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ベゴニアを増やしたい! 最適な時期と方法、注意点を知っておきましょう

記事 2018/09/27
ベゴニアを増やしたい! 最適な時期と方法、注意点を知っておきましょう

日本をふくめて世界中の熱帯・亜熱帯の多くに広く見られるベゴニア。数千もの品種があり、白、赤、ピンク、黄、オレンジ、紫などの花を一年中咲かせます。お気に入りのベゴニアがあれば、増やして楽しんでみませんか? NHK『趣味の園芸』などの講師としても活躍する、園芸研究家の矢澤秀成さんにお聞きしました。

1.ベゴニアを育てる前に知っておきたいこと 

一般的に植物の葉は左右対称が多いものですが、ベゴニアは左右非相称で少しいびつ。そのアンバランスで素朴な形が親しみを感じさせる理由のひとつかもしれません。さらに特徴的なのが、ベゴニアは「雌雄異花」だということ。これは、雄しべのつく雄花と雌しべのつく雌花が別々に咲く性質のことで、ベゴニアはひとつの株に形の違う雄花と雌花がそれぞれ咲きます。通常は、八重咲きのもが雄花、一重咲きのものが雌花です。

ベゴニアの基本データ
学名:Begonia
科名:シュウカイドウ科 
属名:シュウカイドウ属
原産地: 熱帯、亜熱帯(オーストラリアをのぞく)
英名:Begonia
開花期:一年中
花色:ピンク、赤、オレンジ、黄色、白、青、紫
発芽適温:20〜25℃
生育適温:20〜25℃

ベゴニアは花以外にも、色や模様などが多彩な葉の観賞にもファンが多く、初心者にも育てやすい植物です。ベゴニアは種類が多いので、ここでは形の上から大きく、木立性ベゴニア、四季咲きベゴニア、根茎性ベゴニア、球根ベゴニア、エラチオールベゴニアの5つの分類で紹介します。茎が上に伸びるタイプのほか、地面を這うように伸びるつる性タイプもあるので、ハンギング仕立てなどでも華やかに楽しめます。

木立性ベゴニア
茎がまっすぐに立って伸びるベゴニアです。花が美しいもの、葉が美しいものなど多種多様な品種があり、ベゴニアの中でも育てやすく人気のあるタイプです。

四季咲きベゴニア
環境によっては1年を通して花を楽しめるタイプで、センパフローレンスとも呼ばれます。鉢植えのほか花壇の花としても人気があり、その多くが種から育てられます。四季咲きベゴニアは種類の多い木立性ベゴニアの中のひとつのタイプですが、丈夫な性質で人気があり、品種も多いため、独立したタイプとして扱われることが多くなりました。春から秋にかけて小ぶりの花をたくさん咲かせ、こんもりとしたシルエットを作ります。

根茎性ベゴニア
茎が太く、地面を這うようにして成長します。園芸種の種類が最も多いタイプです。よく知られるレックス・ベゴニアは品種が多いため独立して扱われることもありますが、この根茎性に分類されます。花よりも美しい葉を楽しむタイプのベゴニアです

球根ベゴニア
気温が下がると地上部が枯れて、球根で冬を過ごすタイプです。アンデス山脈に自生する6〜7種類の原種を複雑に交配しているため、デリケートで日本の暑さには弱いものが多く、管理がやや難しいタイプです。ベゴニアの中では大きな花を咲かせるところから、最も華やかな種類ともいえます。

エラチオールベゴニア
球根ベゴニアとベコニア ソコトラナとの交配によって誕生したもので、冬に咲く鉢花として人気があり、贈り物などにもよく使われます。暑さにも寒さにも弱く、20℃前後の環境が最適です。

2.植物を増やすには、いくつかの方法があります

ベゴニアの増やし方を説明する前に、植物を増やす方法について知っておきましょう。植物には、稲や豆や野菜のように年間にたくさんの種が取れるものがあります。これらは種を蒔けば簡単にふやせますが、種ができないものや種が少ししかできないもの、種をつくるに時間のかかる植物もあります。そういう植物は、種でなく植物のいち部分を使って増やす方法が用いられます。その中でも挿し木、取り木、接ぎ木、株分け、分球などが代表的なやり方です。

挿し木
植物から切りとった枝など根のついていない部分を土に挿すことで株を増やす方法です。とくに芽を使う場合を「天芽挿し」、葉を使う場合を「葉挿し」と言います。土ではなく水に挿す「水挿し」も挿し木のひとつです。

取り木
植物によっては挿し木ができないものもあり、また挿し木をしてもうまくいかない場合があります。そういう時に行うのが取り木です。幹(茎)に傷をつけたり、樹皮を数センチ程度はいだりして、その部分を水ゴケとビニール袋で包み込みます。こうして幹の途中から根を出させ、根が出たら根の下の部分を切り取り鉢に植えて増やします。

