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ラベンダーの、上手な押し花の作り方と飾り方アイデア

記事 2019/07/08
ラベンダーの、上手な押し花の作り方と飾り方アイデア

ラベンダーの押し花にトライしてみたいあなたへ。最大限、その美しさを引き出すには、採取する日のお天気や押すときの下処理など、抑えるべきポイントがいくつかあります。ここでは、「押し花シート」を使う方法で、はじめてでも失敗のない押し花の作り方を説明します。教えてくれたのは、花を使った手作りに定評のある花のアトリエ『サブリナ』主宰の田辺ゆりさん。押し花を使ったおしゃれなアイデアも見逃せません!

1.押し花に向いているラベンダーのタイプは?

はじめての人でも、簡単にドライフラワーにできるラベンダーは、押し花にも最適な花です。そう、バラなどのほかの花にくらべ、もともともっている水分が少ない花だからです。

種類を問わず、どのラベンダーでも押し花にできます。

参考までに、ラベンダーの種類をはじめにご紹介しておきましょう。おもな系統はこの4タイプ。花の様子や香りの強さ、花が咲く時期はそれぞれに異なります。押し花にする際の基礎知識として覚えておいてください。

ストエカス系ラベンダー
開花は4月上旬から6月上旬。代表的なのは「フレンチラベンダー」です。ウサギの耳のように、ぴょんと立った“花びら”が特徴。この花びらに見えるものは、じつは花穂を守るために葉が変異したもので、苞葉(ほうよう)と呼ばれます。苞葉は4枚。香りは微香です。なお、フレンチラベンダーは厚みがあるため、押し花にする前に少し手を加えます。あとで説明しますね。

アングスティフォリア系ラベンダー
開花は5月上旬から6月上旬。この系統に含まれる品種でもっともよく知られるのは「イングリッシュラベンダー」です。別名をコモンラベンダー(真正ラベンダー)と呼ばれる種類で、精油にも使われるほど、ラベンダーの中ではもっとも強く、芳しい香りをもっています。押し花にしてからも香りが残りやすいのは、このイングリッシュラベンダーです。

ラバンディン系ラベンダー
開花は6月下旬から8月上旬。大株に育ち、長く伸びた花茎に、たくさんの花が固まってつくのが特徴です。香りは濃厚。野趣あふれる香りです。代表的な品種は「ラベンダー グロッソ」です。茎がとにかく長いので、必要な長さにカットして使います。

プテロストエカス系ラベンダー
上手に育てると、開花は周年。ほかの系統のラベンダーは1本の茎に花穂がひとつ。この系統は、茎が3つに分かれて花穂がつくという特徴が。切り花でいうところのスプレータイプですね。数本でもボリュームを出しやすい種類で、代表的な品種は、葉がこまかく切れ込む「レースラベンダー」。花色は、淡く、やさしい紫色をしていて、花の先端に花冠(かかん)というとんがった部分があるのも特徴です。香りは微香。レースラベンダーも花穂に厚みがあるため、押し花にする前に少し加工します。

2.ラベンダーの押し花を作るときに準備するもの

本の間に挟んで押し花にするという昔ながらの方法もありますが、効率的で、より美しく作れるのは「押し花シート」を使う方法です。↓の写真がそれ。

左から合成薄紙、ウレタンスポンジ、板状の乾燥シートのキット(このほか、ジッパーつきの保存袋もセット)。花に含まれる水分を吸湿することに特化しているため、茶色く変色することなく、元の花色に近い状態で押し花にすることができます。

合成薄紙は、通気性が高く、押しあがったときにはがれやすい素材。乾燥シートとの間に、ウレタンスポンジを挟むことで、凹凸のある花も均一に押すことができます。

さまざまなキットがネットなどで販売されているので、探してみて。

押し花作りに必要なもの
・ラベンダー
・押し花シート
・厚みのある本
・ピンセット
・ハサミ

厚みのある本は、重しとして使います。百科事典や辞書、雑誌などを何冊も重ねて。

ピンセットは、押し花ができあがったときに使います。水分が抜けきり、乾燥したラベンダーは、とても壊れやすい状態になっています。シートから剥がすときは、手ではなく、ピンセットで。

