• TOP
  • 記事一覧
  • ベゴニアの水やり方法。適切なタイミングと頻度で、根腐れを防ぎます

ベゴニアの水やり方法。適切なタイミングと頻度で、根腐れを防ぎます

記事 2018/05/12
ベゴニアの水やり方法。適切なタイミングと頻度で、根腐れを防ぎます

多彩な花や葉が楽しめるベゴニアは、世界中で愛されている植物のひとつ。通常、植物の葉は左右対称が多いものですが、ベゴニアは左右非対称で少しいびつ。そのアンバランスで素朴な形が親しみを感じさせるのかもしれません。ベゴニアは空中湿度を好みますが、用土が多湿になってしまうのは苦手な植物です。ベゴニアの適切な水やりの方法について、NHK『趣味の園芸』などの講師としても活躍する、園芸研究家の矢澤秀成さんにお聞きしました。

1.ベゴニアを育てる前に知っておきたいこと 

葉が左右非対称なのはベゴニアの特徴のひとつですが、もうひとつ特徴的なのは「雌雄異花」ということ。これは、雄しべのつく雄花と雌しべのつく雌花が別々に咲く性質のことで、ベゴニアはひとつの株に形の違う雄花と雌花がそれぞれ咲きます。通常は、八重咲きのもが雄花、一重咲きのものが雌花です。

ベゴニアの基本データ
学名:Begonia
科名:シュウカイドウ科 
属名:シュウカイドウ属
原産地: 熱帯、亜熱帯(オーストラリアをのぞく)
英名:Begonia
開花期:一年中
花色:ピンク、赤、オレンジ、黄色、白、青、紫
発芽適温:20〜25℃
生育適温:18〜20℃

ベゴニアは初心者にも育てやすい植物ですが、タイプによって育て方のポイントが少しずつ異なります。見た目や性質からさまざまな分類方法でわけられることがありますが、ここでは、木立性ベゴニア、四季咲きベゴニア、根茎性ベゴニア、球根ベゴニア、エラチオールベゴニアの5つの分類で紹介します。

木立性ベゴニア
茎がまっすぐに立って伸びるベゴニアです。花が美しいもの、葉が美しいものなど多種多様な品種があり、ベゴニアの中でも育てやすく人気のあるタイプです。

四季咲きベゴニア
環境によっては1年を通して花を楽しめるタイプです。センパフローレンスは街の花壇などでよく見かける系統です。鉢植えのほか花壇の花としても人気があり、その多くが種から育てられます。春から秋にかけて小ぶりの花をたくさん咲かせ、こんもりとしたシルエットを作ります。

根茎性ベゴニア
茎が太く、地面をはうようにして成長します。園芸種の種類が最も多いタイプです。よく知られるレックス・ベゴニアはこの根茎性に分類されます。花よりも美しい葉を楽しむタイプのベゴニアです

球根ベゴニア
気温が下がると地上部が枯れて、球根で冬を過ごすタイプです。アンデス山脈に自生する6〜7種類の原種を複雑に交配しているため、デリケートで日本の暑さには弱いものが多く、管理がやや難しいタイプです。ベゴニアの中では大きな花を咲かせるところから、最も華やかな種類ともいえます。

エラチオールベゴニア
球根ベゴニアの交配で誕生したもので、冬に咲く鉢花として人気があり、贈り物などにもよく使われます。暑さにも寒さにも弱く、20℃前後の環境が最適です。

2.水やりの方法とそのタイミング

植物は動物のように動くことはなく、ほぼひとつの場所にとどまり、土から水分や養分を吸収しています。特に人が育てる植物は自然の中にあるものと違いますので、水やりなどのタイミングや方法が間違っていると植物をダメにしてしまうことがあります。

植物の種類にもよりますが、鉢植えなら「土の表面が乾いた時」が一般的な水やりの目安となります。ベゴニアも同様で、鉢植えの場合は土の表面が乾いたら水やりのタイミングです。土が湿ったままで水やりをすると、根がつねに水に浸かった状態で、いわゆる溺れているのと同じ状況です。溺れていると酸素を得ることができず、根が腐ってしまいます。

地植えの場合は、基本的に水やりの必要はありません。ただし、状況に応じて水やりすることもあります。長期間、雨が降らず日照が多い日が続けば地面の水分も不足してきます。植物も水が行き渡らなければしおれてきますから、そんな時は水やりが必要です。

水やりは午前中に

水やりは朝に行うのが原則です。植物は気温が上がる日中に、体内から水分を発散させる蒸散を盛んに行うため、体内に取り込む水分も必要となるのです。夕方以降は蒸散が少なくなり、夕方以降に水やりをすると、水分を溜め込みすぎて軟弱な株になってしまいます。

水をやるときは、株元にたっぷり与えましょう。花に水がかからないように、ジョウロなどで静かに注ぎます。土の表面だけが濡れる程度では、かえって植物を弱らせてしまいますので、鉢植えなら、鉢底から水がたっぷり流れ出るくらいにします。そうすることで、根に新しい水分と酸素を供給できます。

