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『獺祭 ジョエル ロブション』夢のコラボ店が、パリにオープンしました!

記事 2018/06/07
『獺祭 ジョエル ロブション』夢のコラボ店が、パリにオープンしました!

いまや、日本酒にそれほど詳しくないかたでもその名を知る“獺祭”。その大人気の日本酒、獺祭が、フランスの有名シェフ、ジョエル・ロブションさんとタッグを組み、パリにレストランをオープンしました。その名も『DASSAÏ JOËL ROBUCHON(ダッサイ ジョエル ロブション)』。 このブティック(ショップ)の装飾を、パリで活躍する日本人フラワーデコレーターの濱村純さんが担当されました。フランスと日本の新しいマリアージュを紹介しましょう。

ブティックは2018年4月に、凱旋門にほど近いパリ8区にオープンしました。店内は、1階がパンやスイーツが並ぶパティスリーに、サロン・ド・テと獺祭バー、2階がレストラン、という構造。ショップ兼サロン・ド・テ兼バー兼ガストロノミー・レストラン、という多目的な飲食空間になっています。こういった複合店舗は、じつはパリにはあまりありません。意外ですね。

日本の象徴のひとつ、桜の花をデコレーション

白を基調としたブティックは、モダンで明るく、やさしいイメージ。店内に入ると、その正面の棚に飾られた白い花装飾が目に入ります。それは、ふんわりと形作られた八重桜!

この花装飾を制作されたのが、先に紹介した濱村さんです。「スタイリッシュな内装は、空間の印象が硬質的になりがちです。それをやわらげるために、薄紙という軽い素材を選びました」。

獺祭とのコラボ店であること、和モダンな要素を取り入れること、天井の内装デコレーションが強いのでやわらげる効果を狙うこと。そして、ロブションさんからのリクエストとして、この飾り棚には生花を置かないこと。それらを考慮したうえで、柔らかさを演出できる薄紙を使用して、ペーパーフラワーの装飾を考案したそうです。

薄紙で手作りした白い八重桜は、本物の桜の枝に装着しています。ポンポンのように丸い満開の花もあれば、可憐なつぼみもあって、全体がリズミカル。それぞれの花たちのエアリーな表情は、とてもかわいらしいですね。

飾り棚の空間を生かして、横に流れるようにあしらったアレンジは、枝ぶりの自由な動きが、日本の春のうららかなムードを再現しているかのよう。花器には白樺モチーフのものを選び、プリザーブドの苔を敷いて仕上げています。

濱村さんのクリエーションは、店内にもうひとつあります。2階へ上がる階段の踊り場にある、深い森林を切り取ったようなグリーンのオブジェです。

ロブションさんの信頼を受ける、濱村さんが作成したのは、この“モダンな空間に現れた、森林への入り口”。「パティスリーからサロン・ド・テ、バーと、強いインパクトのある空間を経て、レストランにたどり着く、その前にホッとひと息つけるインスタレーションを差し込みたいと思いました。森林を覗き込むようなスポットです」。

濱村さんは、アーティフィシャルの葉、根、蔓を使い、それらをいちど細かく切り分けてからベースに接着しました。美しく自然に見せるために、アーティフィシャルの人工的なところを極力排除したのです。「明らかに、プラスティックだとわかる茎の部分は、見せないように工夫しました。そして、ドライになってもきれいな生花を混ぜています。これらのポイントは、普段から心がけていること。1階のパティスリーの八重桜に、本物のサクラの枝を取り入れているのもそのためです」

濱村さんのこういったクリエーションは、アルプス山脈やノルマンディーをトレッキングして目にした、実際の自然の姿がイメージソースになっているのだそう。

フレンチの巨匠の店に、惣菜パンがお目見え

花装飾をチェックした次は、気になるスイーツを。パティスリーのショーケースの中には、花のようにチャーミングなタルト・オ・シトロンや、サントノレ、マカロン、ショコラ…が並びます。パリでは珍しいロールケーキも!

