、植え付けは完了です。日当たりの良い場所にプランターを置いて育てましょう。水はやり過ぎても、少な過ぎてもよくないので、こまめに土の状態をチェックして、乾いていたらプランターの底から流れ出るまでたっぷりと与えるようにします。冬の間も、水やりは忘れずに続けましょう。

構成と文・磯野亜希子

監修深町貴子(ふかまち・たかこ)


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