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ブルーベリーの種類・品種ごとの特徴と違いの見分け方は?

記事 2018/11/15
ブルーベリーの種類・品種ごとの特徴と違いの見分け方は?

樹高も高くならず、家庭で育てる果樹としては育てやすく人気があるブルーベリー。春から初夏に白色で鐘型の可憐な花を咲かせます。品種によってはピンク色の花のものもあります。夏にはたわわに実をつけ、秋には美しく紅葉します。まずは、ハイブッシュ系とラビットアイ系の2つのタイプを詳しく説明します。監修・三輪正幸(千葉大学環境健康フィールド科学センター助教)

1.ブルーベリーってどんな植物?

ブルーベリーは、初心者にも育てやすい果樹のひとつで、現在では100以上の品種があります。その品種ごとの違いや特徴を知るために、まずはブルーベリーの基本情報を学んでおきましょう。

ブルーベリーの基本データ
学名:Vaccinium spp.
科名:ツツジ科
属名:スノキ属
原産地:北アメリカ
和名:ブルーベリー、ヌマスノキ、アメリカスノキ
英名:blueberry
開花期:4〜5月
花色:白、ピンク
時期:落葉期(関東以西では11〜3月、寒冷地では2月下旬〜3月中旬)
収穫植え付け期:6〜9月
耐寒気温:−20〜−10℃

2.ブルーベリーの原種ってどんな植物?

ブルーベリーのルーツは北アメリカにあり

ブルーベリーはツツジ科スノキ属の植物で、近縁の野生種は北半球に広く自生しています。欧米では古くから野生のブルーベリーの仲間を摘んで食用としていました。日本に自生するクロマメノキ、ナツハゼなどもブルーベリーの近縁種です。現在栽培されている多くの品種は、北アメリカに自生する野生種から品種改良されたものがルーツになっています。

2つのグループのルーツ

ブルーベリーの栽培品種は、ハイブッシュとラビットアイという2つのグループに大別されます。ハイブッシュ系のルーツは北アメリカ東岸のジョージア州からメーン州にかけてとミシガン州の一部に野生するもので、やや冷涼な気候を好み、強い酸性の土壌を好みます。果実の品質がよく、生食にも向いています。ラビットアイ系のルーツはジョージア州周辺に野生するもので、温暖な地域や土壌酸性度がそれほど高くない場所でも育ち、ハイブッシュ系に比べると育てやすいのが特徴です。これらの北アメリカにルーツを持つブルーベリーは、ドイツやオーストリアなどに持ちこまれて栽培され、日本に導入されました

日本に自生するブルーベリーの仲間

日本にもブルーベリーと近縁の野生種がいくつかあります。そのひとつクロマメノキは北海道や、中部地方より北の火山性高原に自生しています。樹高は30〜80cmで、夏の初めに、わずかに赤味を帯びた白色で小さなつぼ状の花を吊り下げるようにつけます。秋には8mm前後で球形をした黒紫色の果実が実り、食用となります。アサマブドウ、シラネブドウとよばれるものはこのクロマメノキの地方名です。

クロマメノキ

3.ブルーベリーの種類、品種の特徴や選び方は?

ハイブッシュ系とラビットアイ系に分けられる

現在、日本で栽培種として流通しているブルーベリーの品種は100種類を超えます。それらの品種はハイブッシュ系とラビットアイ系の2つの系統に大きく分類することができます。

ノーザンハイブッシュとサザンハイブッシュの特徴
ハイブッシュ系のブルーベリーは、さらにノーザンハイブッシュとサザンンハイブッシュに分けられます。ノーザンハイブッシュ系は寒さに強い反面、暑さにはやや弱く、冷涼地や高冷地での栽培に適しています。同じハイブッシュでもサザンハイブッシュ系はやや寒さに弱い傾向にあります。

ラビットアイ系の特徴
ラビットアイ系のブルーベリーは果実が熟す前に、白色の飼いウサギの目のような美しいピンク色に色づくため名付けられました。樹勢が強く成長も速いのですが、耐寒性はやや低く、東北以北の寒冷な気候の地域での栽培にはあまり向いていません。育てる地域の気候に合わせて品種を選ぶようにしましょう。

4.ブルーベリーの種類、品種によって育て方に違いはあるの?

基本的な育て方は同じ

耐寒性の違いや受粉の特性の違いなどはありますが、ブルーベリーの基本的な育て方は、ハイブッシュ系もラビットアイ系もほとんど同じと考えてよいでしょう。ただし、収穫時期が若干変わります。

受粉樹として同じ系統の別品種も育てる
果実を実らせるためには受粉が必要となりますが、ラビットアイ系の品種のブルーベリーは、自分自身の花粉では受粉しにくいという性質があります。そのため、同じラビットアイ系で別の品種を一緒に植え付けることで受粉がうまく行われ、果実を収穫できるようになります。ハイブッシュ系のブルーベリーは1本でも結実する品種もありますが、やはり同じハイブッシュ系で異なる品種を一緒に植えることで、より実付きがよくなり、大きな果実が実るようになります。ラビットアイ系、ハイブッシュ系どちらも受粉は虫媒(虫が花粉を運ぶ)によって行われますが、なるべく近くに鉢を置いたり植え付けたりすることで、より実付きがよくなります。

