• TOP
  • 記事一覧
  • チューリップのおしゃれな生け方・飾り方。 フラワーアレンジで長もちさせるコツ

チューリップのおしゃれな生け方・飾り方。 フラワーアレンジで長もちさせるコツ

チューリップのおしゃれな生け方・飾り方。 フラワーアレンジで長もちさせるコツ

春の花の代表ともいえる、チューリップ。コロンとしたかわいい卵形の花が、庭の花壇で風に揺れ、花屋さんの店先にずらりと並ぶ姿を目にすると、誰でも心が躍ります。ピンク、赤、黄、紫と色の種類が豊富なうえ、花びらが細く尖ったユリ咲きや、オウムの羽根に似た切れ込みが入るパロット咲きなど、さまざま咲き方があります。切り花は、晩秋から春まで絶え間なく出回るのも魅力です。 そんなチューリップの生け方や飾り方について、東京・原宿の花店『ザ・リトル・ショップ・オブ・フラワーズ(THE LITTLE SHOP OF FLOWERS)』の壱岐ゆかりさんに、アドバイスをいただきました。

1.チューリップは多彩。7つの種類があります

前述したように、チューリップには、いろいろな咲き方があります。それぞれの特徴は比較的わかりやすいので、花屋さんで見かけたら、ぜひチェックしてみてください。

ひと重咲き

花びら6枚の基本形。丸い花形が親しみやすい、もっともポピュラーな咲き方です。品種数もさまざま。

八重咲き

おしべが花弁化して、花びらの枚数が増えたもの。開き切ると、シャクヤクのようで、存在感は格別です。

ユリ咲き

尖った細長い花びらが、外側に反るように開く姿がユリに似ています。茎が細く、しなやかな印象です。

パロット咲き

切れ込みの入る花びらが、オウム(parrot)の羽根に似ていることから。波打つ花びらがドラマティックです。

フリンジ咲き

花びらの先に、フリルのような細かい切れ込みが入るのが特徴です。ひと重のほか、八重もあります。

原種系

小さくて素朴です。さまざまな品種の親となった原種をはじめ、原種系の中からいくつかが切り花として流通。

クラウン咲き

比較的新しく出てきた咲き方。花びらの先がつぼむ、独特な花形が王冠に似ていることから、こう呼ばれます。

2.チューリップを美しく飾るために、準備したいこと

チューリップを購入して飾るのだから、なるべく花を長もちさせたい! しかし、いけるときにどれほど気を配っても、もともと鮮度の落ちている花を買ってきてしまっては、長もちをさせることはできません。まずは、花屋さんで鮮度のいいチューリップを選ぶことが、花を長く楽しむためのはじめの一歩です。

長もちするチューリップを見極めるには…

鮮度のいいチューリップは、花びらや葉がピンと張っていて、しわがありません。花色がくっきりしているうえ、茎は硬くて勢いがあり、きれいな緑色をしています。特に注目したいのは葉です。新しい花についている葉は、先が尖って、張りと艶があります。

チューリップが長もちするための準備「水切り」

新鮮なチューリップを買ってきたら、いける前にひと手間かけて下準備をしましょう。花が水をよく吸い上げて、みずみずしい状態が続くように、不要な葉を整理し、茎を「水切り」するのです。

水切りとは、名前のとおり、水の中で茎をカットすることです。植物の茎には、水の通り道である導管があります。水の中で茎を切ると、この導管内に空気が入らないため、水がスムーズに通るのです。つまり、茎先から入った水が、花までしっかり上がる、というわけです。水切りはまた、切り口の乾燥を防ぐことができます。

水切りの方法は簡単です。大きめのボウルや器に水をたっぷり入れます。その中に茎を入れて、ハサミで茎先をカットするだけ。カットする分量は、自分がいけたい長さによりますが、最低でも1~2㎝は切りましょう。このとき、切ってすぐ茎を水からあげないことがポイントです。短くても5分、できればそのまま1時間以上、茎を水につけておくと、水圧でより水が上がります。

3.チューリップを飾るときに、必要なアイテムってあるの?

花をいけるとき、多くの人は「花瓶がないとダメ!」と思うようです。花束をいただいたのはいいけれど、花瓶がなくて困った、という話もよく聞きます。実際は、“水が漏れない器”さえあれば、花瓶がなくても花はいけられるのです。たとえば、どの家のキッチンにもあるガラスのコップ。これと花を切るハサミさえあれば、花を飾ることができます。

ハサミだけは必ず、花切りバサミを用意してください。普通のハサミで花の茎を切ると、前述した水の通り道である“導管”が、つぶれてしまう可能性が大だからです。こうした理由から、花の茎をつぶさずにカットできるよう工夫された、花切りバサミが必要になります。花切りバサミを使っても、切れ味が悪かったり汚れていたりしたのでは、花のもちが悪くなるので注意しましょう。花切りバサミは使うたびに洗って汚れを落とし、しっかり水分を拭いておきます。

4.チューリップをより美しく飾りたい。そのコツを教えて

チューリップの魅力のひとつは、長くてしなやかな茎。きれいな緑色をした、艶やかな茎の美しさを存分に見せたいので、茎はできるだけ長めにカットするといいですね。アレンジする前に、切りすぎてしまわないように注意しましょう。そうすると、日が経つにつれて光の方向に曲がっていく、茎のおもしろさも生きてきます。

