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コスモスの、上手なドライフラワーの作り方と簡単アレンジ

コスモスの、上手なドライフラワーの作り方と簡単アレンジ

コスモスは薄く繊細な花びら。しかも、茎が細いので、ドライフラワーにしても用途が限られます。「それでも、ほかの花には味わえない美しさ、可憐さがあります。ぜひ作って楽しんでみてください」。そう語るのは、アトリエ『ブランディーユ』の落合惠美さん。コスモスのドライフラワー作りについて伺いました。

1.コスモスのドライフラワー作りにはコツがあります

風に吹かれ、揺れる軽やかなコスモス。細い茎に咲く花なので、花びらが薄く繊細。ほとんどがひと重咲きです。花びらが折れても、1枚散っても、コスモスらしさに欠けるので、きれいに開いた花だけを使いましょう。

前述したように、コスモスは茎が細く、花びらは薄いので、ドライフラワーにするのに時間はかかりません。シリカゲルを使えば、通常よりもかなり早くドライフラワーにすることができます。ただし、コスモスは繊細なだけに、作り方にはコツがあります。

2.ドライフラワーに適している、コスモスの種類と選び方

新鮮な花をドライフラワーにします

ドライフラワーで人気のバラやシャクヤク。これらの花をドライフラワーにする場合は、よく咲かせてから作ると、ボリューム感のあるドライフラワーにすることができます。花屋さんで買ってきたら、しばらく花瓶に挿して楽しんだあとに、またドライフラワー作りを楽しむことも。1本で2度楽しみ、ドライフラワーができあがったら、また長く飾ることができます。
*「バラの、上手なドライフラワーの作り方と簡単アレンジ
*「シャクヤクの、上手なドライフラワーの作り方と簡単アレンジ

しかし、コスモスの場合は、1輪の花もちは5~10日。けっして悪くはありませんが、花が咲き進むと、花びらがどうしても散りやすくなってしまいます。しかも、ひと重咲きは1枚散ると、それだけでコスモスらしさを失います。

このコスモスは咲き進んでいるので、黄色い花粉が花びらについています。

そのため、コスモスの場合は、花屋さんで購入したばかりの新鮮な花、または庭や鉢植えで咲いたばかりの花を使ってドライフラワーを作ります。購入したばかりといっても、最初の花が咲き進んでいる場合もありますね。

花の中心に黄色い花粉がたくさん出ていたら、すでに花が咲き進んでいます。通常コスモスは、1本に花とつぼみが数個ずつついています。最初の花に花粉が出て、花びらにもつくほどなら、花瓶に挿してしばらく楽しみ、次のつぼみがよく開いたら、それをドライフラワーにしましょう。2番めの花の花びらがしっかり伸び切って、きれいに開いたら、さあ、ドライフラワーのスタートです。

ブライトピンクを選ぶと、きれいな花色が残ります

バラやシャクヤクは赤や濃いピンクで作ると、花色がきれいに残りますが、コスモスはワイン色など濃色で作ると黒っぽくなります。やや濃いめのピンクで作ると、色鮮やかに仕上がります。

八重咲きで作ると、ボリューム感が出ます

コスモスはひと重咲きだけでなく、八重咲きの品種も出回っています。ドライフラワーにするときは、ひと重咲きよりも少し時間はかかりますが、ボリューム感は出ます。

花びらの縁取りが繊細なピコティ

写真の品種、ピコティは、ドライにしても花びらの縁取りがはっきりと残ります。繊細な縁取りを味わいましょう。

3.コスモスをドライフラワーにする、シリカゲル法

ドライフラワーの作り方には、大きく分けて、ハンギング法、シリカゲル法、ドライ・イン・ウォーター法の3つがあります。ただし、花びらが薄く、茎が細いコスモスは、吊るして乾かすハンギング法では形が崩れてしまいます。長時間かけて作るドライ・イン・ウォーター法の方法でも、コスモスはドライフラワーになりません。乾燥する前に花びらはしおれ、茎は傷んでしまいます。

コスモスの繊細な花びらと色を残す「シリカゲル法」

シリカゲルは、湿気を嫌う菓子類や乾物などといっしょにパッケージされ、広く使われています。成分は水晶や石英の成分と同じ、二酸化ケイ素です。二酸化ケイ素は、表面に微細な穴がたくさん空いていて、水分をはじめとするさまざまな物質を吸着する作用があります。この働きを利用して、シリカゲルは、ドライフラワー専用の乾燥材として出回っています。ネットや100均ショップなどで手に入れることができます。

