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アベリアの種類・品種ごとの特徴と違いの見分け方は?

記事 2019/03/28
アベリアの種類・品種ごとの特徴と違いの見分け方は?

昨今ではカラーリーフとしても親しまれているアベリア。春から秋にかけて白や淡ピンク色の小花を咲かせます。品種によっては葉に斑が入るものや紅葉するものもあります。アベリアの品種を詳しく説明します。監修・宮内泰之(恵泉女学園大学准教授)

1.アベリアってどんな植物?

アベリアは、初心者にも育てやすい花木のひとつです。園芸品種にはいくつかあります。それぞれの違いや特徴を知るために、まずはアベリアの基本情報を学んでおきましょう。

アベリアの基本データ
学名:Abelia × grandiflora
科名:スイカズラ科
属名:ツクバネウツギ属
原産地:園芸品種
和名:ハナツクバネウツギ(花衝羽根空木)、ハナゾノツクバネウツギ(花園衝羽根空木)
英名:Glossy abelia
開花期:5月中旬〜10月
花色:白、淡ピンク
植え付け時期:4月または9〜10月
耐寒気温:−10℃

2.アベリアの原種ってどんな植物?

交雑によってできた園芸種

一般的にアベリアと言えば本種A. × grandifloraを指します。19世紀中期にイタリアで、A. chinensis(タイワンツクバネウツギ)とA. unifloraとの交雑により作出されました。長期間開花することや、半常緑なのに寒さに強いなどの元となった親の長所を受け継いでいます。

日本に自生するアベリアの仲間

日本にもアベリアと近縁の野生種がいくつかあります。そのひとつがツクバネウツギです。果実がプロペラのような萼片(がくへん)をつけ、羽根つきの「衝羽根(つくばね)」に似ていることからその名がつきました。樹高は2mほどになり、5月ごろに白い花を咲かせます。

3.アベリアの種類、園芸品種の特徴は?

アベリアには、美しいカラーリーフの園芸品種や白以外の花色のものがあります。

葉色に特徴のある園芸品種

葉に斑が入る品種には、‘ホプリーズ’や‘コンフェティ’などがあります。また明るい葉の色や、色が変化する品種には、‘フランシスメイソン‘や‘カレイドスコープ’、‘エドワードゴーチャ’などがあります。これらの品種は、庭にやわらかな色合いを与えてくれます。

花色を楽しむ園芸品種

基本的な園芸種のグランディフローラは、花色が白から淡いピンク色をしています。‘エドワードゴーチャ’は、濃いピンクの花をつける品種です。アベリアの花は長さ2cmほどで小さいですが、長期間たくさん花を咲かせるので、庭を賑わせてくれます。

4.アベリアの種類によって育て方に違いはあるの?

基本的な育て方は同じ

葉や花の色に違いはありますが、アベリアの基本的な育て方は、ほとんど同じと考えてよいでしょう。

鉢植えで育てる準備

鉢植えで育てる場合、植物の生育は植え付けたプランターの大きさで決まります。コンパクトに育てたいときは小さなプランターで、ある程度の大きさに育てたい場合は大きなプランターを選ぶようにします。基本的には苗木の根鉢の大きさより一回りほど大きなプランター、具体的には7〜10号程度(21〜30cm)のものを用意しましょう。あまり大きなものを使うと、移動や植え替えなどの作業時に負担が大きくなってしまうので注意してください。プランターの材質にはさまざまなものがあります。安価で軽く扱いやすいのはプラスチック製ですが、通気性や水はけといった植物の生育を考えると素焼き鉢が向いています。なお、形や色のバリエーションに飛んだグラスファイバー製のものもあります。

庭植えで育てる準備

日光を好むので、日当たり、風通しの良いところに植えます。とくに生け垣などとして列植するときには、成長後の大きさを予測して株間を十分にとりましょう。水はけが良ければ、土質は特に選びません。根鉢の大きさの倍の深さ・直径の穴を掘り、掘り起こした庭土に堆肥をよく混ぜて半分ほど穴に埋め戻します。苗木の株元が地面の高さになるように調整し、残りの土を戻して植え付けます。

