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チューリップの、上手なドライフラワーの作り方と簡単アレンジ

チューリップの、上手なドライフラワーの作り方と簡単アレンジ

1.チューリップのドライフラワー作りは難しくありません!

春になると、花屋さんの店先をさまざまな色で彩るチューリップ。でも、花の出回る時期が限られているので、もっと長く楽しめたらいいのに…と思うことはありませんか? そんなとき、ドライフラワーにすれば、チューリップをずっと部屋に飾っておくことができます。

「そうはいっても、ふっくらとした卵形のみずみずしいチューリップを、ドライフラワーにすることなんかできるの? 作るのが難しいのではないかしら」と思うかもしれません。でも、大丈夫!「チューリップでドライフラワーを作るのは、まったく難しくないですよ」。チューリップのドライフラワーの作り方を教えてくださった、東京・原宿の花店『ザ・リトル・ショップ・オブ・フラワーズ(THE LITTLE SHOP OF FLOWERS)』の壱岐ゆかりさんはこう言います。「ただ、できあがったドライフラワーをあれこれアレンジしようとすると、すぐに花びらが落ちてしまいます。小花などと違って、誰でも花の形を知っているチューリップは、花びらが落ちて形が崩れるのは避けたいところ。その点に注意して、もっと気軽にドライフラワーを楽しんでください」。

それでは、花の選び方や、作ったドライフラワーの飾り方など、壱岐さんにチューリップのドライフラワーについて、いろいろと教えてもらいましょう。

2.チューリップには、どんな種類があるか知っておきましょう

晩秋から春まで出回るチューリップには、いろいろな咲き方があります。それぞれの特徴は比較的わかりやすいので、花屋さんで見かけたら、ぜひチェックしてみてください。どのタイプのチューリップも、ドライフラワーにすることができますよ。

ひと重咲き

花びら6枚の基本形。丸い花形が親しみやすい、もっともポピュラーな咲き方です。品種もさまざま。

八重咲き

おしべが花弁化して、花びらの枚数が増えたもの。開き切ると、シャクヤクのようで、存在感は格別です。

ユリ咲き

尖った細長い花びらが、外側に反るように開く姿がユリに似ています。茎が細く、しなやかな印象です。

パロット咲き

切れ込みの入る花びらが、オウム(parrot)の羽根に似ていることから。波打つ花びらがドラマティックです。

フリンジ咲き

花びらの先に、フリルのような細かい切れ込みが入るのが特徴です。ひと重のほか、八重もあります。

原種系

小さくて素朴です。さまざまな品種の親となった原種をはじめ、原種系の中からいくつかが切り花として流通。

クラウン咲き

比較的新しく出てきた咲き方。花びらの先がつぼむ、独特な花形が王冠に似ていることから、こう呼ばれます。

3.ドライフラワーに適している、チューリップの種類と選び方

基本的には、どんな色、形のチューリップでもドライフラワーにすることができます。ポイントは、花屋さんで買ってきたばかりの、新鮮な花をすぐにドライフラワーにすること。新鮮な花ほど、花びらのつけ根がしっかりしているので、形をキープしやすいからです。反対に、飾ってから日数が経ったものや花びらが反り返ってきたものは、避けたほうが無難です。花びらのつけ根がもろくなっているので、ドライフラワーにしたときに、花びらが取れやすくなってしまいます。

とはいえ、「生花として少し楽しんでからドライにするのがいいと思います」と壱岐さん。「生きている姿を愛でたあと、その短い命を惜しんでドライフラワーにする、というほうが、本来の意味で花を楽しむことになると思うからです」。1~2日ほど生花として花瓶に入れて楽しみ、そのあと、ドライフラワーにできたら、チューリップへの愛おしさも増しますね。

前の項で、チューリップの種類を紹介しました。そのなかでも、特にドライフラワーにおすすめなのが、下記のタイプです。

パロット咲きのチューリップ

生花

ドライフラワーにしたもの

パロット咲きは、オウムの羽根のように、花びらの縁に切れ込みが入るタイプです。波打ってかわいい花びらだけをドライフラワーにしてもきれいです。花が開くと、花びらが暴れるように広がるので、茎をつけたままドライフラワーにすると、動きを出すことができます。

白いチューリップ

生花

ドライフラワーにしたもの

どんな花も、ドライフラワーにすれば花色が褪せて、沈んだトーンになるものです。それがドライフラワーの魅力でもあります。ただ、白いチューリップは色褪せが少ないので、ドライフラワーにしたときに、比較的きれいに色が残ります。複数の花色を混ぜて束ねる場合など、白いチューリップをいくつか加えると明るさが加わり、ハイライト効果が生まれますよ。

また、花びらが薄いチューリップよりは、やや厚みのあるチューリップのほうが、きれいなドライフラワーになります。薄い花びらのチューリップは、乾燥が進むとチリチリになってしまうことがあるからです。

