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ダリアを元気に育てるには、適した土作りが必要です

記事 2019/03/06
ダリアを元気に育てるには、適した土作りが必要です

多彩なカラーバリエーションと豊富な花姿で、目を楽しませてくれるダリア。種類が多様なうえ、比較的育てやすく、開花期間が長いため、ダリアは栽培初心者の人気を集めています。ダリアの花を美しく咲かせ、よい状態で楽しむには「土」が重要です。ここでは、ダリア栽培に適した土について、詳しく紹介します。NHK『趣味の園芸』などの講師としても活躍する、園芸研究家の矢澤秀成さんにお聞きしました。

1.ダリアを育てる前に知っておきたいこと

ダリアは、メキシコやグアテマラに自生する多年草です。古くから世界中で栽培され、品種改良が重ねられて、今までに作られた品種は3万品種を超えるといわれています。

ダリアの基本データ
学名:Dahlia
科名:キク科
属名:ダリア属
原産地:メキシコ、グアテマラ
和名: 天竺牡丹(テンジクボタン)
英名:Dahlia
開花期:5~11月
花色:赤、ピンク、黄、オレンジ、白、茶、黒、複色
発芽適温:20~25℃
生育適温:15~25℃
切り花の出回り時期:オールシーズン 
花もち:5~7日 

ダリアは日当たりと風通しのよい場所を選び、その性質さえ知って育てれば、栽培は難しくありません。基本的には春植え球根植物で、地域によって異なりますが、発芽適温は20℃以上。植えつけ適期は、ソメイヨシノが開花する頃から梅雨があける前が目安です。3月下旬から7月上中旬までに植えつけましょう。寒冷地では、霜の降りなくなる頃に植えつけます。

また、一年草のように、種から育てられるミニタイプの品種(実生ダリア)が多数あります。発芽適温は20℃なので、暖かくなった4月中旬~4月下旬が種まきの適期です。

初夏から咲き始め、夏の猛暑を耐えて、秋に最花期を迎えるダリアには、苦手なものがふたつあります。ひとつは日照不足。日当たりが悪いと、花のつき具合が悪くなります。もうひとつは高温多湿。特に、30℃を超える季節の、直射日光や強い西日、コンクリートの照り返しはNGです。

鉢植えで育てる場合は、季節によって移動できるように、地植えの場合は遮光ネットやよしずを使いやすいように、栽培場所を考えて育てましょう。

2.よい土は、水はけ、水もちに優れています

植物を育てるために“用”いる“土”を「用土」といいます。用土にはさまざまな種類があり、それらを何種類かブレンドしたものを「培養土」といいます。

土は“植物のベッド”とよくいわれます。フカフカと柔らかく、湿りすぎでも乾きすぎでもなく、快適に呼吸できる――それが“よいベッド”です。

具体的には、栄養分に富み、水はけ(排水性)、水もち(保水性)、通気性、保肥性に優れた土が「よい土」です。

そして、このような土は、“団粒構造”になっています。団粒構造とは、小さな土の粒子が集まり固まって、団子のような小さな固まり(団粒)を形成して重なっている状態を指します。団粒の中には小さな隙間が、団粒と団粒の間には大きな隙間があります。それらの隙間が、排水、通気、保水、保肥に役立つのです。

園芸店やホームセンターには、あらかじめブレンドされた培養土のほかに、赤玉土や黒土、腐葉土など、さまざまな用土が販売されています。初めてガーデニングに挑戦する場合は、どの用土を買えばいいのか、途方に暮れてしまうかもしれません。次の項で紹介する用土の特性を参考に、育てる植物や環境に合わせて、よい土を作ってください。

3.種類を知ることが、適した土作りへの近道

土の種類やその特徴を知ることは、植物栽培に必要な「よい土」作りに役立ちます。ここでは、園芸店やホームセンターでよく見かける用土について紹介します。

【基本用土】

土をブレンドするときに、ベースになるものです。

黒土
一般的に畑用の土として知られている、黒い土。柔らかく、保水性と保肥性に富みますが、排水性と通気性はやや劣るため、単体で使うことはあまりありません。

赤玉土
関東ローム層の赤土を玉状に乾燥させたもので、粒の大きさも大・中・小があります。通気性、保水性、保肥性に優れているため、ガーデニング用の基本の土として親しまれています。