シリカゲルを使ってドライフラワーを作るメリットは、花色をきれいに残せること。蒸し暑い梅雨時や夏でも、シリカゲルを使えば、きれいな色のドライフラワーができあがります。

シリカゲル法で必要なもの
・コスモス
・シリカゲル *粉末状のもの。ドライフラワー用が最適
・タッパー
・スプーン
・ハサミ

シリカゲル法のコツと注意点

シリカゲルは、ドライフラワー専用を用意します。ドライフラワー用シリカゲルは、花のなかにも入りやすい粉末状。花の隅々に行きわたるため、水分が抜けたあとも、元の花の形状を保てます。

食品などに小袋に入ったシリカゲルがついてきますが、こちらは大きな粒状のため、利用はおすすめできません、乾燥はしますが、花びらにシリカゲルの粒の跡が残ってしまうことがあります。

前述したように、シリカゲル法は色も形もあまり変化せず、生花の状態を残しながらドライフラワーに仕上げることができます。美しいドライフラワーを作るためには、花の間にも隙間なくシリカゲルを入れ、最後にシリカゲルの中にコスモスを埋めるといいですね。シリカゲルから花びらが飛び出していると、そこだけドライフラワーにならないので注意しましょう。

シリカゲル法の手順

①コスモスの花がすっぽり入る、深いタイプのタッパーを用意。まず、シリカゲルをタッパーの深さの1/3ぐらいまで入れます。

②コスモスは、ガクの下で茎を切り落としておきます。コスモスを置く場所に浅く穴を掘ってから、その穴の上にコスモスをのせます。

③スプーンを使って、シリカゲルを少しずつコスモスにかけていきます。コスモスがきれいに咲いた状態のまま乾燥させるには、まんべんなくシリカゲルをかけるのがポイント。ただし、いちどにシリカゲルをかけると、その重みで花びらが折れたりするので、注意しましょう。八重咲きの場合は、花びらと花びらの間にもシリカゲルを丁寧に入れます。

④最後はすっぽりと、コスモスが完全に隠れるまで、シリカゲルをかけます。このあとは蓋をして、しばらく置きます。

⑤コスモスを入れたシリカゲルは、タッパーに蓋をして、そのまま動かさずに3~4日置き、コスモスを取り出します。八重咲きの場合は、1週間ぐらい置いたほうがいいでしょう。

⑥ドライフラワーになったコスモスの花びらは、パリパリに乾いています。花びら同士がぶつかって傷ついたり、取れたりしないように1輪ずつ大きめのスプーンですくいます。シリカゲルに入れたときよりも、より慎重に取り出しましょう。

また、花びらの間にシリカゲルが入り込んできるので、丁寧に落とします。ただし、無理にシリカゲルを落とそうとすると、花びらが取れることもあります。できあがったドライフラワーのコスモスとシリカゲルを、そのまま一緒に器に入れて飾るのも一手です。

シリカゲルの再生方法
きれいなドライフラワーを作るには、早く乾燥させることがポイントです。ところが何度も繰り返して使ううちに、花の湿気をたっぷり吸ったシリカゲルは、水分の吸収力が落ちてしまいます。でも、心配はいりません。吸水力が落ちたシリカゲルは、簡単に再生することができます。

その再生方法を紹介しておきましょう。使う前のシリカゲルは一般に青または水色ですが、水分を吸収するとしだいにピンクに変色します。再生する時期は、このシリカゲルの色の変化が目安。まず、フライパンや鍋を用意します。水分を吸収してピンクになったシリカゲルを入れ、中火で5~10分熱します。青い色が戻ってきたら再生したサインです。まめにメンテナンスをして、コンディションを整えておくといいですね。テフロン加工を施したフライパンや鍋は、キズがつくことがあるので、使っていないフライパンや鍋を使います。

4.コスモスのドライフラワーをより楽しむために

乾燥して色のきれいなドライフラワーができあがっても、時間が経つとドライフラワーは褪色していきます。少しでも長く楽しみたいときは、直射日光が当たらない場所に飾りましょう。きれいな色をより長く保つことができます。

キッチンや風呂場など、頻繁に水を使う場所や、湿気が多い場所は、ドライフラワーがその湿気を吸い込んでしまうため長もちしません。乾いた風が通る、風通しのいい場所を選んで飾ってください。