4.チューリップのドライフラワーの作り方は、ふたつあります

ドライフラワーの作り方には、大きく分けて、ハンギング法、シリカゲル法、ドライ・イン・ウォーター法の3つがあります。このうち、ドライ・イン・ウォーター法は、花に水分を多く含むガーベラには向きません。花の形が崩れる原因になるからです。また、ひと昔前には電子レンジを使う方法もありました。生きている花を電子レンジにかける、という行為に抵抗を感じる方が多いだけでなく、作っている途中で嫌な臭いがしたり、花の形が崩れたりしやすいので、こちらの方法も避けたほうがいいでしょう

そこで今回は、チューリップに向いているハンギング法とシリカゲル法、このふたつの方法について手順を紹介します。

簡単にチューリップをドライフラワーにする「ハンギング法」

花を束ね、下に向けて吊すだけ、という、もっとも一般的なドライフラワーの作り方です。簡単で手間がかからず、できあがったドライフラワーをそのまま飾ればいいので、初心者向きといえます。ただし、外気に触れながら乾燥させるので、あとで説明するシリカゲル法と比べると、どうしても色褪せの度合いは大きくなります。その褪せた花色こそがドライフラワーの魅力でもあるので、ドライフラワーらしさを好む人には、いちばんおすすめの方法です。

ハンギング法で必要なもの

・チューリップ
・輪ゴム
・麻紐 *吊すために使うので、紐でもリボンでも可
・ハサミ

ハンギング法のコツと注意点
チューリップは、乾燥すると茎から水分が抜けてしまい、茎が細くなります。そのため、チューリップをハンギングするときは、最初に輪ゴムで茎を束ねておきます。このとき、輪ゴムは、できるだけきつく掛けるほうがいいでしょう。茎が細くなって輪ゴムがゆるむと、途中で花が落ちてしまうことがあるからです

花を束ねるときは、やや花顔をずらしながら重ねるのが、ハンギング法でのドライフラワー作りのコツです。花同士が重なっていると風通しが悪くなり、乾燥までに時間がかかります。さらにいうと、ドライフラワーになったあとの花は、束ねたものをほどいていけ直すと、花びらが落ちやすくなるのです。せっかくきれいにできたチューリップのドライフラワーが、いけている間にボロボロになるのはショック! 束ねて吊すハンギング法の場合、吊したものをそのままの形で飾るほうが、形崩れの危険性がありません。飾ったときにきれいに見えるよう、束ねるときから花顔が重ならないようにするのがベストです。

また、ハンギング法の場合、チューリップの葉ははずしたほうがいいでしょう。大きな葉がついたままだと乾燥が進みづらくなるうえ、ハンギング法でドライフラワーにした葉は茶色くなりやすいからです。茶色く変色した葉も美しいと思えるのであれば、葉を残し、自然な花姿を楽しんでください。

ハンギング法の手順

① チューリップの茎を束ねて、根元を輪ゴムで留めます。できるだけきつく掛けましょう。束ねた形のまま飾ることを考えて、なるべく花が重ならないように、この時点で花の向きや重なりを調整してください。

② 輪ゴムの上から麻紐をきつく巻きつけます。干すときに結びつけられるよう、紐の端は長めに残してカットしておきましょう。

③ 湿気が少なくて直射日光が当たらない、風通しのいいところに②を吊します。外気に当てると花が傷むので、室内のほうがいいでしょう。乾燥の度合いは好みにもよりますが、花びらから水分が抜けて、カラカラになったらできあがりです。

チューリップの色をきれいに残す「シリカゲル法」

クッキーや海苔の乾燥剤として、よく目にするシリカゲル。水分を吸着するシリカゲルの働きを利用してドライフラワーを作るのが、この方法です。シリカゲルを使う方法は、乾燥させている間、花が外気に触れないため、退色を防ぐことができます。したがって、花の色をきれいに残すことができるのです。

シリカゲルはドライフラワー専用のものがありますが、粉末状のものであれば、お菓子用でも問題ありません。一方、ドライフラワー作りに向かないのは、粒状のもの。粒だと、花と花の間など、細かいところまでシリカゲルが入らないからです。シリカゲルは、100円ショップやインターネット、資材店などで購入することができます。

シリカゲル法で必要なもの

・チューリップ
・シリカゲル *パウダー状のもの
・瓶 *密封できる蓋つきのものを、花の大きさに合わせて用意。タッパーでも可
・ハサミ
・ピンセット

シリカゲル法のコツと注意点
花を瓶に入れてしばらくすると、「もうできているかな?」と、中の状態を確認したくなるものですが、完全に水分が抜けるまで、瓶の蓋を開けるのはやめましょう。乾燥させている途中で、花が空気に触れると、色が悪くなってしまいます。作る時期や保管場所の湿度にもよりますが、余裕をもって3週間~1か月、できあがりをじっと待ってください。