パティスリーを手掛けるのは、中村忠史さん。六本木のラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション時代からシェフパティシエを務め、そのあと香港店で10年間活躍。そして今回、獺祭ロブション店シェフパティシエとして、パリに活動の地を移されました。ロブションさんの元で働き、15年になるそうです。

「ようやく夢が叶ったよ。私は日本酒が好きだし、日本の食材や調理の技術も大好き。フランスのお客さまも、この店にきっと魅了されるでしょう。そう確信していますよ」とロブションさん。フレンチの巨匠が、フランス人に紹介したかったもののひとつが、日本の惣菜パンだというのですから、驚きです。パティスリーには、ビーフカレーパンやソーセージパンがあるのです! 取材中、来店した男性のお客さんに、「これは本当に美味しいんですよ。もし美味しくなかったら、代金をお返しします」と、ロブションさん自らが総菜パンを勧めていました。ビッグシェフのユーモラスな一面に、お客さんは驚くやら笑うやら…。

おすすめスイーツはまだまだあります。中村シェフパティシエが、商品の説明をしてくださいました。

「現在、ケーキを9種類、ホールケーキを4種類、マドレーヌやクッキーなどの焼き菓子を5種類、出しています。そしてそれぞれに、獺祭の酒粕や日本酒を使ったものを必ず盛り込んでいます」

マカロンも種類によっては、獺祭を使用しているとのこと。蔵元からは、日本酒と食べておいしいパティスリーを、とリクエストされているそうです。どれも本当に美味しそうですね!

日本酒とスイーツの美味しいハーモニー

メゾンを代表するクリエーションとして、ゆず風味のタルト・オ・シトロン、そして獺祭の酒粕と日本酒をたっぷり使ったケーク・オ・獺祭、の2品を紹介しましょう。

写真が、ゆず風味のタルト・オ・シトロン。トップにキラリと輝く雫は、日本酒のジュレです。これに、獺祭50のグラスを合わせると…。

「日本酒とスイーツはとても相性がいいのです。特に熱燗は、どんなスイーツとも合いますよ」と中村シェフパティシエは言います。日本酒とスイーツ…まだ経験したことのないペアリングです。

早速、タルトを味わってみました。サクッと香ばしいタルト台、レモンクリームは上品な濃度とコクで、これ見よがしなところがありません。これぞ、グランメゾンのクオリティーです。幸せに満たされた口の中に、獺祭をひと口含んでみると…合います! びっくりしました!

フランスのホームパーティでは、食後のデザートにもういちど乾杯のシャンパンに戻ることがよくありますが、シャンパンよりも獺祭を合わせる方がずっと美味しく、エレガントです。シャンパン特有の酸味や苦味が日本酒にはないので、ただただ、スイーツの上品な甘味にやさしく調和していく感じ。不協和音を一切醸し出しません。

ケーク・オ・獺祭の方も、小麦粉の粒子がさらりと心地よく舌に感じられ、焼き菓子ってシンンプルゆえに本当に素敵だ、と思わされました。酒粕を練り混み、日本酒シロップを塗ること数回。そうやって焼き上げたケークに、日本酒をたっぷりとかけて仕上げているそうです。生地はベタベタするどころかその反対なのですから、さすがプロの技術です。

このタルト・オ・シトロンとケーク・オ・獺祭、そして獺祭50は、サロン・ド・テで堪能できるほか、ブティックで購入することもできます。

日本とフランス、ふたつの国の文化の、いちばんきれいな上澄みを集めてひとつにした場所。それが、獺祭ロブションで受けた印象です。ここではフランスの一流と日本の一流が互いに切磋琢磨し、いいものを作り上げ、来店するお客さんを迎えています。いちばんきれいな上澄み…純米大吟醸の、獺祭そのものですね。

Shop Data:DASSAÏ JOËL ROBUCHON
ホームページ/http://www.robuchon-dassai-laboutique.com、
住所/184, rue du Faubourg Saint-Honoré 75008 Paris
電話/01 76 74 74 74
営業時間/パティスリー8時30分〜20時、サロン・ド・テ12〜15時(ランチ)、15〜18時(ティータイム)、18時30分〜22時(ディナー)
定休日/日・月曜

Journalist:角野恵子 Keiko SUMINO-LEBLANC
在仏日本人ジャーナリスト、コーディネーター。日本の企業に就職後、東京在住フランス人ジャーナリストのアシスタントを経て、1997年よりパリに移住し、在仏歴21年に。食とライフスタイルを中心に、日仏の雑誌およびwebで活躍中。共著に「DIYでつくるパリのインテリア」(エクスナレッジ)「パリでうちごはん そして、おいしいおみやげ」(小学館)など。プライベートでは、ふたりのパリジェンヌの母。
HP:https://keikosuminoleblanc.wixsite.com/keikoparis


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