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キクのおしゃれなアレンジ・飾り方、アイデアまとめ10選

キクのおしゃれなアレンジ・飾り方、アイデアまとめ10選

仏花の印象があったり、お正月花の定番だったり。私たちの暮らしに古くから根づいているキクの花が、最近、ますます進化を遂げています。華やかな大輪のキクを、花屋さんでよく見かけませんか。日本の古典ギクの面影を残しながらも、明るい洋風の趣を漂わせるキクたちが、いまとっても、おしゃれ。その洗練された魅力を生かした素敵な飾り方を、東京・自由が丘にある花のアトリエ『ブーケ・ドゥ』の川守由利子さんと、埼玉・浦和にある花店『ズッキー』の鈴木雅人さんと田中貴花子さんに提案していただきました。

知っておきたい! キクのこと

キクは国内での生産量がもっとも多い花です。農林水産省の平成29年産の統計によると、切り花の全出荷量は約37億400万本で、そのうちキクは約15億400万本。じつに約4割がキクなのです。仏花としてのニーズが、生産量日本一を支えているともいえます。

なかでも一大産地は、愛知県の渥美半島。夜間も電気を照らし続ける、電照栽培が有名です。キクは日照時間が短くなると花芽を作り、花を咲かせる性質をもっています。その性質を利用し、電気で開花調整して、1年を通して出荷ができるようにしているのです。キクの主力品種は、冠婚葬祭に欠かせない、気品ある白い大輪。一方で、シルキーガールやトムピアーズをはじめ、日本の古典ギクを思わせる花形に、ピンクやアプリコット、茶色など、洋花風の花色を取り込んだ魅力的なキクを、いち早く取り入れた産地でもあります。

シルキーガール。甘いアプリコットピンクで、花びらがカールするのが特徴。花径は13~15㎝。

トムピアーズ。花びらの表は朱赤色で、裏側は茶色。シックで艶やかな雰囲気が美しく、人気。花径は15~20㎝。

こうした洋風のキクは、オランダのメーカーなどが作出した品種で、花びらが優雅にカールしたものや、ダリアと見紛うほどの大輪品種が主流です。また、小花ブームに合わせ、10年ほど前からあった極小サイズのキクも見直され始めています。

一方、岐阜県の飛騨地方の産地からは、“1輪で絵になる花、花束の中心になるキク”を合言葉に、「飛騨マム」が出荷されています。従来キクはつぼみで出荷しますが、新しい品種は満開に咲かせて、1輪ずつ丁寧にネットをかけて出荷されています。しかも、高冷地で育てたキクは色も鮮やか。夏から秋に出回っています。

アナスタシアグリーン。ライトグリーンの繊細な花びらがカールする。花径は10~13cm。

花は進化しても、花もちのよさは変わりません。なんとキクの花もちは、2~3週間! 抜群のもちのよさを誇ります。キクをアレンジするときの注意点は、水に浸かる葉は取り除くことです。葉が水に浸かると腐りやすく、バクテリア発生の原因にもなります。また、葉が多いので、蒸れやすいもの。不要な葉もつけ根から取り除くとよいですよ。

水に浸かる葉も余計な葉も、つけ根部分からやさしく手でもぎ取ります。茎に残った凹凸もハサミの先で、丁寧にカットしましょう。

それでは、ファッショナブルに進化したキクを生かした華のあるアレンジで、秋をしっとり美しく満喫しましょう。

キクを、素敵に飾りたい!

華やか&艶やか色の大輪キクを存分に楽しむ

鮮やかな色合いといい、花の大きさといい、女王と呼びたくなるほど、雅な存在感を放つ、キクたち。その美しさを存分に生かしたアレンジを作るための工夫とは…? みなさんなら、どうしますか。奇をてらわずに、よさを引き出すポイントはふたつ。合わせ花材の選び方と、アレンジのスタイルです。色でも大きさでも主張の強いキクを、魅力たっぷりにあしらいましょう。

主役級のランやバラの華やかさも味方にしてゴージャスに!

