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ダリアの水やり方法。適切なタイミングと頻度で、根腐れを防ぎます

記事 2018/04/13
ダリアの水やり方法。適切なタイミングと頻度で、根腐れを防ぎます

多彩な花色や花形が目を楽しませてくれるダリア。園芸栽培で楽しまれているのはもちろん、切り花として室内を彩ったり、ブーケにして贈答用に用いたり、とさまざまな場面でその華やかさが愛されています。カーデニング初心者にも挑戦しやすい花ですが、植物を育てるために欠かせないのが水やり。ダリアの水やり方法やちょっとしたコツ、気をつけたい点などを、NHK『趣味の園芸』などの講師としても活躍する、園芸研究家の矢澤秀成さんにお聞きしました。

1.ダリアを育てる前に知っておきたいこと

ダリアは、メキシコやグアテマラに自生する多年草です。古くから世界中で栽培され、品種改良が重ねられて、今までに作られた品種は3万品種を超えるといわれています。

ダリアの基本データ
学名:Dahlia
科名:キク科
属名:ダリア属
原産地:メキシコ、グアテマラ
和名: 天竺牡丹(テンジクボタン)
英名:Dahlia
開花期:5~11月
花色:赤、ピンク、黄、オレンジ、白、茶、黒、複色
発芽適温:20~25℃
生育適温:15~25℃
切り花の出回り時期:オールシーズン 
花もち:5~7日 

ダリアは日当たりと風通しのよい場所を選び、その性質さえ知って育てれば、初心者でも栽培は難しくありません。基本的には春植え球根植物で、地域によって異なりますが、発芽適温は20℃以上。植えつけ適期はソメイヨシノが開花する頃から梅雨があける前が目安です。3月下旬から7月上中旬までに植えつけましょう。寒冷地では、霜の降りなくなる頃に植えつけます。

また、一年草のように種から育てられるミニタイプの品種(実生ダリア)が多数あります。発芽適温は20℃なので、暖かくなった4月中旬~4月下旬が種まきの適期です。

初夏から咲き始め、夏の猛暑を耐えて、秋に最花期を迎えるダリアには、苦手なものがふたつあります。ひとつは日照不足。日当たりが悪いと花のつき具合が悪くなります。もうひとつは高温多湿。特に30℃を超える季節の、直射日光や強い西日、コンクリートの照り返しはNGです。

鉢植えで育てる場合は季節によって移動できるように、地植えの場合は遮光ネットやよしずを使いやすいように、栽培場所を考えて育てましょう。

2.水やりの方法と、そのタイミング

どの植物もそうですが、上手に育てるためのポイントは、原産地の気候を理解し、その環境に則すことです。ダリアの原産国はメキシコやグアテマラといった熱帯の高地。夏は冷涼、冬は温暖な気候で、春から夏に雨が多く、冬は乾季となる地域です。そのため、ダリアは日当たりと水はけのよいところを好み、その環境下でよく育つことを、まずは覚えておきましょう。

次に大切なのは、ダリアは球根植物であるということです。乾燥には耐えられる反面、水が多く滞水すると球根は腐ってしまいます。そして、ダリアは過剰な湿気を嫌うので、水のやりすぎは禁物です。ダリアの水やりのコツは、“与えすぎない”こと。基本的に控えめにして、ジメジメは大敵!と意識して育ててください。

水やりの時間帯は、原則として朝です。夏場の気温が高い日中に水やりをすると、水温と外気の温度差がダリアにとってストレスになります。また、根に届く前に強い日差しによって、水が蒸発してしまうので、せっかくの水やりがむだになってしまいます。

土の状態を見て、表面が乾いているようなら、水やりのタイミングです。たっぷりとあげましょう。ダリアの水やりのコツは「土が乾いたら、たっぷりと」。乾いていないうちは、水やり不要です。

ダリアは鉢植え、地植えのどちらでも栽培できますが、それぞれ水やりの頻度は異なります。次の項からは、植えつけ別の水やりを紹介しましょう。

3.鉢で育てている場合の、ダリアの水やり

水やりの頻度

ダリアの育て方の基本は、水を与えすぎないことです。毎日、朝に夕に、頻繁に水やりする必要はありません。ただし、生育中の水切れは禁物です。土の表面が白っぽく乾燥したら、朝のうちに水やりを行いましょう。特に、つぼみから開花している間は乾燥に注意します。

水やりのコツ

水やりをするときのポイントは、「鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと」あげること。乾いた土の表面が湿る程度のちょろちょろとした水やりでは、土中に張った根まで水が行き届きません。たっぷりの水で土の表面を覆うくらいでOKです。

また、ダリアに限らず、植物の根は呼吸しています。水をたっぷり与えることで、土の中にたまった古い水分や老廃物を流し出すと同時に、水に含まれている新鮮な空気を補ってあげることができます。

暑く乾燥した日が続いたときは、水やりのついでに葉の表裏に霧吹きで水を吹きかけるなど“葉水”しておくと、葉の洗浄と害虫・病気予防につながります。ただし、花やつぼみに直接水をかけないよう、注意してください。花の生育が悪くなってしまいます。また、葉水は頻繁に行う必要はありません。暑く乾燥する時期だけ、ほどほどの間隔で与えれば十分です。