3.知りたい! ラベンダーの押し花の作り方

では、押し花シートを使って、ラベンダーの押し花を作っていきましょう。

ラベンダーの下処理
まず、フレンチラベンダーなどの花穂に厚みのある花は、最初に、花穂を薄くします。ハサミを使って、裏側を半分くらいにカット↓。そのあと、ティッシュで切り口を軽く押さえて、水分を取ります。

完成したときをイメージして、葉もあらかじめ整理しておきます。押し花ができあがったときに取ってもよいと思うかもしれませんが、乾燥しきったラベンダーは、とても繊細。余計なところまで、取れてしまいます。葉のつけ根にハサミの刃を当て、丁寧にカットしましょう。美しい押し花に近づくための大事なはじめの一歩!

押し花シートでの押し方

Step1
乾燥シート、ウレタンスポンジ、薄紙の順に重ね、その上にラベンダーを置きます。このとき、葉は指で押さえて、なるべく平らに。また、何本も一度に押すときは、花が重ならないように注意しましょう。花を並べている間にも、乾燥シートが空気中の湿気を吸うので、手早く!

Step2
ラベンダーの上に合成薄紙を重ね、さらにウレタンスポンジ、乾燥シートの順で重ねていきます。なお、花が少ないときは、薄紙は半分に折って。たくさんのラベンダーを押す場合は、Step1と2のセットを何層にも重ねて作ります。

Step3
ここまで手早く進めたら、ジッパーつきの保存袋に入れます。袋の中の空気を押し出しながら、密閉したら、上に重しを置き、直射日光が当たらない涼しい場所に2日ほど保管。

Step4
2日ほどしたら、乾燥シートの交換時です! 新しいシートと交換することで、より美しい花色の押し花にできます。

Step5
ラベンダーが乾燥しきるまでの目安は1週間から10日。花穂の大きさや本数で、日数は加減しましょう。乾燥して水分がしっかり抜け、葉を触ってみるとパリッとして紙のような質感です。ピンセットで茎をつまんで、薄紙からそっとはがしてください。取り出した押し花は、新しい薄紙に並べ、シリカゲルを入れたタッパーなどで保管を。

さまざまなラベンダーが、どんな押し花になるかも気になりますね? ↓をご覧ください。

フレンチラベンダー 

イングリッシュラベンダー

イングリッシュラベンダー ※上のラベンダーとは違う品種です。

レースラベンダー

花色の鮮やかさはそれぞれですが、こうして見ると、葉がついていたほうがナチュラルで、ラベンダーらしいですね!

4.押し花を短期間で完成させたいときの便利な道具

完成するまで、そんなに長く待てないという場合によく使われるのは、アイロンです。

花材を挟んだティッシュペーパーを新聞紙にのせて、低温でアイロンをかけるというもの。水分が早く抜け、湿度の高い夏場でもきれいな色の押し花にできます。

撮影・落合里美

ただ、これは花びらが薄い花用の方法。花や葉に厚みのあるラベンダーの場合、アイロンだけで水分を抜くのは、難しいことです。押し花シートで、じっくりと乾燥させる方法が最適です。

5.ラベンダーの押し花を作る際のコツと注意点

さて、押し花用にラベンダーを摘むとき、仕上がりには、お天気も関係すると知っていましたか? 

