• TOP
  • 記事一覧
  • プリムラの水やり方法。適切なタイミングと頻度で、根腐れを防ぎます

プリムラの水やり方法。適切なタイミングと頻度で、根腐れを防ぎます

プリムラの水やり方法。適切なタイミングと頻度で、根腐れを防ぎます

プリムラは、パンジーやビオラに引けを取らないほどカラフルな色彩が揃うため、真冬の花壇や鉢植え、寄せ植えに欠かせない花です。ここでは、一般的に流通している人気品種、「ジュリアン」、「ポリアンサ」、「マラコイデス」をピックアップ。しっかりと丈夫に育てるための水やりの方法、根腐れを起こさないタイミングと頻度を、NHK『趣味の園芸』などの講師としても活躍する、園芸研究家の矢澤秀成さんにお聞きしました。

1.プリムラを育てる前に知っておきたいこと

プリムラは、サクラに似た花形の山野草、サクラソウの仲間で、別名「セイヨウサクラソウ」とも呼ばれています。秋から春にかけて、色とりどりの愛らしい花を咲かせます。まずは、プリムラの基本情報をおさらいしましょう。

プリムラの基本データ
学名:Primula
科名:サクラソウ科
属名:サクラソウ属
原産地:ヨーロッパからアジアにかけた広範囲
和名:桜草(サクラソウ、またはセイヨウサクラソウ)
英名:Primrose
開花期:11~4月※品種により若干異なる
花色:赤、ピンク、白、黄、オレンジ、青、紫、複色
発芽適温:15~20℃
生育適温:15~20℃

プリムラ(Primula)の語源は「primus」。この言葉には「最初」という意味があります。厳しい冬を乗り越えて、早春にほかの植物よりも早く開花することから、この名前が付いたといわれています。英名ではプリムローズ(primrose)と呼ばれます。

プリムラの原種は、50種以上がヨーロッパからアジアにかけての広い範囲に自生しています。日本にも約20種が自生していますが、実際に観賞用として花壇や鉢植えに利用されているのは、ごくわずかの品種。現在、家庭などで栽培されているプリムラの主な品種は、園芸品種で、ヨーロッパ原種をもとにした「ジュリアン」と「ポリアンサ」、アジア原産の「マラコイデス」、「シネンシス」、「オブコニカ」の5種類です。

2.水やりの方法と、そのタイミング

プリムラの水やりのタイミングは、時間帯でいえば、午前中がベストです。

水やりをする際は、ジョウロであっても散水ホースを使う場合でも、プリムラの花に、直接水がかかるようなやり方は避けます。株元から土中に水を行き渡らせる気持ちで、ゆっくり与えましょう。

プリムラは鉢植え、地植えのどちらでも栽培できますが、それぞれ水やりの頻度は異なります。次の項からは、植えつけ別の水やりを紹介しましょう。

3.鉢で育てている場合の、プリムラの水やり

水やりの頻度

通常は朝のうちに1回、土が乾いているかを確認してから水やりをします。夏になったら、雨天の日以外は、毎日、水やりをしましょう。

水やりのコツ

「土が乾いたら、鉢底穴から水が流れ出てくるまでたっぷりと水やり」が基本です。土の表面だけが濡れた状態だと、根まで水が届きません。ですから、ジョウロなどで水を与えるときは、底から水が流れ出ているかを、しっかり確認してください。

水やりの確認方法

水やりのタイミングを確認するには、指で土を触ってみてください。

プリムラの葉先が萎れたようになっているのも、水切れのサインです。そのような状態のときは、しっかりと水やりをしましょう。

4.地植えの場合の、プリムラの水やり

水やりの頻度

地植え栽培では、自然に降る雨だけで、基本的に水やりは不要です。これは、土の量が鉢に比べて、圧倒的に多く、地中に水分が蓄えられているためです。しかし、極端に雨が降らない日が続いたり、プリムラの葉が萎れてしまうような乾燥した日が続いたりする場合には、土中にしっかりと水がしみ渡るように水やりしてあげましょう。

水やりのコツ

前述したとおり、水やりを行うときは、土の奥、根の先端まで水が届くように、たっぷりと与えます。

水やりの確認方法

極端に雨が降らない日が続いたときなど、プリムラの葉先が萎れたようになっていたら、これは水切れのサインです。しっかり水を与えましょう。

5.水やりは、季節によっても多少変わります

プリムラは品種によって、その育て方、水やり方法が異なります。「ジュリアン」と「ポリアンサ」は同じ方法ですが、「マラコイデス」、「シネンシス」はそれぞれ異なります。「オブコニカ」はほぼ「マラコイデス」と同じ。ここでは、1年を追って、水やり方法と、そのタイミングを見ていきましょう。

「ジュリアン」、「ポリアンサ」の水やり

1~4月
鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いたら、暖かい日の午前中を選んで水をたっぷり与えます。地植えは、晴天が続き、土が乾燥する場合のみ、水を与えます。それ以外は水やりの必要はありません。