また、大きな瓶を使えば、茎や葉をつけたまま、チューリップを丸ごと1輪のドライフラワーにすることも可能です。ただし、大きな容器と大量のシリカゲル、瓶を置くスペースが必要になるので、そうした点を考慮した上でトライしてみましょう。

シリカゲル法の手順

① 瓶にシリカゲルを敷きます。目安としては、花を入れたとき、花が瓶の中央に来るくらいの深さにしてください。

② 茎を下にして、①のシリカゲルに花底を少し埋めるようにチューリップを入れます。このとき、大きな瓶を使い、複数の花を一緒に入れても構いません。花同士がくっつかないように、1輪1輪を離して、それぞれの四方がシリカゲルで埋まるようにするのが、ポイントです。

③ 花の上や周りに、シリカゲルをやさしくかけていきます。いちどにどっとシリカゲルが花にかかると、形が崩れてしまうので注意しましょう。

④ 花が見えなくなるまで、まんべんなくシリカゲルをかけます。蓋をきっちり閉めて、日の当たらない、湿気の少ない場所に約3週間~1か月置けば、できあがりです。

⑤ドライフラワーになったチューリップは壊れやすいもの。できあがったチューリップを取り出すときは、新聞紙などの上に、瓶から少しシリカゲルを移します。花が半分以上見えたら、ピンセットで花の根元をやさしくつまんで取り出しましょう。

5.チューリップのドライフラワーをより楽しむために…

ドライフラワーは非常に繊細なので、作ったあとにアレンジするのは難しいものです。特にチューリップのように形が特徴的な花は、1枚花びらが落ちただけで残念な気分になります。もちろん、チューリップを1本ずつドライフラワーにしていけば、アレンジも可能ではありますが、スペースが必要なうえ、手間がかかります。そこで、アレンジしたいときにおすすめなのが、最初から飾るときのデザインをイメージし、合わせたいサブ花材と一緒に組んで吊るす、ハンギング法。これなら、完成したものをそのまま器に入れるだけでOKなので、花落ちの心配が少なくなります。

どんな作り方をしても、ドライフラワーは完成したあとも少しずつ乾燥が進み、徐々に色が褪せていきます。飾っておけばホコリもつきますし、花びらが落ちやすいため、あまり手をかけることができません。季節に関係なく長く楽しめるのがドライフラワーの魅力であっても、やはりワンシーズンごとに花を替えるのがベストです。チューリップのように季節を代表する花は、春の間だけ飾っておき、夏が来たら夏の花をドライフラワーにして飾りましょう。ドライフラワーにできない花は少ないので、生花をアレンジして楽しんだらドライフラワーにする、を繰り返していけば、無理なく無駄なく花を長く楽しめますよ。

6.チューリップのドライフラワーを使った、簡単アレンジ

ドライフラワーを作ったら、部屋に飾ってみましょう。完成したものをあれこれいじると、花の形が崩れやすいので、シンプルにいけるのが基本です。

その1 色とりどりチューリップのスワッグ

チューリップ

さまざまな色のチューリップを束ねてドライフラワーにしたものを、そのまま壁に下げてスワッグにしました。茎を長く残し、葉もつけたままドライフラワーにしているので、ナチュラルな印象です。チューリップを束ねるときは、花の位置が重ならないよう気をつけて。吊す向きによって表情が変わるのも魅力です。

その2 チューリップとミモザで春のピッチャー

チューリップ、ミモザ

チューリップに、同じ春の花、ミモザのドライフラワーを組み合わせました。束ねてドライフラワーにしたチューリップを、バラバラにしていけ直すのは避けたいので、束のなかから数本だけ長く引き出します。高低差を出すことで動きをつけているのがポイント。チューリップには黄色の品種も加えたので、ミモザの束を添えるだけで全体の色みがまとまって見えます。

その3 チューリップの花びらでポプリ風に

チューリップ

注意していたのに、花がバラバラに崩れてしまった! そんなときもご安心を。こんなふうに、花びらだけをかわいい小皿に盛ってみるのも素敵です。チューリップの花を丸ごとドライフラワーにしたものを、いくつかアクセントとして加えるのもいいですね。香りのいいハーブを混ぜたり、アロマオイルで香りをつけたりすると、よりポプリらしく。

撮影・村瀬雅和 構成と文・高梨奈々

Profile壱岐ゆかり

『ザ・リトル・ショップ・オブ・フラワーズ(THE LITTLE SHOP OF FLOWERS)』主宰。 インテリアショップやファッションプレスなどを経て、2010年に週末だけのフラワーショッ...アーティスト詳細を見る


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