5.コスモスのドライフラワーを使った、簡単アレンジ

生花を飾るには必ず給水が必要です。その縛りがなく楽しめるのが、ドライフラワーの魅力。つまり生花とは異なる発想で、花をあしらいうことができるのです。ナチュラル感たっぷりのコスモスのドライフラワーを、インテリア雑貨として飾ってみてはいかがでしょう。

ただし、コスモスのドライフラワーはとても繊細です。あまり手を加えず、コスモスの可憐さ、愛らしさを味わって。

その1 薄紙のようなコスモスを、ガラスのプレートに飾ります

薄い花びらをおしげもなく開くコスモス。フレッシュなコスモスも繊細さが魅力ですが、ドライフラワーにしたときの可憐さ、繊細さは圧巻。触れればはらりと落ちそうな花びらを、そっとガラスのプレートに並べました。あれこれ触ると崩れてしまうので、そっと並べて楽しみます。

通常ドライフラワーは数か月で花色の鮮やかさがなくなり、しだいに褪色して茶色っぽくなります。特にコスモスは花びらが薄いので、長くこの状態を保つことはできません。それだからこそ、貴重なコスモスのドライフラワーが手に届く場所で楽しめたら特別感がありますね。玄関にウエルカムフラワーとして、また、ティーパーティのテーブルフラワーにもぴったりです。

水分がなくなったドライフラワーは艶感がなくなるので、ピンクと白だけでは寂しくなりがちですが、コスモスは黄色い中心の部分がアクセントになるので、華やかさがあります。

その2 繊細すぎるドライは手に入りにくいからこそ、ギフトで

繊細な美しさが群を抜くコスモスのドライフラワー。ちょっと乱暴に扱ったりすれば、すぐに花びらが取れたり、折れてしまったり。自分でドライフラワーを作らない限り、なかなか手に入らないからこそ、ドライフラワーを作ったら、ぜひ身近な人にプレゼントしてみてください。派手さこそありませんが、それこそ特別なギフト。可憐なコスモスに輪をかけたような繊細さは、きっと喜んでもらえるはずです。

この器はイギリスの有名チョコレート店のパッケージ。紫色の小花がかわいいですね。コスモスのドライだけを使ったギフトなので、パッケージにストーリーをのせても楽しいもの。小さなリボンを結んだような凝ったリボンが、コスモスの繊細で華奢な雰囲気によく似合います。

その3 庭で摘んだコスモス。ナチュラルな雰囲気をそのままに

庭や鉢植えに咲いたコスモス。毎日咲くコスモスを、少しずつ摘んではシリカゲルのなかに入れていくと、いつの間にかたくさんのドライフラワーができあがります。透明な薬瓶の中にあしらうと、庭でコスモスを摘む、その心地よさまで封じ込めることができそうです。

ここで、コスモスを長い間咲かせる方法をお伝えしておきます。コスモスは秋に咲く花と思っていませんか?  最近の気候の変化で、夏の訪れが早まったため、コスモスは4月に種まきをすれば、5月末には開花が始まり、6月からコスモスを楽しむことができます。また、早咲きの品種も増えています。真夏は強い日差しと暑さで花が傷みがち。花数も少なくなりますが、この時期再度種まきをしておけば、9月ごろからまた改めて花が楽しめます。こうして考えれば、かなり長い間、コスモスを咲かせることができるのです。どうぞ、試してみてください。

その4 ナチュラルなドライを、シックなテイストで味わいます

置き場所を黒い背景にしてみました。上で紹介したドライフラワーが、落ち着いた彩りに。コスモスのドライは、ナチュラルテイストだけでなく、シックなテイストにもよく合います。

ここはちょっと苦心するかもしれませんが、コスモスはピンセットを使って、花の顔がはっきり外側に向くように配置します。ピンク系のコスモスなので、サブ花材には、同系のセンニチコウのほか、ピンクによく合うブルー系を使いました。コスモスと同じく花びらがひらひらしたアジサイのほか、粒々とした花が並ぶラベンダーなど、形の異なるドライフラワーを加えています。

また、まず瓶にシリカゲルを入れ、その上にドライフラワーをのせて飾ると、シリカゲルが湿気を吸収してドライフラワーが長もちします。

撮影・落合惠美 構成と文・瀧下昌代

Profile落合惠美

『ブランディーユ』主宰。1988年、東京・三軒茶屋に、 花のアトリエを設立。花教室のほか、ウエディングやイベントの花装飾などを手掛けている。ナチュラルでありながらエレガントなスタイルのアレンジが...アーティスト詳細を見る


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