植え付けは真夏と真冬を避けて

アベリアの苗木の植え付けは4月、または9月下旬〜10月が適期です。真夏(7月〜9月中旬)と真冬(12月〜2月)を除けば、いつでも植え付けできます。

植え替えも春または秋に

鉢増し・鉢替えといった植え替えは、4月、または9月下旬〜10月が適期です。

弱酸性の土に植え付けることが大切

植物の生育にはおおむね、弱酸性(pH5.5〜6.5)の土が適しています。酸性が強すぎると、根が生育障害を起こしやすくなります。また、アルカリ性が強いと、土の中に鉄やホウ素などの微量要素が含まれていたとしても、根から吸収されにくく、欠乏症を起こす可能性があるので気をつけましょう。

鉢植えの土作り

プランターでは市販の庭木用培養土をそのまま利用します。しかし、製品によって排水性や保水性が異なります。各用土の排水性、温度や日当たり、風通しなどの環境によって、土の乾き具合が変わることを確認し、覚えておくとよいでしょう。鉢植えで使用した培養土の保水性が悪いと感じたときは、堆肥や腐葉土を混ぜてみてください。また、排水性が悪いと感じる場合には、赤玉土や鹿沼土を配合することで改善できます。

鉢植えの用土を自分でブレンドして作る場合は、赤玉土(細粒):鹿沼土(細粒):腐葉土を、5:2:3の割合で混ぜます。赤玉土は排水性を高め、根腐れを防ぎます。

庭植えの土作り

庭植えの用土は、庭土に堆肥や腐葉土、培養土をよくすき込んでおきましょう。

寒肥・追肥を施す

鉢植え、庭植えともに寒肥(寒い時期に与える肥料のこと)を与えます。時期は2〜3月です。また、開花中盤の9月中旬に、緩効性の肥料を土の上にまいて施すとよいでしょう。

5.人気のあるアベリアの種類、品種を知りたい

育てやすく、カラーリーフとしても人気のアベリア。以下に育てやすく入手しやすい品種をいくつかピックアップしてみました。

グランディフローラ
アベリアの基本的な園芸種で、大正時代に日本に入ってきました。葉は緑色で、花は白から淡ピンク色をしています。また、萼は赤い色をしており、白い花との対比もきれいです。開花期が長いので、花を長く楽しめます。丈夫で育てやすいのも魅力です。

‘エドワードゴーチャ’
グランディフローラよりも濃いピンクで、ややふっくらとした花をつける園芸品種です。全体的にコンパクトで、葉はグランディフローラよりも小さく、緑色をしており、寒くなるとオレンジから赤紫色に紅葉します。

‘ホプリーズ’
光沢のある葉の緑に、クリーム色から白の覆輪の入る園芸品種です。葉色が明るいので、カラーリーフとして楽しめます。洋風なお庭にもぴったりです。花色は、白からピンク色をしています。ほかの品種に比べて、比較的萌芽力があります。

‘カレイドスコープ’
季節で葉色が変化する園芸品種で、昨今ではカラーリーフとしても人気です。春はブライトイエロー、夏はゴールデンイエロー、低温期にはブライトオレンジに変わります。別名「万華鏡」とも呼ばれています。ホプリーズ同様、萌芽力があります。花は白色で、ほのかに香ります。他の品種に比べて、冬の落葉が少ないといわれています。

‘フランシスメイソン‘
葉の縁に、黄色の斑が大きく入る園芸品種です。特に春と秋に、葉の色が鮮やかになります。花は白色で、斑が入る以外はグランディフローラと性質はほぼ同じです。葉の色が明るいため、庭を明るい印象にしてくれます。

‘コンフェティ’
葉の縁にクリームホワイトの斑が入る園芸品種です。新葉は斑が濃桃色になります。また、冬の時期には斑の部分が紅葉し、濃桃色になります。冬以外でも、日当たりの具合や生育環境によっても色が変化します。斑入りの品種ですが、夏の葉焼けに強いのが特徴です。

構成と文・さいとうりょうこ

監修宮内泰之


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