プランターで育てる準備

プランターで育てる場合、植物の生育は植え付けたプランターの大きさで決まります。コンパクトに育てたいときは小さなプランターで、ある程度の大きさに育てたい場合は大きなプランターを選ぶようにします。基本は苗木の根鉢の大きさより一回りほど大きなプランター、具体的には7〜10号程度(21〜30cm)のものを用意するとよいでしょう。あまり大きなものを使うと、移動や植え替えなどの作業時に負担が大きくなります。プランターの材質にはさまざまなものがあります。安価で軽く扱いやすいのはプラスチック製ですが、通気性や水はけといった植物の生育を考えると素焼き鉢が向いているといえます。なお、形や色のバリエーションに飛んだグラスファイバー製のものもあります。

庭植えで育てる準備

日光を好むので、日あたりのよい場所に植え付けるようにします。植え付け前には酸度調整していないピートモスなどで土のpHを調整することが大切です。

植え付けは落葉期に行う

ブルーベリーの苗木の植え付けは11〜3月の落葉期に行いますが、寒さの厳しい時期は避けなければならないため、温暖な地域であれば11〜12月、寒冷地では2〜3月中旬が適しています。

植え替えは11月、あるいは3月に

鉢増し・鉢替えといった植え替えは、厳寒期を避け、休眠期に入った11月、あるいは暖かくなり始めた3月に行うようにします。

酸性の土に植え付けることが大切

植物の栽培では、水はけと水もちがよい土を作ることが大切だといわれます。さらに多くの植物ではpH6.5程度の弱酸性の土を好みます。ブルーベリーも水はけと水もちのよい土が適しているのは同様ですが、pHに限ってみると、やや酸性の強い、pH5.0前後の土でよく育ちます。中性や弱酸性の土ではよく育たないどころか枯れてしまうこともあります。

プランターの土作り

プランターではブルーベリー用に調整された培養土が市販されていますので、それをそのまま利用します。ブルーベリーの土はあらかじめpHが酸性に調整されていて、そのまま用いることができます。もしブルーベリー用の土が入手できない場合は、野菜用の土として市販されている土にpH無調整のピートモスを同量混ぜて用いるようにします。

ピートモスの使い方と特徴
ピートモスは水を入れたバケツなどであらかじめ十分に湿らせておきましょう。ピートモスはミズゴケなどが堆積して腐食したものから泥の部分を取り除き、粉砕・乾燥させたもので、酸性が強く、アルカリ性の土を中性あるいは弱酸性にする調整用土として用いられます。ブルーベリーの栽培ではこのピートモスを栽培用土にたっぷりと混ぜることで、ブルーベリーの生育に適した酸性の土を作るために用います。ここで注意しなくてはいけないのは、市販されているピートモスには、石灰などアルカリ性の資材を混ぜてpHを調整したものがあることです。pH調整済みのピートモスでは土を酸性にすることはできないので、ブルーベリーを育てる土を作るときには、必ずpH無調整のピートモスを用いるようにしなくてはいけません。

庭植えの土作り

庭植えにする場合は庭土に直接植え付けるのではなく、pHを調整していないピートモスを混ぜて、土を酸性にしてから植え付けなくてはなりません。市販のピートモスは乾燥したものが売られています。乾燥したピートモスは水をはじいてよく混ざらないため、あらかじめ水を入れたバケツなどで水をたっぷり含ませておく必要があります。

元肥・追肥に加え、収穫後にお礼肥を施す

庭植え、プランター栽培ともに、2月中旬〜3月中旬に元肥、初夏に追肥、9月には収穫で使った養分を補給するためのお礼肥を施します。元肥には化成肥料に加えてたっぷりと堆肥など有機質肥料を施します。追肥やお礼肥には速効性の化成肥料でよいでしょう。

収穫に適した時期と方法

ブルーベリーの収穫時期は、ハイブッシュ系で6~7月、ラビットアイ系で7~8月くらいです。収穫の目安は、果実が完熟して全体が青紫色になったら行います。方法は果実をつまんで、まっすぐに引き抜きます。横向きに引き抜くと、果実に傷がついて傷みやすくなることもあるので注意しましょう。

5.人気のあるブルーベリーの種類、品種を知りたい

現在、100品種以上のブルーベリーが出回っていますが、やはり果実が大きく、そしておいしい品種に人気が集まるようです。以下に育てやすく入手しやすい品種をいくつかピックアップしてみました。

ハイブッシュ系

ノーザンハイブッシュ(耐寒気温 −20℃)
・ブルーチップ:やや甘みが少なく淡白だが、大きな果実を収穫できる。
・デューク:早生で果実が大きい。自家受粉しやすい。
・ウェイマウス:果実は大きく甘く、生食に向いている。

サザンハイブッシュ(耐寒気温 −10℃)
・オニール:果肉がしっかりとしていて甘みが強い。
・サンシャインブルー:赤いつぼみでピンク色の花をつける。果実は小さいがたくさん実る。

ラビットアイ系

耐寒気温−10℃
・ブライトウェル:晩生品種で、果実は柔らかく甘みが強い。
・ティフブルー:果実をたくさん付けるが、よく熟さない果実は酸味が強い。
・ホームベル:代表的なラビットアイ系品種。果実は小〜中粒で甘みが強い。

構成と文・童夢

監修三輪正幸


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