水やりの確認方法

水やりのタイミングを確認するには、土の状態を観察しましょう。土が白っぽく、硬そうに見える、指で触ってカラカラに乾燥している、などです。もちろん、ダリア自体の様子を見ることも忘れずに。鉢植えは土自体の量が少ないため、栽培環境によっては夏場など乾燥しやすいので油断は禁物です。そのためにも、水やり前後の土とダリアの状態の違いをよく観察し、把握しておきましょう。

4.地植えの場合の、ダリアの水やり

水やりの頻度

地植えの場合は、雨水が当たる場所であれば、基本的に水やりの必要はありません。鉢に比べて土の量が多く、地中に水分が蓄えられているからです。ただし、7~8月の真夏日が続く場合など、極度の乾燥状態になったときは、暑い時間帯を避けて、できる限り朝早くに水やりをします。

水やりのコツ

土中にしっかりと水がしみ渡るように水をあげましょう。土中深く張っている根の先端まで水が届くように「たっぷり」と与えます。

また、鉢植えと同じく、暑く乾燥した日が続いたときは、水やりのついでにときどきでよいので葉の表裏に霧吹きやジョウロなどで水をかける“葉水”をしましょう。葉の洗浄と害虫・病気予防につながります。

水やりの確認方法

極端に雨が降らない日や猛暑日が続いて、ダリアの茎に元気がなかったり、葉先がしおれたりしたら、上記の方法で水やりをしましょう。

5.水やりは、季節によっても多少変わります

水やりの具合は、天候のほか、植物の生育状態や季節で多少変わります。そこで、この項では季節ごとの違いを見ていきましょう。

春~初夏(鉢植え、地植え)

ダリアは春植え球根植物です。球根は水をたくさん含んでいるので、植えつけ時に水をあげたあとは、発芽するまで水やりは控えましょう。水やりのしすぎで球根が腐る場合もあるので、ここは十分な注意が必要です。発芽後も土が乾燥してから、水やりしてください。ダリアは過湿を嫌うので、水やりしすぎると根がしっかり育たなくなってしまいます。

夏(鉢植え)

初夏に咲き始めたダリアはこの時季、暑さを耐えるためにあまり開花せず、秋を心待ちにしています。土の状態を見ながら、継続的な水やりを行いましょう。土が乾いたら、鉢底から流れ出るまでたっぷり水をやり、再び土が乾燥するまで水やりはしない、とメリハリのある水やりがポイントです。

夏(地植え)

鉢植え同様、秋の開花の最盛期に備えて猛暑に耐えています。何週間も雨が降らなかったり、連日猛暑が続いたりする場合は、何日かにいちど、根元にたっぷりと水やりをしましょう。その際、葉や茎に水をかけてしまうと“蒸れ”から過湿状態を招くことにもなりかねないので注意を。

秋~初冬(鉢植え、地植え)

初夏に続いてダリアの花が見頃を迎えます。過湿にならないように注意して、継続的な水やりを行いましょう。花の盛りが過ぎたら、少しずつ水やりの頻度を減らしていき、冬越しのための球根の“掘り上げ”に備えて、自然に枯らしていきます。

6.ダリアの水やり、注意点が知りたい

鉢植えの場合の注意点

ダリアの水やりで注意したいのは、過湿にならないことです。水の与えすぎは株を弱らせることや、根腐れを招きます。特に、こまめに少しずつといった水やりをしてしまうと、土の表面が常に湿った状態になり、ダリアが嫌う過湿状態に陥ります。鉢受け皿を使っている場合は、鉢底から流れ出た水は必ず捨ててください。

ただし、水切れも厳禁です。華やかに花を咲かせるには、生育中の水やりは欠かせません。鉢植えの場合は、地植えよりも土が乾燥しやすいことを念頭におき、常に土の状態をチェックしましょう。土が乾いたら、たっぷり水やりすることを忘れずに!

地植えの場合の注意点

基本的に自然の雨水だけで大丈夫、ということを忘れないようにしましょう。過保護は禁物です。夏場は日差しが強いため、土の表面があっという間に乾きますが、表面だけを見て水やりしてしまうと過湿になる可能性があります。指で土を少し掘ってみるなど、下のほうも乾いているか確認してみるとよいでしょう。

栽培環境によって多少の違いはありますが、ダリアの原産地が熱帯の高地であることを忘れずに、ジメジメ状態を避ける水やりを心がけましょう。過湿はよくないからといって、ほったらかしは厳禁です。日々、ダリアの状態や土の乾き具合をよく観察することが大切です。

根腐れを招く“過保護”と、水切れを招く“放任”に気をつけて、元気なダリアを育てていきましょう。

鉢植えと地植え、ともに注意することは、枯花の摘心後の水やりです。ダリアは茎の中心が空洞のため、摘心すると穴の開いた茎が露出して、雨や水やりにより水が溜まり、病気になることがあります。摘心は空洞を作らないように行うか、アルミホイルで塞ぐなどします。

構成と文・岸田直子

監修矢澤秀成

園芸研究家、やざわ花育種株式会社・代表取締役社長


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