花材:キク(ロマンチックガール、シルキーガール、エポック、ヘリテージ、ピーチフロマ―ジュ)、コチョウラン、バラ、アストランチア、ビバーナム・ティナス、リキュウソウなど 花・川守由利子

青みを帯びたピンク~アプリコット色まで、5種の大輪キクの共演とは…なんて贅沢! 挑戦的でありながら、繊細なグラデーションは見応え十分です。さらに、気品あるコチョウランやバラまで加わって、盛大な舞踏会が繰り広げられているよう。カールする花びらは翻ったドレスかしら? これだけの華やぎは、錆びた落ち着きのある器だからこそ受け止められるのです。

古い着物柄のように大胆に。和モダンな色使いがおしゃれ

花材:キク(ブラックナイト、グロリア、ココア)バンダ、エケベリア、グリーンネックレスなど 花・ズッキー(鈴木雅人、田中貴花子)

発色のよい赤やピンクのキクに、バンダの紫色をアクセントに添えた、エキゾティックなリース。大輪を生かした大胆なデザインと色合わせは、古い銘仙の着物柄のよう。懐かしくもあり、どこか新鮮です。大輪キクの艶やかさを堪能しましょう。大胆な色と色の間には緑色の多肉植物を使い、しっとりとなじませて。ビーズのようなグリーンネックレスの動きも軽やか。

秋の実りと一緒に。みずみずしさ溢れるもてなしのひと皿です

花材:キク(アナスタシアグリーン、ゼンブラライム、グリーンベリー)、ローズゼラニウム、ローズマリー、アイビー、洋ナシ、イチジク、ブドウなど 花・川守由利子

蛍光グリーンのキクと、ブドウなど秋のフルーツを盛り合わせたアレンジは、おもてなしのメインディッシュにぴったり。グリーン系のキクだけにすることで、果物のフレッシュ感も伝わります。キクのすがすがしい香りと、果実の甘い香りを閉じ込めるように周りをハーブで囲み、ラフィアできゅっと結びました。香りのハーモニーも心地よく、食事も会話も弾みそう。

野の花のようにナチュラルに。秋の風情を味わう

現在では1年中出回っているキクですが、本来は秋に開花する花です。秋の草花はもちろん、色づく実ものや紅葉ともよく似合います。そんな素朴でやさしい秋の景色をアレンジに取り入れて楽しみませんか。ヨーロッパの庭園に並ぶトピアリーみたいなアイデアもユニーク。華やかなのにどこか落ち着きを感じるところも、キクが長く愛されてきた理由かもしれません。

バスケットいっぱいに、風が渡る野原を摘み取りました

花材:キク(シルキーガール、カンナ、シルク)、フランネルフラワー、スモークグラス、ラグラスなど 花・ズッキー(鈴木雅人、田中貴花子)

アプリコット色のシルキーガールに、こくのある赤い色が印象的なカンナ。大輪の華やかなキクも、スモークグラスでふんわり紗をかけると、野の花の風情が浮かび上がってきました。風に揺れるラグラスや乾いた質感も愛らしいフランネルフラワーなど、繊細な草花とたっぷりバスケットにあしらったからこそのナチュラル感! 高低差をつけたラフな雰囲気が素敵です。

オレンジ色に包まれた、深まる秋の気配をしっとりと描いて

花材:キク(ハーベスト、ビーナスオレンジ、ジェニーオレンジなど)、ウィンターコスモス、ツルウメモドキなど 花・川守由利子

紅葉、熟れゆく果実、夕焼け…。すべてがオレンジ色に染まる秋は、どこか寂しくて温かくて。そんな秋の景色と気分を、オレンジ色した大輪のハーベストに託してざっくりと。小花や実もの、そして紅葉が、移りゆく季節を雄弁に物語っています。高く飛ばしたポンポン咲きのキクがなんともリズミカル! しっとりとした秋の情景に、愛らしい動きを添えています。

花びらのカールも軽快な、トピアリー風スタイルが新鮮!