鹿沼土
その名のとおり、栃木県鹿沼地方でとれる、火山性の玉土。通気性、保水性、保肥性に富んでいます。酸性なので、山野草やブルーベリー、サツキ、ツツジなどと相性がよいとされています。

【改良用土】

基本用土をよりよい性質にするために、加えるものです。

腐葉土
広葉樹の落ち葉を腐熟させたもの。有機質に富んでいるため土中の微生物の働きを高め、土を肥えさせてくれます。また、排水性、保水性、保肥性も高めてくれるので、土質改良に有効です。

ピートモス
水ゴケなどが泥炭化したもので、腐葉土とよく似た性質。軽くて、排水性、保水性、保肥性に富むため、室内園芸によく使われます。酸度が強いので、酸性の土を好む植物には「酸度未調整」のもの、一般的な草花には「酸度調整済み」と袋などに表記されたものを使い分けるようにしましょう。

堆肥
わらや落ち葉、枯れ草などを腐熟させたもので、通気性、排水性をよくする働きがあります。腐葉土よりも有機質の肥料分が含まれているので、花壇や畑によく用いられます。

【調整用土】

バーミキュライト
蛭石(ひるいし)を焼いて発泡させたもので、軽いのが特徴。通気性、保肥性に優れ、保水性もよいとされています。

パーライト
真珠岩(しんじゅがん)を高温高圧で焼成したもので、軽くて無菌。通気性と排水性に富むため、水はけの悪い用土に混ぜて使います。


排水性や通気性を高めるために使います。桐生砂(きりゅうすな)、矢作砂(やはぎすな)、富士川砂など種類はいろいろありますが、川砂が一般的。

【特殊用土】

水ゴケ
湿地に自生する水ゴケを乾燥させたもので、保水性と通気性に優れています。水をたっぷり含ませてから使います。

※「○○用」として市販されている培養土は、これらの用土の特性を生かして、配合割合を各社で研究してブレンドしたものです。

4.元気に育てるための、ダリアの土作り

ダリアの原産地は、メキシコやグアテマラの高地。豊かな日差しがさんさんと降り注ぎ、ジメジメとは無縁の冷涼な土地が故郷です。ダリアは、花色や花姿は華麗ですが、性質はいたって丈夫なので、土作りにそれほど神経質になる必要はありません。ダリアにとって、快適でさえあれば大丈夫です。

ダリアを鉢植えで育てる場合は、市販の草花用培養土で問題ありません。元肥が入っているものなら、そのまま使えて重宝します。ダリア栽培に限りませんが、清潔で新しい培養土を用意してください。以前に草花を育てたときの土が、まだ鉢やコンテナに残っているから、と使い回すと病原菌が潜んでいることがあるからです。

自分で用土をブレンドして作る場合は、赤玉土(小)と腐葉土を7:3の割合で混ぜるか、赤玉土(小)、腐葉土、パーライトを6:3:1の割合で混ぜるとよいでしょう。

地植えする場合は、川砂やパーライトなどを混ぜるなどして、水はけをよくします。

ダリアは、ほかの多くの草花と同じく弱酸性の土を好むので、中和のために、苦土石灰(くどせっかい)か消石灰を混ぜたりするのも有効です。ただし、市販の草花用培養土は、あらかじめ酸性度の調整がされているので不要です。いずれの場合も、あらかじめ元肥として緩効性肥料を施しておきましょう。

5.ダリアの、植え替えの時期と頻度

種を鉢で育てる場合や、市販の苗から育て始めるときは、植え替え作業(定植)が必要になります。

植物は種類によって、植え替えの時期と頻度が異なります。また、“根の性質”によっても頻度が異なります。なぜなら、植物のなかには植え替えを嫌うものがあるからです。

ダリアは球根植物なので、球根から植えつけて育てます。ダリアの根は細かく、とてもデリケートで横に広がるため、こまめな植え替えには向いていません。根を傷めてしまうと、うまく根づかないのです。

鉢で育てる場合は、途中で植え替えなくていいように、6号以上の深い鉢、または深い横長タイプのプランターを用いましょう。

ただし、ダリアは毎年花を咲かせる多年草です。秋の開花期が終わったら、翌年も花が楽しめるように休眠期に入った球根を土から掘り出して“冬越し”させてる「掘り上げ」が必要になります。ダリアは熱帯の高地が原産国なので、寒さに弱く、土中の凍結や過湿によって球根が腐敗したり、霜や雪などで茎が凍傷にかかると球根も傷んだりしてしまうからです。