飾るときは、あまり茎を短くしないほうが素敵です

チューリップの場合、茎を長く取っていけると、花ガ魅力的に見えてきます。というのも、チューリップは花が下向きに垂れる姿が愛らしいからです。まあるい花がお辞儀をしているような花姿を演出するには、やはり茎が長めのほうがよいのです。

チューリップを素敵に飾るためのワンポイントアドバイス

チューリップは、かわいらしい形だけに、ともすると子どもっぽい印象になりがち。合わせる花に、ちょっとくすんだ同系色のものを選んでみてください。チューリップを引き立てるよう、抑えた色みの花を添えると大人っぽく見えます。

5.チューリップを飾るときの注意点は、葉にあります

花を長くもたせることだけを考えると、葉ははずしたほうがいいでしょう。チューリップに限らず、水に浸かった葉はすぐに腐ってきますし、葉が多いと無駄に水分が蒸発してしまうからです。ただ、チューリップは、葉の色形が美しいので、「しゅっとした葉が好き! あの葉があってこそチューリップよ」という葉っぱファンもいます。葉も一緒に楽しみたいときは、水に浸かる下のほうの葉をはずし、上の葉を1枚残しましょう。あるいは購入して1~2日は葉をつけたまま飾り、そのあとははずす、という飾り方でもよいかもしれません。

また、花を飾る場所には注意が必要です。直射日光が当たるところ、エアコンの風が直接当たるところは避けてください。涼しくて風通しのいい場所に飾るのがベターです。

6.チューリップを長もちさせるには、こんな方法を

花を長もちさせる基本は、毎日の水替えと切り戻しです。器の水は毎日替えて、茎先のぬめりを流水で洗い落とします。ついでに菌が繁殖しないよう、器の中も洗剤をつけたスポンジで洗っておきましょう。もういちど器に、チューリップをいけ直す前に、2の準備の項で紹介した水切りをします。水を替えるたびに茎先を1~2cm切ると、新しい導管の断面が水に接することになり、水が上がりやすくなります。

チューリップに元気がないときは「湯あげ」が効果的

チューリップに元気がなくなってきたなと感じたら、「湯あげ」をしましょう。湯あげとは、茎の切り口をお湯につける方法です。水切りのあと、切った茎をいちど、お湯につけるほうが、よく水が上がります。温度の高いお湯につけることによって、茎の導管内の空気が膨張し、追い出されるのです。つまり、導管の水の通りがよくなる、というわけです。お湯につけたあと、すぐまた、その茎を水に入れることで水圧をかけ、通りのよくなった導管を通じて一気に水を花まであげる、という効果があります。さらにいうと、お湯という高温の液体にさらすことで、切り口の殺菌にもなるのです。

湯あげの方法は、茎先を10cmほど出して、花と茎をペーパーで包みます。これは花にお湯の熱気がかからないようにするため。ペーパーはなるべくきっちりとすき間なく巻いて、セロハンテープで留めてください。このまま茎先3~4cmほどを、熱湯に10~20秒ほど浸し、すぐにたっぷりの水につけます。できれば1時間ほど茎を水につけたままにしておくと、さらに効果的です。

7.手軽に気軽にフラワーアレンジ。チューリップの飾り方アイデア

ここまでに挙げた準備や注意点をしっかり押さえたら、実際にチューリップをアレンジしてみましょう。紹介するのは、誰にでも簡単にまねができて、絶対に失敗しないシンプルな3つのスタイルです。この3つの基本スタイルさえマスターすれば、チューリップのアレンジは完璧! それぞれのスタイルについて、ワンランク上に見えるコツも解説しているので、参考にしながらぜひ、自分らしいスタイルにチャレンジしてみて。

その1 チューリップだけの1種アレンジ

花材:チューリップ

同じ種類の花同士なら、どんな色を組み合わせてもきれいにまとまります。チューリップだけを数種類あしらって、その多彩な色柄をとことん楽しみましょう。コツは花の高さを変えること。こんなふうに1輪だけつぼみを使って極端に高さを出すと、アレンジに広がりと躍動感が生まれます。カラフルな柄のチューリップには、白を1輪加えると落ち着きますよ。

その2 チューリップと同じ季節の花で春爛漫

花材:チューリップ、スイートピー

全体を同系色でまとめれば、どんな花を合わせても、アレンジはきれいに調和します。特に相性がいいのは、同じ季節に咲く花。ここではチューリップと同じ春の花、スイートピーを選びました。素敵に見えるコツは、形の違う花を合わせること。チューリップと同じ丸い花ではなく、フリルのようにひらひらしたスイートピーを合わせたほうが、お互いの個性が引き立ちます。

その3 咲ききったチューリップ1輪の風情を愛でる

花材:チューリップ

チューリップはすぐに花が、わっと開いてしまうから、あまりもたないのよね…そんなふうに思っていませんか? 花びらが反り返るほど開ききり、花芯が見えるチューリップには、丸くつぼんでいるときとは違う造形的なおもしろさがあります。1輪だけポンとマグカップに入れてじっくり眺めると、チューリップの新しい魅力に気がつくはず。その際のコツは、丈を短くすること。茎が短いほうが花もちはよくなるので、思いきって茎を短くすると、開ききってから花びらが落ちる寸前までの風情が楽しめます。

撮影・村瀬雅和 構成と文・高梨奈々

Profile壱岐ゆかり

『ザ・リトル・ショップ・オブ・フラワーズ(THE LITTLE SHOP OF FLOWERS)』主宰。 インテリアショップやファッションプレスなどを経て、2010年に週末だけのフラワーショッ...アーティスト詳細を見る


関連記事