ベゴニアは、鉢植え、地植えのどちらでも栽培できますが、それぞれの水やりの頻度は異なります。次の項からは、植えつけ別の水やりを紹介しましょう。

3.鉢で育てている場合のベゴニアの水やり

水やりの頻度

ベゴニアは湿度を好みますが、土が過度に湿っているのはよくありません。生育期の鉢植えは、鉢土の表面が乾いている時が水やりのタイミングです。ただ、根茎性ベゴニアの場合はもう少し乾き気味でもかまいません。鉢土全体が乾いてから水やりをしましょう。水やりをする時は、通常は気温が上がり始める前の朝1回だけですが、夏は朝に水やりをしてもすぐに土が乾いてしまいます。その場合は夕方にもう1回行います。

水やりのコツ

ベゴニアの鉢土が乾いていたら、鉢底から水が流れ出るほどたっぷりと水やりをしましょう。鉢皿にたまった水は捨てておきます。ベゴニアの水やりのコツは、花に水がかからないようにすることです。

さらに、エラチオールベゴニアの場合は、花だけでなく葉にも水は厳禁です。水やりの時は、土が見えるように根元を手で軽くおさえるようにして、土に直接水を与えるようにしましょう。エラチオールベゴニアは、鉢皿に水を貯めて下から水を吸収させる「底面給水」での水やりもおすすめです。鉢皿の水がなくなったら水を加えますが、夏場は水が傷みやすいので水を毎日交換しましょう。

水やりの確認方法

天気や気温などで土の乾き具合は変わります。鉢土の表面が白っぽく乾いていたら水やりのタイミングです。根茎性ベゴニアはもう少し乾き気味がよいので、土に割りばしなどを指して奥のほうの土の湿り具合をチェックするとよいでしょう。

4.地植えの場合のベゴニアの水やり

水やりの頻度

ベゴニアもそうですが、地植えをした植物はしっかりと根を張れば、水やりはしなくてよくなります。ただし、気温の高い夏などで、雨が長い間降らず日照が多い時期が続くと土内の水分も減ってきます。そのような気候の場合は、植物の状態を観察し、しおれ気味になっていたら水やりを行います。

また、ベゴニアを庭に植えつけしたばかりのときは、根が活着するまでは水やりが必要です。植えつけ時にたっぷりと水をやり、そのあとは土の表面が白っぽくなったら水やりをしましょう。根が伸びてくると地上に出ている部分が成長してきますので、そうなったら通常の管理で大丈夫です。

水やりのコツ

庭の水やりは、ハス口をつけたジョウロやホースが便利です。泥はねが起きないように静かに行いましょう。1か所に水が溜まってしまったり、土が流れてしまったりしないように注意します。時間は早朝がベストです。気温が上がらないうちに行いましょう。鉢植え同様、花が咲いている時は花には水をかけないようにするのがポイントです。エラチオールベゴニアは葉にもかからないように注意します。ベゴニアは高温が苦手なので、気温が30℃を超えるような時期は、周囲の地面への打ち水もしておくとよいでしょう。

水やりの確認方法

地面の土が白っぽく乾いていて、ベゴニア全体がしおれている感じの時は水分不足ですので、水やりを行います。

5.水やりは季節によっても多少変わります

水やりの具合は、天候のほか、植物の生育状態や季節で多少変わります。そこで、この項目では季節ごとの違いを見ていきましょう。

春・秋

5〜10月の生育期は、ベゴニアの鉢土の表面が乾いたら水やりのタイミングです。水は鉢底から流れるくらいたっぷりと与えます。10月下旬ごろから少しずつ乾かし気味に管理します。

夏は土が乾燥しやすいので朝夕の2回行います。気温が30℃を超えるような時期は、鉢の周辺や地面への打ち水もしておくとよいでしょう。絶対に避けたいのは日中の水やりです。ホース内に残った水や汲み置きした水がぬるま湯になっていたりしますから、それを誤ってかけてしまう危険があります。冷たい水の場合は、植物の温度との差が大きいため植物にとってストレスになってしまいます。また、水滴がレンズの働きをして葉焼けを起こす原因にもなります。

冬は水やりを控えめにします。鉢土が乾いてから数日後でかまいません。ベゴニアは冷たい水を嫌うので、冬季は暖かい室内で汲み置きした水を使うように心掛けましょう。また、水やりをする時は、天気がよく暖かい日を選び、気温が上がる日中に行います。球根ベゴニアの場合は、地上部が枯れ始めたら水やりを控えめにし、完全に枯れた後は水を与えないようにします。

6.ベゴニアの水やりの、注意点が知りたい

鉢植えの場合の注意点

水やりによって根腐れを起こさないようにするには、土が湿っている状態で水やりをしないことです。土がつねに湿っている時に水やりをすると、土内の水分が過剰になり、根が呼吸ができず根腐れを起こすことにもなります。根の呼吸のためには土が乾いているときと湿っている状態が交互にくることが大切です。

またベゴニアは、花に水がかからないようにすることも大切です。エラチオールベゴニアは葉にもかからないように注意します。

地植えの場合の注意点

地植えは、雨が降らず酷暑が続く時以外は、基本的に水やりを必要としません。地面がそれほど乾いていないのに頻繁に水やりをしていると、根腐れを起こす原因となります。

水やりは植物に欠かせない作業です。水切れや根腐れに気をつけて、元気で色鮮やかなブーゲンビリアを育てていきましょう。

構成と文・ブライズヘッド

監修矢澤秀成

園芸研究家、やざわ花育種株式会社・代表取締役社長


関連記事