「堀り上げ」については、「ダリアを増やしたい! 最適な時期と方法、注意点を知っておきましょう」で詳しく説明しているので、そちらを参考にしてください。

6.土のほか、植えつけ時に準備したいもの

前述したように、ダリアは植え替えには向いていません。ここでは、ダリアの球根を鉢や庭に植えつける(定植する)とき、土以外に必要なものをまとめました。事前に以下のものを用意しておきましょう。

準備するもの(鉢植え、地植え共通)
・適した土(前述のとおり)
・ダリアの球根
・土入れ、またはスコップ
・ジョウロ
・支柱
・紐、またはビニールタイ
・ラベル

*鉢植えの場合は、下記のものも用意
・鉢(※)、または深さのある横長プランター 
・鉢底ネット
・鉢底石
※鉢は、超大輪・大輪系が8~10号鉢、中輪・小輪系は5~7号鉢が目安。

ダリアの根は横に広がるため、鉢植えの場合はひとつの鉢に1個の球根を植えるのが基本です。株も大きく育つため、中輪系などでも大きめの鉢をおすすめします。プランターの場合は、球根と球根の間を、大輪種なら60㎝以上、中小輪種なら40㎝以上を最低限の目安に離して植えます。

ダリアはミニタイプの矮性種以外は、草丈が高く伸び、枝も茂ります。茎は弱く折れやすいので、支柱の支えが必要になります。

ダリアは、日当たりと水はけのよい場所を好みます。植え場所や鉢の置き場所も、日当たりのよいところを選びましょう。

7.ダリアの植えつけ方法が知りたい

実際に、植えつけの手順を見ていきましょう。球根の植えつけは、3月下旬から7月上中旬が最適です。球根はひとつの鉢に1個植えとします。植えるときは、細い首のようになっている部分(発芽点)が上向きになるようにしてください。

鉢植えの場合の手順
①鉢に鉢底ネットを入れ、排水性をよくするために鉢底石を多めに敷き、培養土を鉢の高さ2/3ほどまで入れます。
②球根が鉢の中央に向かって発芽するよう、発芽点を上向きに球根を寝かせて置き、土を5~10㎝(※)被せます。
③4本を目安に支柱を立てます。鉢の側面に沿って四角く等間隔に。
④鉢底から水が出るまで、たっぷりと水やりします。
⑤品種名や植えつけ日を書いたラベルを挿しておきましょう。

※被せる土の量は、種類によって異なります。中小輪種は5cmほど、大輪種は10cmほどが目安です。

地植えの場合の手順
①花壇の土は30cm以上掘って元肥を施してから、植え穴を掘ります。大柄になる大輪種は株間60㎝深さ10㎝、中小輪種は株間40㎝、深さ5㎝が目安です。
②球根が鉢の中央に向かって発芽するよう、発芽点を上向きに球根を寝かせて置き、上から土を被せます。
③球根1個につき、4本を目安に支柱を立てていきます。発芽点を中心に15~20㎝離すとよいでしょう。
④たっぷりと水やりをしましょう。
⑤品種名や植えつけ日を書いたラベルを挿しておきます。

ダリアは成長すると大きな株になり、幅も取ります。いくつか植える場合は、あらかじめ球根同士の間隔は、上記を目安にあけておきましょう。

ダリアの球根は水をたくさん含んでいるので、植えつけ後に水やりしたあとは、発芽するまで水やりを控えます。水を与えすぎると球根が腐る恐れがあります。

8.植えつけをするときの注意点はこちらです

ダリアの球根には、必ず1球に1個以上の芽がついています。発芽点は球根の胴体ではなく、茎の基部(球と茎の間)部分です。発芽点のないものは植えても芽が出ないので、必ず芽のあるものを選びましょう。

そして、植えつけるときは、その発芽点が上向きになるように、縦ではなく、斜め横に、球根を寝かせるようにします。発芽点が上方向、その反対側が下方向です。

支柱を立てるのは草丈が30㎝前後になったときでも構いませんが、草丈がぐんぐん伸びはじめてから慌てて立てるより、植えつけのときに球根を傷つけない位置にあらかじめ立てておくとよいでしょう。ダリアの茎は空洞のものが多いため、風に弱いので、大きく育つ前に支柱にしっかりと縛っておいてください。

構成と文・岸田直子

監修矢澤秀成

園芸研究家、やざわ花育種株式会社・代表取締役社長


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