接ぎ木
増やしたい植物の枝を切り取り、ほかの株の切り口と接着させて増やす方法です。増やしたい植物の枝を「穂木」、接着させる株を「台木」、接着させた部分を「接ぎ口」といいます。台木には根のついた株を使い、穂木は台木の根が吸収した水分や栄養分を使って成長します。ほかのやり方に比べると手間がかかり、容易ではありませんが、台木の良い性質を受け継いだり、生長を早くしたりするという利点があります。

株分け
大きく成長した株を、小さく分けて増やす方法です。株分けは植物を増やす目的だけでなく、育ち過ぎて生育しにくくなった場合にも行います。株が大きくなりすぎると、養分の取り合いが起こったり、葉が繁りすぎて光合成が十分にできなくなったりするからです。株分けでは、元の株を「親株」、新しくつくった株を「子株」と呼びます。

分球
普通の草花は花が咲いた後に種ができますが、球根の場合は、元の球根(親球)のまわりに新しい球(子球)ができて増えます。そのままにしておいても増えますが、人が手を加えて球根を増やすこともできます。ベゴニアには球根性のものがありますで、そういったタイプは分球で増やすこともできますが、初心者の場合は失敗も多いため、1年性の花と割り切るほうがよいかもしれません。

3.ベゴニアを増やす最適な方法と時期

ベゴニアを増やすためには、前の章で説明した方法のうち、挿し木が簡単でおすすめです。ベゴニアの種類によって向いている挿し木の方法がありますが、まずは増やすのに最適な時期を確認しましょう。

挿し木の適期

挿し木はほとんどのベゴニアで行うことができます。木立ち性ベゴニアと四季咲きベゴニアは通常の挿し木が向いています。根茎性ベゴニアは、葉を土に挿す葉挿しで増やします。球根ベゴニアとエラチオールベゴニアは、茎の先端の天芽を使った天芽挿しがおすすめです。いずれも4月下旬〜6月中旬頃、9月下旬〜10月上旬頃が挿し木をするのに最適な時期です。

4.知りたい! ベゴニアの増やし方「挿し木」

挿し木には、一般的に挿し穂を土に挿す挿し木のほか、天芽挿しや葉挿しなどがあります。木立ち性ベゴニアと四季咲きベゴニアは通常の挿し木、根茎性ベゴニアは葉挿し、球根ベゴニアとエラチオールベゴニアは天芽挿しが向いています。

準備するもの

・増やしたいベゴニアの株
・用土(バーミキュライト)
・鉢
・園芸用の清潔で良く切れるハサミ
・水を入れた霧吹き

挿し木・天芽挿しの手順

① 元気のある茎を2〜3節つけて切ります。天芽挿しの場合は茎の先端に天芽があるのを確認してください。

② 上部の葉を2〜3枚残し、下葉は取り除きます。上部の葉も大きなものはハサミで半分程度の面積になるようにカットします。

③ 湿らせた清潔なバーミキュライトに挿します。

④ 直射日光の当たらない場所に置き、土が乾いたら水やりします。

1か月ほどで根が出ます。新しい葉が出てきたらビニールポットに鉢上げしましょう。その後は生育するにしたがって植え替えをしていきます。

葉挿しの手順

① 葉柄を2cmほどつけて葉を切り落とします。

② 湿らせた清潔なバーミキュライトに葉柄が埋まるように挿します。

③ 直射日光の当たらない場所に置き、土が乾いたら霧吹きなどで水やりします。

葉挿しをする場合、古い葉は発根しにくいので新しく出てきた若い葉を選ぶようにします。レックス・ベゴニアなど葉が大きな種類は、葉を細かく切って土に挿すと発根しやすくなります。その場合、中心の太い葉脈を土に挿せるよう、V字型に切るようにしましょう。

通常の葉挿しと同じように1か月ほどで根が出ますので、新しい葉が出てきたらビニールポットに鉢上げします。その後は生育するにしたがい植え替えをします。

コツと注意点

挿し木も葉挿しも挿し穂を作るときは、よく切れる清潔なハサミを使いましょう。ハサミが汚れている場合は、水洗いしてから消毒しておくと安心です。熱湯をかける熱湯消毒ならいつでもできます。薬局などで購入できるアルコールをスプレーするアルコール消毒も手軽です。ハサミの刃をライターの火などであぶる方法もあります。

挿し穂は切り口を斜めにすると、切り口の面積が大きくなるので発根しやすくなります。挿し穂の葉は、供給される水分量と蒸散によって失われる水分量のバランスを保つために、少なめにする必要があります。茎の下のほうについている葉は取り除き、残された葉が大きい場合は半分か3分の1程度にカットしておきます。挿し穂の葉が多すぎるとしおれやすく、少なすぎると発根が遅れます。

ベゴニアの増やし方はそれほど難しくありません。ぜひ挑戦してみてください。

構成と文・ブライズヘッド

監修矢澤秀成

園芸研究家、やざわ花育種株式会社・代表取締役社長


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