花材:キク(マーブル、トムピアーズ、ハリケーン)、ゼラニウム、ワイヤープランツ 花・ズッキー(鈴木雅人、田中貴花子)

選んだのは、花びらが優雅にカールし、茶系を含んだ個性的な色をもつ3種の大輪キク。花首をきゅっと寄せ、発色のよいゼラニウムの葉を添わせたトピアリー風スタイルは、メリハリの効いた美しいデザインです。キクの無骨な茎を、ゼラニウムで隠し、足元には蔓性のワイヤープランツをまとわせてナチュラルに。キクとゼラニウムの爽やかな香りに癒やされます。

特別な日にもキクはやさしく寄り添い、ハッピーに!

パーティ会場を華やかに演出したり、お呼ばれしたときのアクセサリーに活用したり。キクは、花色も多彩なので、シーンに合わせて印象を変えることが得意。しかもすがすがしい香りを放つので、エレガントさも漂います。会場の雰囲気はもちろん、身につけた人をも、クラスアップしてくれる、頼もしい花です。もっと気軽にいろんな場所や用途でキクを楽しみましょう。

ポンポンと…弾む気持ちが溢れ出す、大人ポップな花束を

花材:キク(ゴールデンピンポンなど)、ジニア、マトリカリア、アルケミラ・モリス、ラグラス、ミント、グリーンネックレスなど 花・川守由利子

満月のように丸く、色鮮やかな黄色いキク、ゴールデンピンポンマムの愛らしいこと。ピンクやオレンジ色の小花やフレッシュグリーンをキュッと合わせた花束は、気取らないお祝いの席にぴったりです。花の間には、ギンガムチェックや水玉のボタンも加わって楽しそう。ワイヤーで脚をつけているからできる演出です。ちりばめたグリーンのジニアが、全体のまとめ役。

グリーンでまとめた大ぶりコサージュでスタイリッシュに

花材:キク(グリーンシャムロック)、ベゴニア 花・ズッキー(鈴木雅人、田中貴花子)

キクは水もちのいい花なので、保水なしのワイヤリングでコサージュが作れるんです。さらに、合わせる花によっては、思いがけないほど洗練された雰囲気に。艶のある繊細なグリーンシャムロックを、インパクトのあるコサージュに仕上げてみませんか。合わせたのは、対照的な質感をもち、模様も個性的なベゴニアの葉。シンプルなのに、この存在感がおしゃれです。

赤紫~ピンクの色グラデーションが小粋なタッセル飾りです

花材:キク(このか、ボンビーニ、ジェニーピンク)、チョコレートコスモス、ユーカリ・ポプラスなど 花・川守由利子

青みがかった濃ピンクのキク、このかと、白地にピンクの縞が入るボンビーニに、赤紫系のポンポン咲き、ジェニーピンクを合わせた、大人の表情が魅力的。上向きに咲くキクを、うつむき加減にして、花顔をしっかり見せているのもポイントです。ラインの美しいチョコレートコスモスとユーカリの枝でふわふわと揺れる姿が美しく、ムードを盛り上げます。

キクのチョーカーで、おめかししてお出かけしませんか?

花材:キク(ジェニーピンクなど)、ユーカリ 花・川守由利子

ポンポンみたいなジェニーピンクは、リボンをあしらってチョーカーに。首元につけると、光沢のあるピンク色が顔周りを明るくしてくれます。手首に巻いたり、束ねた髪に飾ったりしても…ドレスアップしてくれること、間違いなしです。作り方は簡単で、花の下のふくらんだ部分と短くしたユーカリの枝を、針と糸を使ってリボンに縫いつけていくだけでOK。

花・川守由利子、ズッキー(鈴木雅人、田中貴花子) 撮影・中込孝嘉 構成と文・山本裕美


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