花を摘むのは、晴れた日の午前中

水分量が少ないラベンダーでも、雨の日には湿気をまとっています。余計な水分をまとっていると、きれいな色にはなりにくいものです。庭や鉢からラベンダーを採取するときは、前日から晴れが続く日の午前中に行いましょう。午前中は花がいきいきとした状態です。押し花を作る日も雨の日は避けたほうがよいので、摘んで、その日のうちに押してしまうのがおすすめです。

咲きすぎていない花を選ぶ

少しでも香りを残して押し花にしたいなら、イングリッシュラベンダーなどの香りの強い品種を選ぶこと。そして、咲き具合にも大事なポイントがあります! それは“花穂の中の4~5輪が咲いた段階”で摘むことです。ラベンダーの精油の濃度がもっとも高くなるのは開花直前。咲き進むにつれ、香りの成分は空気中に放出されてしまいます。

花が咲き切った状態では、押し花にする前から、花はぽろぽろと落下…。香りがないうえに、残念な押し花になってしまいます。

切り位置にも注意しましょう

切ったあとも、またラベンダーの花を楽しみたいですよね? 咲き始めの段階で摘むと、株の体力も温存され、また花が咲きやすくなります。でも、花芽がつくかどうかは、切り位置しだい! 

株元を見ると、茶色く木化した枝がありますよね。その枝からさらに伸びた“新しい枝の葉のすぐ上”でカットすることで、また花芽が立ちます。茎を長く取りたい場合も、木質化した枝より上の位置でカットすること。

撮影・田辺ゆり

6.ラベンダーの押し花を、美しいまま保管する方法

きれいに作れた押し花でも、空気にさらしていると酸化が進み、変色してしまします。もちろん、室内の湿気や、置き場所によっては直射日光にもさらされ、劣化は免れません。

そうならないためにも、保管の仕方が大事!

合成薄紙で押し花を挟んだうえで、密封できるジッパーつきの保存袋やタッパーに入れて保管を。その際、シリカゲルを中に入れると、乾燥状態をキープできます。シリカゲルは、食品などについているものを使ってもOKです。粒の細かいドライフラワー専用のシリカゲルを使う場合は、お茶パックなどに詰めてから。

7.ラベンダーの押し花をアレンジ! 飾り方アイデアも

押し花で、何を作ろうかとわくわくしますよね。貼りつけるときは、木工用接着剤を使います。クラフトではよくグルーガンも使われますが、熱が加わるため、押し花が変色しかねません。グルーは糸も引き、押し花の繊細な美しさにはマイナスです。

接着剤をつけるときは、ピンセットで茎をつまみ、爪楊枝の先に少量ずつとりながらつけていきましょう。

撮影・田辺ゆり

その1 押し花カード

撮影・落合里美 花材:イングリッシュラベンダー、ハーブゼラニウム、ローズマリーなど

さまざまなハーブと合わせて、カードの上にリースを描きました。ピンクの小花はハーブゼラニウム。ラベンダーと同じ時期に花の旬を迎えます。リースの内側に文字を入れて、夏生まれの人への押し花のカレンダーバースデイカードにしても素敵です。

その2 押し花カレンダー

花材:フレンチラベンダー

カレンダーにも飾ってみましょう。ラベンダーがきれいに引き立つのは、文字だけのシンプルなカレンダー。綴じられていないシート状のものを活用しました。

その3 しおり

花材:イングリッシュラベンダー(左)、フレンチラベンダー押し花といえば、しおり。幼いころ、作った方も多いことでしょう。厚紙を額に見立てて、ラベンダーで絵を描きませんか? ハトメパンチで穴を開けると、リボンを通す穴の補強になります。英字プリントの厚紙でセンスアップ。

その4 キャンドルホルダー

花材:イングリッシュラベンダーなど

影絵のように浮かび上がるのはラベンダーの押し花。英字ペーパーに押し花を貼り、トレーシングペーパーをかぶせています。燃えてしまわないよう、LEDキャンドルで!

以上。ラベンダーの季節になったら、押し花のクラフトを楽しんでみましょう。

撮影・落合里美、鈴木清子、田辺ゆり 構成と文・鈴木清子 撮影協力・サラグレース

Profile田辺ゆり

『サブリナ』主宰。 イギリス・ロンドン郊外のオークランズカレッジのフローリスト学科に在籍し、フラワーデザイン、写真、マーケティングなどを学び、ディプロマを取得。同時に、ロンドンの有名ホテルや花...アーティスト詳細を見る


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