5月

夏越し準備を行う季節です。鉢植え、地植えともに水やりは控えめにします。

6月
梅雨の時期に入り、病気やヨトウムシなどの害虫の被害が多くなります。プリムラの健康状態をしっかり見極めることが大切です。この時期は、病気の発生を予防するためにも、水やりを控え、少し乾燥ぎみに管理します。雨が極端に少なく表土が乾いているときは、鉢植え、地植えともにたっぷりと水を与えましょう。

7月
引き続き、やや乾かしぎみに管理します。水やりする場合は、午前中の涼しい時間帯を選んで与えるようにします。

8月
乾かしぎみに管理します。鉢植えの場合、受け皿などに水が溜まっていると、根が水に浸かった状態になり、根腐れの原因になるので注意しましょう。地植えの場合は、午前中の涼しい時間帯にたっぷりと水を与えます。また、高温多湿が続くと、ハダニが発生しやすくなります。これを防ぐために、ときどき霧吹きで葉の裏と表に水をかけるようにしましょう。

9~10月
鉢植え、地植えともに、表土が乾いたら、午前中の涼しい時間帯にたっぷりと水を与えます。

11月
園芸店で新たに購入した株は、早めに植え替えを行います。夏越しを終え、株分けして育てた苗も、ひと回り大きな容器に植え替えを行う時期です。植え替え直後は、水を多めに与えてください。根がしっかり張ったあと、鉢植え、地植えともに、表土が乾いたら、午前中の暖かい時間帯に水やりしましょう。

12月
鉢植えの場合、鉢土の表面が乾いたら、暖かい日の午前中を選んで水をたっぷり与えます。地植えは水やりの必要はありません。晴天が続き、土が乾燥する場合は水を与えましょう。

「マラコイデス」の水やり

1~4月
鉢植えの場合は、鉢土の表面が乾いたら、暖かい日の午前中に水を与えます。冷え込みが厳しくなったら水やりを控え、やや乾かしぎみに管理しましょう。庭植えは、晴天が続き、乾燥する場合は水を与えます。

マラコイデスは4月に入ると、急激に衰え始めます。ほとんどの品種が一年草のため、株が枯れ始めるのを防ぐことはできません。この時期は翌年に向け、種取り作業を行っておきましょう。

6~10月
種をまいたあと、7~10日ほどで発芽します。双葉が現れたら、双葉同志が触れ合わない程度に、少しずつ間引きを行います。

この時期は、水やりの方法も異なります。水を入れた大きめの容器に鉢の底面をつけ、下から吸い上げる方法で行います。上から与える場合は、ホースやジョウロを使うと、種が流れてしまったり、双葉が埋もれたりしてしまうので、霧吹きなどを使いましょう。

11月
園芸店で新たに購入した株は、早めに植え替えを行います。植え替え直後は水を多めに与えましょう。根がしっかり張ったあと、鉢植え、地植えともに、表土が乾いたら、午前中の暖かい時間帯に水やりします。

12月
鉢植えの場合、鉢土の表面が乾いたら、暖かい日の午前中を選んで水をたっぷり与えます。地植えは水やりの必要はありません。晴天が続き、土が乾燥する場合は水を与えましょう。

※「オブコニカ」の水やり方法、タイミングは、「マラコイデス」を参考にしてください。

「シネンシス」の水やり

1~3月
冬季は降雨や降雪があるので、基本的に水やりをする必要はありません。ただし乾燥が続く地方で育てる場合、水やりが必要です。下葉が萎れはじめたら、水を与えるようにしましょう。

4~6月
やや乾かしぎみに管理し、表土が乾いたらたっぷりと水を与えます。

7~9月
引き続き、やや乾かしぎみに管理します。表土が乾いたら、午前中の涼しい時間帯にたっぷりと水を与えます。日中の暑い時間帯に水やりすると、与えた水がお湯に変わり根に障害を与えるので注意しましょう。

10~12月
シネンシスの生育期に入ります。やや乾かしぎみに管理し、表土が乾いたら、たっぷりと水を与えます。植物内では花芽の形成がはじまりますので、水やりを忘れないよう気をつけましょう。

6.プリムラの水やり、注意点が知りたい

水やりの際は、花や葉に直接水をかけると傷がつく恐れがあります。先の細いジョウロを使って、株元に水を与えるようにしてください。花や葉に水をかける際には、霧吹きを使うとよいでしょう。

プリムラは根の張りがいい植物なので、鉢植えの場合、小さな鉢で栽培すると水切れを起こしやすくなります。葉がシワシワになるのは、水切れが原因です。対処が遅れると、葉先が枯れたり、つぼみが開かなくなったりすることがあります。大きめの鉢を使い、土の表面が乾いたら、こまめに水やりするよう心がけましょう。また、水やりの回数が多すぎて、鉢土を常に濡れた状態にしていると、根腐れを起こします。水を与えすぎないよう注意しましょう。

プリムラは比較的育てやすい植物ですが、水やりと同時に、花がら摘みや枯れ葉摘みなどの日々のお手入れ、通気性のよい場所に置く、病気や害虫を防ぐなど、健康状態を常にチェックしておくことが大切です。

構成と文・角山奈保子

監修矢澤秀成

園芸研究家、やざわ花育種株式会社・代表取締役社長


関連記事